二枚目マスター渾身のやきとりで再び千客万来。『やきとり 永ちゃん』[錦糸町]
マスターの永ちゃんは、約40年前に店をオープン。繁盛店になるも、店を閉じ、数年前に再開した。「当時は遊び過ぎて店つぶしちゃったけど(笑)、50歳までにもう一度やりたくてさ」という永ちゃんが惚れ込んだのが、福島の伊達鶏(だてどり)。やきとり5本セットなら、フォアグラのごとくトロ~リ甘い白レバー、レアで焼くささみなどでその味を堪能できる。ささみチーズ揚げすらミディアムレアなのは、仕入れる伊達鶏の新鮮さゆえ!
『やきとり 永ちゃん』店舗詳細
味よし量よしの酒肴の数々、地下に飲んべえの笑顔咲く。『居酒屋いこい』[亀戸]
亀戸のある立ち飲み屋店主曰く「いこいはヤバい」。何がヤバいって、海鮮刺身盛合せ935円は築地の仲買人などから仕入れた鮮魚を5種盛り、レバカツ418円はパスポートサイズのカツが2つ鎮座と、味も量もよく、かつ異様に安いのだ。週末は予約でほぼ満席となり、店内は喧騒に包まれる。開店から10年を過ぎても常連が増え続け、ついにボトルキープが500本を突破! 瓶を置く場所がなくなり、一旦キープは受け付け中止というのも人気の証し。
『居酒屋いこい』店舗詳細
朝ジメのモツの旨さと下町人情に心ほくほく。『もつ焼わかば』[本所吾妻橋]
品書きを見ればレバ刺しとハツ刺しを傍線で消した跡。そう、こちらは新鮮な豚モツが名物なのだ。レバーやカシラ、ハツなどは朝ジメのものを仕入れており、切った豚タンはまな板でまだ動くほど! 新鮮素材を名物のニンニクだれで焼いたモツ焼きはホッピーにもビールにも相性がよく、お代わりを誘う。家族経営の温かい空気で、さらに長っ尻になってしまう。隣席の好々爺が赤ら顔でひとこと、「ここは下町酒場そのものだね」。
『もつ焼わかば』店舗詳細
心と体を温める家庭料理とハスキーボイス。『居酒屋 ぢんぢん』[錦糸町]
縄のれんをくぐると大皿料理が並ぶカウンターの中から、順子ママの「いらっしゃいませ」というハスキーな声。直感で良店だとわかる。つまみは銚子の漁師から仕入れる鮮魚と、ママと息子さんが手掛ける家庭料理の二本柱。野菜たっぷりぎょうざは白菜やエノキなど具だくさん、4日も漬け込んだ煮卵は噛めば黄味がとろり。「洒落た料理は1個もなくて」とママは謙遜するが、錦糸町でここまで落ち着ける店は貴重!
『居酒屋 ぢんぢん』店舗詳細
コスパ抜群の立ち飲みで思う存分飲み明かそう。『立ち酔い 超人』[亀戸]
ビルの1階は熟女パブ。恐る恐る2階に上ると、広々とした店内にドラム缶が並ぶ、昭和テイストの立ち飲み屋が。思いがけない気さくさで、老若男女の客が訪れる。「一見入りにくいので、とにかくコスパを良くして勝負したかったんです」とは、店主の清水則正さん。業者をリサーチし、コストダウンに努めた。なかにはにんにく漬けなど、50円の品も。注文したモツ煮込みはグツグツの鉄鍋に盛られ、大満足のボリュームだ。
『立ち酔い 超人』店舗詳細
自分一人で過ごしたい夜に。『立ち呑み とーど』[亀戸]
「お客さんには、あくまで自分の時間をゆっくり過ごしてほしいですね」とは、店主の温井敬久さん。客同士の絡み酒などなく、安心して晩酌ができるように店全体を目配りする。おすすめのとーどオリジナルハイボールは、ブラックニッカをベースに独自の調合。これに合わせるなら店で燻製したローストナッツが相性バッチリだ。一番人気の自家製チャーシューも頼みたい。しょうゆとみりんの甘辛さがくせになり、また酒が進む。
『立ち呑み とーど』店舗詳細
500円のチケットは50円×11枚。『立呑み処 くら 亀戸店』[亀戸]
チューハイは200円、料理は100円~の格安立ち飲み。すぐに出てくる煮玉子100円やもやしナムルも店内仕込みで、揚げ物は10種以上。酒飲みのツボを押さえた料理が約40種揃っている。名物は三崎直送のマグロ。のど肉刺しは肉のような食感だ。飲み終えたらサッと出られるキャッシュオン制で「亀戸店はサラリーマンが多く、小岩南口店では、一度出た後パチンコで勝って帰ってくる方も(笑)」と総武線各駅の客層に密着して営業を続ける。
『立呑み処 くら 亀戸店』店舗詳細
構成=株式会社エスティフ 取材・文=鈴木健太、高橋健太、古澤誠一郎 撮影=丸毛 透、本野克佳、オカダタカオ