店名はシェフの名前から

シェフのサイモンさんと奥様の須永有紗(すながありさ)さん。
シェフのサイモンさんと奥様の須永有紗(すながありさ)さん。

店名になっている「さい門」は、シェフであるサイモンさんの名前から。サイモンさんは故郷のオースラリアで奥様の須永さんと出会い、日本に移住。フランス料理とラーメンを学んで出店した。日本ではさまざまなラーメン店を食べ歩き、研究したという。

オマール海老やイベリコ豚を惜しみなく使う

鮮やかなオレンジ色のオマール海老味噌味玉ラーメン980円。
鮮やかなオレンジ色のオマール海老味噌味玉ラーメン980円。

チャーシューはスペイン産のイベリコ豚を使っている。ピンク色のレアチャーシューは見た目も美しく、食感もいいと評判だ。人気のオマール海老味噌ラーメン880円は、フランス料理を学んだサイモンさんがその知識を活かして作り上げた一杯。濃厚なエビの旨みが凝縮されているが、くどさはなく、最後まで飲み干せるほど。麺は全粒粉の中細麺。小麦の素朴な風味が、上品な味のスープと程よいバランスを作っている。

真鯛塩 味玉ラーメン900円。薄切りのレアチャーシューがのる。
真鯛塩 味玉ラーメン900円。薄切りのレアチャーシューがのる。

澄んだスープが好みなら、真鯛塩味ラーメン900円がおすすめだ。スープは真鯛や羅臼昆布からとり、塩はピンク色のモンゴル岩塩を使用。暑い日でもおいしくいただける。シェフのサイモンさんは「確かにイベリコ豚は高いです。でも、お客様から好評をいただいているので使うことにしました」と笑顔で語る。

麺は表面から全粒粉の粒が見える中細麺。
麺は表面から全粒粉の粒が見える中細麺。

ガッツリ派には、夜限定メニューのオマール海老味噌つけ麺800円もおすすめだ。ラーメンとは一転、コシの強いツルツルの太麺は、ボリュームもあり、濃厚なスープとよくあう。

ジャズが流れる料亭のような落ち着いた空間

現在はカウンター9席。シンプルで清潔感あふれる店内。
現在はカウンター9席。シンプルで清潔感あふれる店内。

赤羽駅南口から出てすぐの路地にある、料亭のような店構え。外から客席は見えず、店の奥に座るスペースがある。引き戸を開けると、ジャズが流れ、ゆったりとした空間が広がっている。

思わず赤羽にいることを忘れてしまいそうな店で、気鋭のシェフがつくる一杯を無心で啜りたい。

座って待つことができるスペース。この奥に券売機がある。
座って待つことができるスペース。この奥に券売機がある。
住所:東京都北区赤羽西1-4-15/営業時間:11:00~15:00・17:30~21:30(日は11:00~15:00)/定休日:月/アクセス:JR赤羽駅からすぐ

取材・文・撮影=新井鏡子