ぶっきらぼうに呼びかけるカラーコーン
しかし先日、バイクで水道工事の現場にさしかかったところ、設置されたカラーコーンに丸みを帯びた文字で「うがい」と大書されていたのである。ワイルドな現場でうがい。なぜ、うがい。
後日改めてその現場を通りかかると、「避けよう!3密」
「マスク」と書かれたコーンも見つかり、コロナ対策の注意喚起であることが判明したわけであるが、このようにイラストや文字が書かれたコーンは、最近では各地で発見することができる。
ファンシーが止まらないバリケード
ところで、カラーコーン以上に工事現場のイメージとのギャップが大きいアイテムが、あちらこちらで見られるようになってきた。工事エリアを区切るために用いられるバリケード、そのスタンドの部分がかわいらしい動物やキャラクターになっているものである。
毎日新聞の記事(2018 年5 月5日https://mainichi.jp/articles/20180502/k00/00e/040/349000c )によれば、十数年前に保安部品会社の「仙台銘板」が、旭山動物園にちなんでサルのバリケードを作製したことに端を発し、現在では30種類以上のキャラクターバリケードがあるという。
キャラクターは動物だけにとどまらない。チーバくんやくまモンなどのご当地キャラ、マンガ『ONE PIECE』のルフィや、
キティちゃんなど多岐にわたる。
もちろん工事現場なので、「工事中ご迷惑をおかけします」と謝る、いわゆる「オジギビト」のバリケードも存在するのだが、圧倒的に人間以外のキャラクターが多いように思う。
その理由は、「スタンド部分にキャラクターを配置しようとすると、2頭身くらいにならざるを得ず、結果人間よりもキャラクターが用いられる」といったところにあると推測するが、真相やいかに。
設置している現場を目撃してみたい
このキャラクターバリケードが各地に普及するにつれ、殺伐とした工事現場の風景が、にわかにファンシーに彩られるようになった。SNSを見てみれば、写真を撮ってコレクションする人も多く、好意的に受け取られているようである。こうした工事現場のファンシーが今後も存続していくことを祈りつつ、個人的には屈強な作業員達が、かわいらしいキャラクターバリケードを設置している現場をいつか目撃してみたいものだと思っている。
イラスト・文・写真=オギリマサホ