目指せ8000歩!

私事ながら、散歩取材の訓練と称して毎週アスレチックに通っている。痛感するのは、一週サボっただけでも体力は確実に落ちるという事実。年齢や個人差もあるだろうが、操るマシンが急に重たく感じたりする。

そもそも日々通勤し、飲み屋街をさまようだけでも、実はそれなりの運動量。ゆえに自宅待機によって積み重なる運動不足は、深刻に受け止めねばならない。服がきつくなりワンサイズ上がった日には、経済的損害も計り知れぬ。そうならないためにも、ご近所散歩を工夫して、有効活用してみようではないか。

別にハードに運動しようというわけではない。目的は来たるべき本格散歩に向けての体力維持である。

信用のおける健康オタク氏の監修の下、効果ある近所の歩き方を探った。最近の研究だと1日8000歩(できればうち20分は早歩き)が健康効果アリと言われているとか。よく言われる1万歩は、実はあまり根拠がないらしい。これだけでも2割方、気持ちからして軽くなれる。

健康さんぽのコツ

コツ① 平地の歩き方

見晴らしの利く長い一本道がもってこい。緑道や川沿いとか風景がよければさらによし。大股早歩き、つま先小走りに向く。信号や十字路などを目標に、到着する度に歩き方を変えてみるのもよし。いずれも姿勢を正して前方を見すえ、疲れたら普通歩きを混ぜる。

コツ② 階段の歩き方

歩道橋やホームをまたぐ駅の階段は、格好の健康さんぽコース。エレベーターを使うマンション住まいなら数階分は階段で。上りは時々1段飛ばし。脚の裏側の筋肉が鍛えられ姿勢改善も期待できる。加えてナンバ歩き(後述)推奨。下りはかかとを着くようにすると骨も丈夫に。

コツ③ 坂道の歩き方

山道などの難所=難場も乗り切れるのが語源というナンバ歩き(後述)は、まさに坂道のための歩き方。これを使って一気に上り切る。上って下りるだけだと気持ちがなえるので、坂を上った先で進むコースを考える。車通りが少ないなら蛇行しながら上って歩数を稼ぐ。

いろんな歩き方でトレーニング!

飽きのこないよう歩き方とコースを工夫、1時間を目安に無理のない範囲でご近所を散歩してみる。取材で実践してみた時は、8000歩を超えたから、1日分には十分だ。

ポイントになる歩き方は、「大股早歩き」「つま先小走り」「ナンバ歩き」のオススメ3パターン。いずれも背筋を伸ばし、姿勢良く歩くことを心がければ、より効果あり。身につければ今後の散歩にも何気に役立つはず。

通常の歩き方
通常の歩き方
大股早歩き。姿勢よく、できるだけ大股で歩く。自然と早歩きになり、これだけで腹筋・背筋にかかる負荷が増し、腹回りの引き締めも期待できてしまう。
大股早歩き。姿勢よく、できるだけ大股で歩く。自然と早歩きになり、これだけで腹筋・背筋にかかる負荷が増し、腹回りの引き締めも期待できてしまう。
つま先小走り。いわゆるスロージョギング。背筋を伸ばし、地面にかかとをつけずに小走り。疲れたら歩いてよし。脂肪燃焼にも効果あり。家の中でもどうぞ。
つま先小走り。いわゆるスロージョギング。背筋を伸ばし、地面にかかとをつけずに小走り。疲れたら歩いてよし。脂肪燃焼にも効果あり。家の中でもどうぞ。
ナンバ歩き。スポーツ選手も採用する、江戸時代までの日本人の歩き方。右足を 出す時は右手、左足なら左手と、左右揃えて歩く。体幹が鍛えられる。
ナンバ歩き。スポーツ選手も採用する、江戸時代までの日本人の歩き方。右足を 出す時は右手、左足なら左手と、左右揃えて歩く。体幹が鍛えられる。

コース的には、歩いて心地よい景色のいい通りのほか、日ごろ気になっていたものの、上ったり通るのが面倒だった長い坂や階段、遠回りになる脇道などがおあつらえ向き。歩道橋なんてこんな機会がないと喜んで使う機会ないよ。

途中公園でベンチなど見かけても立ち止まらず、混雑している場所は鬼ごっこの要領で楽しく避けるべし。

ライター奥谷が実践してみました

自宅付近で、どこにでもありそうな場所を選んでコースを設定。初回だったせいか少しキツかったが、新発見もあって楽しい。

まず自宅マンションの外付け階段をナンバ歩きで。慣れないうちは手すりに手を添え慎重に。

まず行くことのない近所の児童公園へ。遊具の周りをぐるぐる歩いて歩数を稼ぐなんてのもよし。

面倒で普段使わない駅前の歩道橋をナンバ歩きで攻める。ついでにロの字形の歩道橋の上を一周。

地下鉄駅構内も運動の穴場。特に地下深くにある大江戸線は使える。階段を時々1段飛ばしで。

見晴らしのいい一本道。信号と信号の間をつま先小走りで。バテてしまい、後半は普通歩きに変更。

いかにも運動になりそうな坂道をナンバ歩きで。慣れると歩きやすそう。ランナーズハイか?

散歩好きなら外せない路地散策は歩数や距離を稼ぎやすい。ここはぐねぐねと大股早歩きで。

締めに買い物。荷物をバランス良く2つに分け、上げ下げしながら運ぶと上半身も鍛えられる。

ピンチをチャンスに活動量計を使いこなす

さらに歩数計か、その進化形の活動量計を身につけて歩くともっとよい。ことに活動量計は、歩数のみならず運動量全般を計ってくれる。いい励ましになるし、逆に一日何もしないと運動量がどれほど少ないかを思い知らされ、愕然とすることにもなる。

健康さんぽ
おすすめグッズ
目下愛用中なのはオムロンの活動量計「カロリスキャン HJA-405T」。胸ポケットに1日放り込んでおくだけで日々の活動(歩行)を丸ごと計測。階段上りや早歩き歩数まで表示、さらに4週間で減らしたい体重を設定すると毎日、目標カロリーを算出してくれる。6578円。

腕に着けて計るスポーツ仕様が多いが、生活全体の消費カロリーを毎日お手軽に測れるものなどもある。
勝負はこれからだぜっ。

取材・文=奥谷道草 撮影=井上洋平
『散歩の達人』2020年6月号より