環状八号線沿いに立つビル型銭湯

環状八号線に面して立つ『お玉湯』。小さな銭湯だが、地元客から愛されている。

『お玉湯』の開業は昭和30年(1955)。神田岩本町にある『お玉湯』からののれん分けで、屋号は、かつて岩本町にあったお玉が池に由来する。

『お玉湯』は環状八号線沿いに立つが、かつてこの辺り一帯には商店街があり、銭湯も昔ながらの木造であったという。環状八号線開通にともない建て替えを余儀なくされ、1993年に現在のようなビル型銭湯に生まれ変わった。

2代目店主となる安岡誠司さん・留美さんご夫妻が切り盛りする。「古い建物ですが、清掃には気をつけています」と話す。

「かつては、商店街は賑わっていましたが、大型スーパーができて衰退し、環状八号線が開通すると商店街はなくなってしまいました。この辺りは工場地帯でもあったので、工場で働く人もよく来てくれたのですが、現在は多くの工場が移転しました」。店主の安岡誠司さんは、当時を懐かしむように話してくれた。多くの商店街が辿ってきた栄枯盛衰の物語がここにもあった。

近年では見ることも少なくなったケロリン桶。『お玉湯』ではまだまだ現役で使用中。

ランナーやサイクリストの拠点として利用されている銭湯

カランは全16という小ぢんまりした浴室。浴槽はL字型に配置されている。
女湯は手前の青い湯を張った浴槽が日替わりの薬湯。

浴室は男女同じ造りで、バイブラ、ジェット、日替わり薬湯、水風呂、スチームサウナ(新型コロナウイルスの影響で2020年8月現在休止中)というシンプルな構成。湯船の上部に壁画があり、男湯は日本庭園、女湯はヨーロッパの乗馬風景が描かれている。

熱帯魚などを置いた小さな待合所。フロントで客を迎える女将さんとの会話も楽しみ。

新荒川大橋サッカー場や野球場、荒川のマラソンコースから一番近い銭湯ということもあり、スポーツ帰りに利用する客も多い。

毎月第4日曜に開催されている「月例赤羽マラソン」は、近くの新荒川大橋がスタート&ゴール地点となるため、当日は朝7時45分~9時に荷物預かり(入浴料込み500円。要予約)の受付をしてくれ、風呂も11時からオープンする。

住所:東京都北区赤羽北1-25-13 安栄ビル1F/営業時間:15:45~23:00/定休日:水/アクセス:JR埼京線北赤羽駅・地下鉄南北線赤羽岩淵駅から徒歩7分

取材・文・撮影=塙広明