撮影場所
今回、三重県津市の四天王寺にある、ご自身が監修された『ポトガラヒースタジオ』へお邪魔させてもらいました。
最初になぜこの場所にスタジオが建ったのか、や、「ポトガラヒー」という言葉がどこからきているのか等をお話ししていただきました。
ほぼ初めてと言ってもいいスタジオ撮影
今まで経験のある“スタジオ撮影”は「世界観を作り込まれたインテリア空間で写真を撮った」に過ぎないもので、そういうのも好きだけど、今回はガチのスタジオ撮影を経験させてもらいました。
あくまで私の経験上になりますが、この2つの大きな違いは”光源”です。
前者はライト等の機材は使用せず、自然光をたよりに撮影する。
後者は機材を使って光を作り出しての撮影となります。
まずは機材についての知識がぼんやりとしかないし、ましてや扱い方を学ぶ機会もなかったのでとても勉強になりました。
印象に強く残っているのが、「残心」という考え方。
私はこの言葉をこの日、初めて知りました。
残心(ざんしん)とは…
日本の武技で、攻めわざの直後も敵に備えて保つ(=残)心の構え。
- 剣技で、相手を仆(たお)す打ち(突き)をきめてからなお執る静かな構え。
- 弓術で、矢を射放してなお見定めるのに崩さない構え。
主には弓道の世界や茶道の世界で使われる言葉だそうです。
機材を扱う一つ一つの動作にも細心の注意を払って扱う、この概念を知ってからなんとなくカメラを扱う時、この言葉が頭をよぎるようになりました。
普段の撮影とスタジオ撮影の違い
- マニュアル撮影必須
- 露出シュミレーションOFF
- 光の向きや色をコントロールできる
普段からマニュアル設定で撮影をしていたものの、大いにカメラ頼りだった事に気付かせていただきました。
いよいよ実践!
今回、目指したのは「撮りたい写真を意図的に撮りにいく」こと。
個人的にポートレート撮影が好きで、それなりにポージングの引き出しはあったので、イメージはいくつも頭に浮かんでいたし、指示出しもそこまで難しいものではないポージングだったと思います。
個人的に「もっと笑って」と言われる事に抵抗を感じた経験があったので、そういう言葉を使わないでいいように動きのあるポージングにしました。
撮りたい画を追い求めることもやってこなかったわけではありません。
けれど、撮って、確認してという作業の中で被写体の方を思いやり、気持ちよく写ってもらうために、こちらの声掛けや、お伝えする言葉のチョイスですごく変わるんだなという事を学ばせてもらいました。
素敵(すてき)な写真にはそういった目には見えない撮る人の思いも乗っかって、ますます素敵に見えるのかもしれないと思いました。
その場の雰囲気をつくるのも撮る人の腕にかかっているところではあるけれど、撮る人の特性によってやり方はいく通りもあるという事も学ばせてもらいました。
後、私の場合、その場のノリで楽しくなってしまってテンションが上がって、確認が疎かになってしまう事も課題の一つだと発見できました。
表現のバリエーションが広がる
1カ所で、バリエーション豊かな表現ができるのもスタジオ撮影の魅力の一つだと思いました。
今回撮影させてもらったのは
- 白背景
- 黒背景
- シルエット
- イルミネーションのような背景
撮影した写真を見比べてみましょう。
全然雰囲気が違いますよね!
今回、学ばせてもらったのはすごく初級的だったと思うけれど、それでも勉強になる事が沢山あったし、十分に撮影を楽しませてもらいました。
突き詰めればもっと奥が深いんだろうなぁ。
取材・文・撮影=camell編集部





