生姜醤油で食べる姫路おでん
姫路おでんはご当地おでんのひとつで、生姜醤油をつけて食べるのが特徴だ。
姫路おでん普及委員会のサイトによると、もともとは姫路を中心に加古川から相生辺りの限られた地域の食べ方だったそうだ。
諸説はあるが、昭和初めに甘辛い関東煮に生姜醤油をかけて味を調整して食べたのが始まりといわれている。平成18年(2006)に町おこしのために「姫路おでん」と命名したそうだ。
ちなみに「姫路おでんの歌」というテーマ曲もあり、姫路出身の芸人であるぜんじろうさんが作詞し、ミュージシャンの種浦マサオさんが作曲と歌を担当している。
姫路おでんを模したおでんケーキ
今回の主役となる「姫路おでんケーキ」の誕生は平成20年(2008)、「姫路菓子博2008」の開催にあわせて発表された。
姫路おでんを多くの人に知ってほしいという思いから作られ、現在では定番商品として親しまれている。姫路市を中心に8店舗展開する『創作西洋菓子 大陸』で取り扱っているが、通販サイトでも購入できる。
三角、丸、四角のおでん種に串が刺さったその姿はおでんそのもの。それぞれこんにゃく、玉子、ちくわを模している。
ケーキには特製の生姜パウダーが付属しており、生姜醤油をつけて食べる姫路おでんのようにケーキにふりかけて食べる。ほんのり漂う生姜の清々しい香りと、ホワイトチョコレートの上品な甘さがケーキの味を引き立ててくれる。
こんにゃくの部分は米粉の三角ロールとなり、姫路の夢前町産の紫黒米を使用している。紫黒米は古代米でミネラルが豊富に含まれている。
アーモンドがアクセントとなり、かりっとした食感が加わっている。上品な大人の味わいだが、子供でもおいしく食べられるだろう。
玉子は「アマンドクイーン」という『大陸』のベストセラー商品だ。ふんわりとしたブッセ生地に『大陸』特製のクリームがはさんである。
フレッシュバターと粉チーズが含まれており、甘さのなかに塩味も感じられる。冷やすとクリームがほどよく固まり、上質なチーズを味わっているように感じられるそうだ。
ちくわは、赤米と呼ばれる古代米を使用しており、こちらも夢前町産となっている。ロールのなかには「白雪大納言」という安富町特産の白小豆が入っている。姫路産の原料にこだわり、形だけではない姫路おでんの再現に取り組んでいるようだ。
『大陸』は昭和22年(1947)に喫茶店としてスタートし、姫路で洋菓子を作り続けてきた。地元に寄り添う心が姫路おでんケーキを作る活力になったに違いない。
おでんは各地でさまざまな発展を遂げ、地域活性化に貢献している。姫路おでんもこのケーキによってより多くの人たちに知られ、愛されてほしいと思う。
『創作西洋菓子 大陸』の基本情報
創作西洋菓子 大陸(本店)
〒670-0921 兵庫県姫路市綿町89
079-222-0071
定休日:年末年始
営業時間:8:00~17:00
取材・文・撮影=東京おでんだね