朝ラー大歓迎!6時から23時までノンストップ営業
「結構いますよ、朝ラー食べてから出勤するお客さん」と語るのは、オーナー、いや、家系ラーメンなので「家主」の永井さんだ。一晩中飲んで帰る前にシメの一杯の人よりも、働く前に一杯の人が多いと話す。朝からガッツリ系のラーメンって、よっぽど胃が丈夫とか体力あり余ってるとか、そういうこと?
「普通に朝ごはんって感じなんですよ。ミニチャーシューメンとごはんとか。ほうれん草追加したりしてね」メニューを見ると、ラーメンもチャーシューメンもミニサイズが用意されている。なるほど、味噌汁代わりにラーメンならアリだ。あったまりそうだしバッチリ目も覚めそう。
朝営業を始めたのはコロナによる営業時間の短縮規制から。試しにやってみたら、思った以上の反響があり、とくに女性のお一人さまが増えたという。「朝の常連さんも多いし、お腹いっぱいになって、元気に働きに行くのを見るのはいいですよ」朝からラーメン、確かにいいかもしれないな。
家系・六角家の姉妹店として継承する味とスピリット
豚骨醤油ラーメンで有名な横浜家系ラーメンは、『吉村家』、「六角家」、『本牧家』を筆頭に、いくつかの流派に分かれている。この店は「六角家」の姉妹店で、ラーメンには肩ロースのチャーシュー、ほうれん草、そしてそびえ立つ大きさの海苔が3枚トッピングされる。そして、麺の硬さ、脂の量、味の濃さがカスタマイズできるのも家系ラーメンの特徴だ。
濃厚な豚骨感のあるスープは適度なとろみがあり、パンチも十分。うっすら浮いた鶏油の香りもたまらない。見た目よりも飲みやすく、醤油のまろやかな風味に、最後まで飲んでしまいそうだ。
そして家系ファンにはおなじみの、酒井製麺の特注麺!麺の適度なウェーブによりスープが抜群によく絡み、噛むごとにもっちり、ぐぐっと反発してくるような強い弾力。小麦もふわりと香る。
ぎゅっと締まったタイプのチャーシューはしっかり味付けなのに、スープが染みてさらに深い味わい。しみしみになった海苔が当然おいしいけれど、「ごはん頼めばよかった…」とここまで来て気がついた。こんなことになる前に、ごはんは必ずオーダーしましょう。
客が求めるものを。小さいことを丁寧にブラッシュアップしていく
「スープがないからラーメンを出せない」では来てもらった客に申し訳ない。そのため厨房では常にスープを作り続けている状態だ。寸胴鍋には必ずスタッフが付き、スープの状態を丁寧に確認していた。
「こだわりはない」という永井さん。「こだわりといいつつ、自分の思う「うまい」だけをお客さんに押し付けることはしたくない。できる限り食べ手のニーズに合わせることを大切にしています」
小さなことを少しずつブラッシュアップしてきた結果が今。そして今後も続いていく。老舗人気店は、この日も客足が途絶えることがなかった。
取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ