【新宿~駒込編(約11.33㎞)】

コリアンタウンから学生街、閑静な庭園まで。1駅ごとに個性のある区間

Google My Mapsにて作成。
Google My Mapsにて作成。
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新宿~新大久保(約2.0㎞)

アプリ「ルートヒストリー」で記録。
アプリ「ルートヒストリー」で記録。
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新宿駅。
新宿駅。

新宿駅南口から東口の方まで移動する。これだけでも骨が折れるが、スタジオアルタ前、歌舞伎町手前の大通りを抜けるまで息が抜けない。

歌舞伎町といえば、2023年4月14日に「東急歌舞伎町タワー」が開業予定(ホテル開業は2023年5月19日)。新宿も変わり続ける街だ。

西武新宿線と並走するところまで来るとやっと落ち着ける。一本道が最高に気持ちいい! こういう道はランナーにとってありがたい。

新大久保駅が近づくとともに、韓国料理のお店が増えてくる。そして、いよいよ新大久保駅に……しかし、走ってきた証拠に駅の写真を撮ろうとしたが、駅前はまるでお祭り騒ぎのような人だかりで断念。

新宿も新大久保も駅前はいつもにぎわうが、線路に沿った一本道はとても快適で、意外とおすすめのコースだ。

新大久保~高田馬場(約1.4㎞)

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引き続き、大通り沿いのまっすぐな歩道で走りやすい。「おおくぼそよかぜ橋」を通過する。

おおくぼそよかぜ橋の上から。
おおくぼそよかぜ橋の上から。

この区間は快適に走れる上、距離もそれほど長くない。最後の坂を下って、高田馬場駅前のロータリーに足を踏み入れた。頭上の駅のホームから「鉄腕アトム」のメロディーが耳に届く。

高田馬場駅前ロータリー。
高田馬場駅前ロータリー。

高田馬場から西早稲田駅、あるいは早稲田駅方面へは、広い通りを比較的まっすぐ行けるため、走りやすいような気がしていて、いつか走ってみたいと思っている。

高田馬場~目白(約1.1㎞)

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高田馬場駅。
高田馬場駅。

ガード下には「鉄腕アトム」の絵が大きく描かれている。
高田馬場が「鉄腕アトム」の街になった理由は、アトムが2003年に高田馬場にある科学省で誕生したという設定になっていること、また、アニメの番組制作を手がけた「手塚プロダクション」が事務所を置いているため、などといわれている。

ちなみに、アトムは作中の設定で神保町の「お茶の水小学校」に通っており、神保町のあたりも「鉄腕アトム」ゆかりの街といえるだろうか。神保町から御茶ノ水へ伸びる明大通りには、アトムデザインのマンホールを見つけることができる。

神高橋を渡り、神田川を越える。街中で川を見ると心が安らぐ。

神高橋から撮影した神田川。高架上は西武新宿線が走行する。
神高橋から撮影した神田川。高架上は西武新宿線が走行する。

学習院下から目白駅までは緩やかな上りが長く続く。右手には学習院大学。足を前に出す意識で乗り越えたい。

目白~池袋(約1.23㎞)

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目白駅。
目白駅。

橋上にあり、ステンドグラスも印象的な目白駅の外観が個人的には好きだ。

西武線とJRが立体交差しているポイントを通過する。細い道をうねうねと進み、一度下って、少し上る。うねうね道では、不意に現れる車や通行人に注意だ。

道が開け、メトロポリタンホテル脇を抜けると、池袋西口公園が姿を見せる。園内の「グローバルリングシアター」はコンサートやダンス、演劇に対応した野外劇場で、大型ビジョンを備えている。週末にはしばしばイベントが催され、楽しげだ。また、公園内には『東京芸術劇場』もあり、こちらの外観も目に留めておきたい。

池袋西口公園。
池袋西口公園。

池袋~大塚(約3.4㎞)

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池袋駅。
池袋駅。

埼玉方面への玄関口・池袋から東京の東側へ進路を取る。西口から東口へ横断、『ジュンク堂書店池袋本店』脇の東通りを選んだ。東通りは訪れるたびに気になるお店が増えていく。

通りを抜け、雑司が谷方面から来る都電荒川線に沿う形で大塚へ。

サンシャインを見上げると、子どもの頃に読んでいたマンガ『キン肉マン』をいつも思い出す。
サンシャインを見上げると、子どもの頃に読んでいたマンガ『キン肉マン』をいつも思い出す。

「イケサンパーク」の横を通過。のどかな時間が流れているようだ。

大塚台公園を見つけたのでちょっと寄り道。園内ではSLが静態保存されている。

大塚台公園にて。
大塚台公園にて。

バラロードを下っていく。見頃の時期には荒川線との競演が鮮やかに目に映るだろう。

大塚~巣鴨(約1.2㎞)

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大塚駅。
大塚駅。

池袋から大塚は途中から下りが続く分、大塚から巣鴨は上らなければならない。箱根駅伝の5区と見まがうような区間だ(こんなものではない)。大塚駅近くでは頭上を走っていた山手線が、気づけば足下を走行していた。

江戸橋通りから巣鴨駅方面をパシャリ。
江戸橋通りから巣鴨駅方面をパシャリ。

この区間には複数のゴルフ練習場、巣鴨公園、昔ながらの割烹やラーメン屋も見受けられる。味わい深いルートだ。

巣鴨~駒込(約1.0㎞)

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巣鴨駅。
巣鴨駅。

おばあちゃんの原宿・巣鴨。お隣の西巣鴨から伸びる大通りは水道橋・神保町方面、さらには皇居まで達し、とても走りよいのでおすすめだ。

駒込駅までは線路沿いにずっとまっすぐ行け、体感としてはあっという間に走破できる。この区間は、春には走りながらの花見を堪能してほしい。

「六義園」の写真を撮って、駒込駅に着いた。

「六義園」。
「六義園」。

ここまでで新宿~駒込編、約11.33㎞! 池袋、大塚、巣鴨のアップダウンをどう攻略するかが、今回走ったエリアの肝だと感じた。

山手線一周フルマラソンならここまででだいたい30㎞。フルマラソン挑戦者にとって30㎞近辺が最もつらく感じるところで、身体的な疲労もさることながら、精神的に「まだ走れるだろうか……」と追いつめられる。この難所を乗り越えた先に栄冠は待っている。

駒込駅。
駒込駅。
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【はみだしコラム】③走るときに意識すること

急にスピードを上げたり、下げたりを繰り返すと、当然呼吸が苦しくなって、足が止まってしまう。一定のペースで走り続けられたらベストだ。ペースを作っていくために、音楽を聴いてそのリズムに合わせる方もいるだろう。

呼吸のリズムを一定にすることで、ペースも安定する。ス、ス、ハ、ハ、と2回吸って2回吐くのが走る際の呼吸法と言われている。その呼吸に合わせれば、足も動かしやすくなるはずだ。
また、ランニング中、体は酸素を求めて自然と息を吸いたがるので、吐くことの方をより強く意識することで、新たな空気を迎え入れるスペースを用意できる。

同じルートを1年通して走ってみると、季節の変化を肌で感じられる。暑さや寒さ、通りに桜が咲いたり、紅葉したり。時間帯によっても人の流れが変わって、違った風に映ることもある。

あとは、ニンジンをぶら下げておくこと。走り切った後のご褒美を自分に用意する。あれ食べよう、どこどこに行こう、など楽しみを思い浮かべながら走ると、無目的に走るよりもあっという間かも?

山手線を電車に乗らずに一周してみたいと、以前から思っていた。しかし、Web「さんたつ」には、既に先輩編集部員が実踏した山手線一周の記事があり、同じように歩くわけにはいかない。そこで、ランニングが趣味の筆者は、走って一周に挑戦してみることにした。山手線一周は約40㎞超あり、一周でフルマラソンと同等の距離を走れる。繁華街あり、下町あり、高低差あり。東京のいろんな顔を見ることのできる魅力的なコースだが、40㎞走るのは簡単ではない。本企画では4コース(約11㎞ごと)に分けて、各コースの特徴をお伝えする。走ってみたい、と感じるコース、駅間のつまみ食いからはじめ、いつかは一周に挑戦してもらえたら幸いだ。文・写真=阿部修作(さんたつ編集部)※駅間の距離はアプリ「ルートヒストリー」で計測したものであり、実際の距離は多少前後する場合があります。
Web「さんたつ」編集部員が走って山手線一周に挑戦する本企画。山手線一周は約40㎞超あり、一周でフルマラソンと同等の距離を走れる。繁華街あり、下町あり、高低差あり。東京のいろんな顔を見ることのできる魅力的なコースだが、40㎞走るのは簡単ではない。本企画では4コース(約11㎞ごと)に分けて、各コースの特徴をお伝えする。走ってみたい、と感じるコース、駅間のつまみ食いからはじめ、いつかは一周に挑戦してもらえたら幸いだ。今回は大崎から新宿までの実走の模様をお届けする。文・写真=阿部修作(さんたつ編集部)※駅間の距離はアプリ「ルートヒストリー」で計測したものであり、実際の距離は多少前後する場合があります。
ナイキの厚底シューズが、世界の陸上長距離界を席巻しているらしい。マラソンでも駅伝でも、あのド派手な厚底シューズを履いた選手が新記録を連発しているのだ。さんたつ(=散歩の達人)編集部としては、聞き捨てならぬ話である。