高松の代官山!? こんなおしゃれなパンは見たことがない!
![店名は、たくさんのパン屋が立ち並ぶフランスの通りの名が由来となって付けられた。「旅行でフランスを訪れたとき、アベス地方に足を運んだんです。アベス通りにパン屋さんが軒を連ねていたのが印象的でした。」と語る村井さん。建物も、ヨーロッパを感じさせる雰囲気を意識して一から建てたそう。](https://san-tatsu.jp/assets/uploads/2023/10/25114157/62947aded2910ac1eec5845fa4465ba7-750x593.jpg)
『Le pain de abbesses』があるレインボーロードは、高松市で最も住みたいエリアとしても人気だ。中心の通りにはスーパーや飲食店など生活に欠かせないお店が集合しており、1本中道に入るとおしゃれなカフェなどもある。そのなかでも『Le pain de abbesses』は、「東京に行かずとも、見た目も味もハイセンスなパンが食べられる」と話題になっているという。
「初めてお店に来たお客さまは大体「うわー!」って言いますね(笑)。お店のこだわりのひとつなのですが、ヨーロッパのパン屋さんにはないカレーパンや揚げ物のパンは作らないようにしています」と語る村井さん。以前は造船所で働いていて、ふと思い立ってパン職人に転身したのだとか。
「子供の頃からパンが好きで、食べ過ぎて小麦アレルギーになったこともあったんです。別の仕事をしていましたが、あるとき思い立ってパン屋を目指すことに。ご縁があった東京の高級フレンチレストランで7年半の修業を重ね、地元香川に自分のお店を出そうと戻ってきました。都会でお店を出すことも考えたけど、香川でふと見上げた星空があまりに綺麗で。こっちで頑張ろうと思いましたね」そう教えてくれた村井さん。
当初の狙い通り、香川では見たことがない独創的で本格派のパンが楽しめるお店として、あっという間に人気に火がついた。
見た目だけじゃない、素材と味へのこだわり
![『Le pain de abbesses』のパンは、できるだけ旬で新鮮な国産野菜を使うことにもこだわりがある。洗練されたお総菜パンの豊富さは、お客さまからも人気だ。パンというより、フレンチ料理のひと皿のように見えてくる。](https://san-tatsu.jp/assets/uploads/2023/10/25114701/458404a53f0a74540a87452bb4d0f943-750x500.jpg)
「小麦粉は、パンによって10種類以上を使い分けています。バターは国産100%です。材料としては高いけど、やっぱりおいしさも仕上がりも全然違いますね。例えば、素材にこだわって作ったうちのクロワッサンはとてもサクサクで、お客さまからも人気なんです」シンプルだからこそ奥が深いパン作りへの村井さんの想いが詰まっている。
パンに使う生クリームやハムなどの材料も、自らおいしいと思ったものを取り寄せて使用している村井さん。1つ1つ妥協せずに作り上げる姿勢が、本格的なおいしさのパンと支持される所以だ。
いずれは香川の名物・うどんに並ぶパン屋になりたい
「香川県はうどんだけじゃない、実はこういうのもあるよって紹介するテレビコマーシャルがあるんです。お店をオープンするときに、うちのパンがうどんに並ぶ香川名産の1つになれたらいいなと思って準備を進めていました」
お店を出店した当時のことをそう振り返る村井さん。体力的にも苦労の多いパン屋さんを続けていく情熱の源になっているようだ。
「お客さまがあっと驚くパンを作るために、彩りや見た目に工夫を重ねることを大事にしています。時には、一般的なお店の3倍ぐらいの具材をのせることも。材料にこだわり手間暇かけて作った『アベス』のパンを、頑張った自分へのご褒美とか、少し贅沢したいときとかに選んでもらえたらうれしいです」
取材・文・撮影=パンスク編集部