◆散歩コース◆

体力度:★☆☆
難易度:★☆☆

  • 登山シーズン 1月~6月、9月~12月
  • 最高地点 159m(大平山)
  • 登山開始地点 26m(北鎌倉駅)
  • 歩行時間 4時間20分
  • 歩行距離 約9.5km
スタート
北鎌倉駅
線路沿いに歩き、小川が見えたら明月院方面に進む。明月院の脇を通り、住宅街の坂道を上がっていく。

六国見山
左手に急な坂道が見えたら、そこを上がっていく。行き詰まりの民家の脇から登山道が始まる。

明月院登山口
来た道を戻り、左手に急な坂が見えたら、そこを登っていく。電柱につけられた小さな道標が目印。

勝上献展望台
徐々に道幅が狭まり、山道に入っていく。道標に沿って、しばらく登っていくと、展望台に到着する。

大平山
道が本格的な山道となっていき、急登を登ると、急に視界が開け、山頂に到着する。トンビに注意。

獅子舞の谷
天園休憩所を過ぎ、下っていくと獅子岩が見える。この辺りが獅子舞の谷で、秋は紅葉が美しい名所。

永福寺跡
大きな切通しを抜け、沢沿いの道を下っていく。史跡公園となった永福寺跡を通り、鎌倉駅へ。

ゴール
鎌倉駅

アクセス:
[行き]品川駅からJR横須賀線で北鎌倉駅駅へ。約45分。
[帰り]鎌倉駅からJR横須賀線で品川駅へ。約50分

北鎌倉駅を出発し、鎌倉駅がゴールなので、計画が立てやすい。時間がなければ、六国見山に寄らず、明月院登山口から天園ハイキングコースを登りはじめてもいい。

北鎌倉駅からは明月院方面に進む。今回は明月院には立ち寄らず、六国見山を目指した。六国見山には森林公園から登るルートもあるが、住宅地から登る裏道を経由して山頂を目指す。住宅地の中にも小さな切り通しや、石仏、古い井戸などがあり、趣き深い。

六国見山への分岐は道標がないため迷いやすい。左手に急な坂道が見えたら、そこを登る。登山道というより、住民のための小道だ。坂の行き詰まりの民家の脇を右手に曲がると、草むらの中に六国見山と書かれた小さな木の板を見つけた。わかりにくいが、この草むらの脇に山道がある。木々に覆われた道を10分も歩けば標高147mの山頂だ。先に進み、展望が開けるところまで下った。

六国見山の中腹には民家が数軒立っている。手入れされた小道を上がって、登山口まで進む。
六国見山の中腹には民家が数軒立っている。手入れされた小道を上がって、登山口まで進む。

林の向こうに、みなとみらいの高層ビルが見える。六国見山は相模、武蔵、伊豆、上総、下総、安房の六国が眺められるところからその名がついた。鎌倉で2番目に高い山だけあり、展望がいい。

六国見山山頂の先からの景色。横浜市街やみなとみらいのビル群がよく見える。
六国見山山頂の先からの景色。横浜市街やみなとみらいのビル群がよく見える。

来た道を折り返し、天園ハイキングコースへ。先ほどの分岐から少し戻ると、電柱につけられた道標を見つけた。ここを曲がり、坂を登っていく。徐々に道幅は狭くなり、木の生い茂る山道となっていく。すぐ裏手は住宅街というのが、鎌倉らしい。

勝上献展望台から建長寺を見下ろし、相模湾までを望む

道脇の開けた斜面に、木の枝で組まれた小さな秘密基地を見つけた。家と裏山の近さは、野遊び好きならたまらない。
道脇の開けた斜面に、木の枝で組まれた小さな秘密基地を見つけた。家と裏山の近さは、野遊び好きならたまらない。

分岐を越えるとすぐに勝上献展望台に着く。絶景の展望台からは富士山がよく見えた。箱根の山々や相模湾、眼下には鎌倉市街や建長寺の境内が一望できる。建長寺からのコースと合流し、登山者で賑わってきた。ここから本格的な山道となる。ツルツルになった木の根や石でつまづかないように、慎重に歩く。石仏や祠があちこちに点在し、歴史を感じさせる。ふと祠を覗き込むと、首のない石仏が祀られていた。夜なら、怖くて一歩も進めないだろう。

勝上献展望台近くにある「十王岩」。この岩を登ると、岩の裏に石仏が刻まれている。
勝上献展望台近くにある「十王岩」。この岩を登ると、岩の裏に石仏が刻まれている。
勝上献展望台からの眺め。建長寺の背景に相模湾と箱根の山々を望む。コース一番の絶景。
勝上献展望台からの眺め。建長寺の背景に相模湾と箱根の山々を望む。コース一番の絶景。

この先も雰囲気のある山道を進む。切通しの両端は、苔むし、人がたくさん歩いたことで磨かれてもいる。自然と人の歴史の両方を味わうことができる山道だ。

コース一番の急登を登り切り、視界が一気に広がると、大平山の山頂だ。山頂は開けており、お弁当を食べるのにぴったり。なるべくゴルフ場を見ないようにして、短めの休憩をとった。

ここから10分ほどで天園に到着する。少し下ったところで営業している「天園休憩所」に立ち寄った。うどんが入ったおでんをつまみに乾杯。竹林を見ながら、山で飲むビールは最高に気持ちがいい。おかわりしたいところをぐっと堪え、獅子舞コースを下山する。赤く色づいたモミジの葉がまだ残っていた。二階堂川の源流沿いを下ると、国指定史跡の永福寺跡に到着。駅まではもう少し。二度目の乾杯が待っている。

獅子岩から下ったところにある、名も無き切通し。すぐ下が二階堂川の源流となる。
獅子岩から下ったところにある、名も無き切通し。すぐ下が二階堂川の源流となる。
獅子舞谷付近の広葉樹の森。知る人ぞ知る、紅葉の名所でもある。
獅子舞谷付近の広葉樹の森。知る人ぞ知る、紅葉の名所でもある。

山歩きメモ

天園休憩所までは売店がないので、お昼は持って行こう。トイレは大平山と天園にしかないので、寄っておいたほうがいい。(※天園休憩所は現在不定営業)

アドバイス

明月院から六国見山までは住宅街の中を通るので、迷いやすい。道標を見過ごさないように、地図を見て歩く。天園ハイキングコースは木の根や岩で滑りやすいので、注意。瑞泉寺コースは令和4年4月から開通した。

永福寺跡

壮大な伽藍の面影を復元された基壇に感じる

永福寺は源頼朝が奥州攻めの際に亡くなった武将の鎮魂のために建立した寺院。室町時代に焼失し、再建されなかった。近年発掘調査が行われ、建物の基礎部分と池を復元し、史跡公園として一般公開されている。アプリを使えばARで再現された当時の姿を見ることができる。

取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 日帰り山さんぽ 低山をきわめる!』より