我ら、名古屋おもてなし武将隊!

名乗りが遅れたが、此度の案内を務めるのは名古屋おもてなし武将隊、前田又左衛門利家である!

「槍の又左」の名でも呼ばれておったぞ!
「槍の又左」の名でも呼ばれておったぞ!

我ら名古屋おもてなし武将隊は、名古屋に縁ある武士6名と、それを支える陣笠隊4名からなる武士集団である。名古屋を世界一の観光都市にするべく、名古屋の魅力を世界に発信しておる。

名古屋城にて皆のもてなしや演武をしておる他、様々な催しを行ったり、テレビやSNSといった現世のカラクリも用いて名古屋と戦国の魅力を伝える戦に日々励んでおる。

此度は儂、前田利家が、前編では名古屋城内の見所を、後編では城を飛び出し名古屋の魅力をそれぞれ紹介して参るぞ!!

名古屋城とはこんな城

名古屋城は1612年、徳川家康殿の命のもと全国の大名によって築城された。

世に言う天下普請(てんかぶしん)である!

天下普請とは徳川殿が諸大名に命じて日本各地で行った大規模な工事のこと、築城の他にも河川の治水工事や寺社の再建なども行ったぞ!

天下普請は豊臣家の城を包囲するように行われ、他にも

  • 徳川政権の威光を示すこと
  • 外様大名にお金を使わせること

などと言った利がある。

豊臣家を支える立場であった儂からすると穏やかでない想いではあるが、さすがは徳川殿である。

名古屋おもてなし武将隊の徳川家康殿。
名古屋おもてなし武将隊の徳川家康殿。

ちと話がそれたが、この天下普請により数多くの城が作られた中で随一の大きさを誇るのが、此処、名古屋城である!

日ノ本の中でも有数の大きさを誇る城じゃ。

百聞は一見に如かず。

城内の様子を見て参ろう!

前田利家の名古屋城案内

名古屋城正門、城の玄関口じゃ。
名古屋城正門、城の玄関口じゃ。

名古屋城に来た皆々を先ず出迎えるのは名古屋城が正門である。

立派な櫓門(やぐらもん)であろう!

実はこの門、最初から名古屋城にあったものではなく、元々の正門は焼失してしまい代わりに江戸城にて使われていたものを移築し今に至るわけじゃ!

さらに、この正門を支えておる石垣は儂の息子、前田利常(まえだとしつね)が築きしもの!

いやはや、我が息子の業ながら天晴である。

そして皆に注目してもらいたいのがこの名古屋城の特徴ともいえる刻文(こくもん)の存在じゃ!

これは諸大名が誰の用意した石なのかを区別するためにつけたもの。名古屋城の至る所に数多の文様が見えるで巡る折には探しながら進むのもまた一興である!

西の丸御蔵城宝館(にしのまるおくらじょうほうかん)。
西の丸御蔵城宝館(にしのまるおくらじょうほうかん)。

正門から西の丸へ進むと西の丸御蔵城宝館につく。此処は2021年に開館したばかりの名古屋城新名所!

かつてはあった米蔵の外観を再現し展示館として活用しておる。

鯱鉾(しゃちほこ)などの常設展示に加えて期間限定の特別展示が入れ替わりで行われており、見られるものは時期によって様々じゃ!

次に見えるは名古屋城の西南隅櫓、これは名古屋城が建てられた当初からある現存の櫓であり、国の重要文化財にも指定されておる。

明治時代に宮内省の管理のもとで修復が行われたことにより鬼瓦に菊の紋が使われておる!

鬼瓦に見える菊の紋、わかるかのう。
鬼瓦に見える菊の紋、わかるかのう。

城内には現存の櫓が三つあるが菊の紋があるのは西南隅櫓だけじゃ!

櫓を見比べて違いを見つけてみるのも楽しみ方の一つであろう。

歩みを進めると見えてくるのは東南隅櫓、こちらも現存の櫓にして重要文化財じゃ!

鬼瓦をよく見てみると西南隅櫓の菊の紋ではなく葵の紋であることがわかるわな!

これらの櫓は普段は入ることが叶わんが、名古屋城の祭りなど期間限定で中に入れることがある。中を見てみたい者はその期間を狙って名古屋城に参ると良いぞ!

それでは、いざ本丸へと参ろうではないか!

と思うたんじゃが、腹が減ったな……

腹が減っては戦ができぬ!

本丸に入る前に、此処で腹ごしらえと参ろう!

名古屋といったら名古屋飯!

なんと名古屋城は城内にてきしめんをいただくことができる!

しかもこの店、此処のきしめんを食べるために城に来る者がいるほどの人気店なんじゃ!

麺が平たい故によく味が染み、まことに美味であるぞ!

きしめんの由来は名古屋城築城の折に早く茹でられるように麺を平くし、更にキジの肉を入れたことからキジ麺と呼ばれたと言う話や紀州から伝わり紀州麺と呼ばれたことに端を発するなど様々な話がある。

確かな由来は分からずともきしめんの美味さは疑うべくも無い。

うまかったぞ!!
うまかったぞ!!

寒い日はあつあつのきしめんを食うて温まり、暑い日はころきしめんで涼をとる。

名古屋城を周遊し、休憩と腹ごしらえを兼ねて立ち寄るにはまさにもってこいの場所じゃ!

腹ごしらえも済んだところで名古屋城巡りの続きと参ろう!

本丸の玄関口、表二之門は先に紹介した櫓と同様400年前より残る現存のものでこれも重要文化財に指定されておる。多くの門は木の門に筋金を間を空けて貼り付けるのが主流の中、全面が鉄張となっておるのがこの門の魅力じゃ!故にその頑強さは折り紙付き、敵を決して通さぬ気概を感じるわな!

そしてこの門をくぐるといよいよ本丸である。

車寄せに使われし檜は一本で家一軒立つほどに高価な一級品じゃ!
車寄せに使われし檜は一本で家一軒立つほどに高価な一級品じゃ!

表二之門をくぐり、石垣の間を進むと見えてくるのは名古屋城の目玉、本丸御殿じゃ!まさしく豪華絢爛!壮大で美しき様をもって、近世城郭御殿の最高傑作との呼び声が高い。

一度昭和の大戦にて焼け落ちてしもうたんじゃが、幸いなことに建築の折の設計図面が残っておった!

故に形や作りは勿論のことながら工法から建材の産地までも再現し、400年前のすがたそのままに復元がなされたのじゃ!

その総工費なんと……

130億円!!!!

世界に誇る素晴らしきものじゃ!

じゃが見て欲しいのは外観だけでは無い。むしろその中にこそ魅力が詰まっておるのじゃ。江戸幕府の三代将軍徳川家光殿を迎えるために整えられたが故に、誠に煌びやかで美しいものばかりじゃ!

虎や花鳥の描かれた襖絵や天井板絵、光り輝く飾金具など御殿内全てに目を奪われるであろう。

故に名古屋城に来た折には必ず中を見てゆくと良い。

良いか?必ずじゃぞ!

して、本丸御殿を離れる前にもう一つ、これを読んでくれとる皆々に儂が名古屋城の写真の良き撮り所を伝授致そう。

本丸御殿の車寄せを右に行かず左に進むのじゃ!

するとなんと!

隠れふぉとすぽっとなり。
隠れふぉとすぽっとなり。

本丸御殿と小天守と大天守を1枚の写真に収めることができる場所がある。

どうじゃ!良き場所であろう!少しばかり入り組んでおるで見落としがちじゃが、随一といっても良い良き写真が撮れるぞ!

名古屋城の目玉は本丸御殿じゃが、城の顔といったら天守閣であろう!!

石垣からの高さは日ノ本一の大きさを誇る堂々たる姿は正に天下の名城である。

天辺には名古屋城の代名詞とも言える金鯱、眩いほどの輝きをみることができ壮大ながらも華やかな城じゃ。

天守を支える加藤清正が築きし「清正流三日月石垣」は曲線を描いており見惚れるほどの美しさじゃ。

始めに申した『尾張名古屋は城で持つ』とまで言われた所以が分かったのではなかろうか!!

儂の名古屋城案内は如何であったか!!!

名古屋城に来たいと思うてくれたら嬉しい限りじゃ!

城を攻め、或いは守ってきた武士の目線で名古屋城を巡るのも面白いであろう!

此度は名古屋城の魅力をたくさん紹介して参ったが、紹介しきれなかった見所がまだまだある!

是非とも一度訪れて己が目で確かめてちょうよ!!

前編はこれにて終い、後編は名古屋城を飛び出して名古屋の魅力を伝えて参るぞ!

撮影・文=前田利家(名古屋おもてなし武将隊)

前田利家と行く名古屋旅、後編開幕である!!此度は名古屋城を飛び出し、名古屋の街に繰り出そうではないか!名古屋そして愛知県は工業の街。然れど織田信長様、豊臣秀吉、徳川家康殿からなる戦国三英傑をはじめ、数多の猛将を輩出した場所である。即ち戦国時代の文化に触れるにも誂(あつら)え向きであると言える。故に此度は歴史の趣と現世の華やかさの二刀流で名古屋を紹介致そうではないか!では前田利家と行く名古屋旅後編へといざ参らん!!