内湯の白湯でのんびりと

中央に自然石が置かれた白湯。
中央に自然石が置かれた白湯。

小田急多摩線栗平駅から徒歩10分の位置にある『野天湯元 湯快爽快 くりひら』。しかし、丘陵地帯の下にあるため、急な坂や石段を下っていくことになる。施設についてわかったのだが、小田急線新百合ヶ丘駅まで無料送迎バスがあった。帰りはこちらを利用することにする。

入口の券売機で購入し、受付でバーコード付きのリストバンドと交換。館内での精算はこのリストバンドで行う。岩盤浴を利用するなら、少し離れた中央カウンターで受付を済ませておこう。

まずは内湯から。一面ガラス張りの内湯エリアからは露天エリアが見渡せる。季候がいい時期はガラス窓が開け放たれ、開放感抜群の湯浴みを楽しめる。メインの湯船の白湯は広々としてゆったりと手足が伸ばせる。毎週水曜にはこの湯船が薬湯になるので、より上質な癒やしの時間を過ごすことができる。
ジェット水流が心地いい座湯や電気マッサージが受けられる電気風呂、本格的な遠赤外線サウナと水風呂もあるので、のんびりと過ごせそうだ。

露天エリアの各種湯船で黒湯を楽しむ

黒湯に入浴すれば、美人になること間違いなし!
黒湯に入浴すれば、美人になること間違いなし!

施設名にもあるとおり、野天(露天)エリアが人気。露天エリアにある湯船にはすべて温泉が注がれている。ナトリウム-炭酸水素塩泉の黒湯は、別名「美肌の湯」ともいわれ、入浴していると肌がすべすべと滑らかになると好評。

露天エリアで一番広い湯船が巨石に囲まれたぬる湯。ちょっと湯温が物足りないならば、あつ湯への入浴がおすすめだ。あつ湯はその名の通り湯温がやや高く、熱めが好きな自分にピッタリ。自分の好みに合わせて入浴しよう。

信楽で特別に焼かれた大きな壷湯に入っていると心が安らぐ。
信楽で特別に焼かれた大きな壷湯に入っていると心が安らぐ。

信楽壷湯は加温した温泉を贅沢に独り占めできる。日本六古窯の一つである信楽焼を使っているので、土の温かみも感じられ、よりリラックスできる。

うたた寝之湯もぜひ体験したい。御影石の床に寝ころろぶと温泉が体を包み込むようで、あまりの心地よさについウトウトしてしまいそうだ。

露天エリアの一角にある庵湯(いおりゆ)は、湯治場の雰囲気を再現した情緒たっぷりな湯小屋。檜の香り包まれた湯船に浸かれば、湯治気分になれる。

落ち着いた日本庭園を望みながら温泉が楽しめる庵湯。
落ち着いた日本庭園を望みながら温泉が楽しめる庵湯。

体の芯から温めてくれる岩盤浴とクールダウンの冷凍ルームがいい

最初は熱さを感じないが、しばらくすると汗が一気に噴き出してくる。
最初は熱さを感じないが、しばらくすると汗が一気に噴き出してくる。

大浴場を後に岩盤浴へと向かう。室内はサウナと異なり、体温よりも少し高い程度の温度で、遠赤外線効果も相まってじんわりと温まり、汗と一緒に老廃物を排出してくれる。細胞が活性化するということもあって、疲労回復や肌質の改善などが期待でき、リラクゼーション効果も抜群だ。
クールダウンには室温が氷点下になるという冷凍ルームへ。岩盤浴で火照った体がみるみる引き締まっていくのが実感できる。交互に利用すれば、リフレッシュすること間違いなし。料金は600円。岩盤着・敷きタオル・フェイスタオル付き。

ひと休みに最適な食事処でおいも豚の料理を

中庭の眺めながらゆっくりと食事が楽しめる。
中庭の眺めながらゆっくりと食事が楽しめる。

湯上がりに利用したいのが、食事処『温泉旬味~ねむの季~』。壁に飾られた絵やいけられた花など、まるで和風旅館のような佇まい。各種料理があるが、特にサツマイモを食べて育てられた宮崎県のブランド豚「おいも豚」を使ったとんかつや生姜焼きなどがおすすめ。石臼挽き十勝鹿追蕎麦もぜひ食べたい逸品だ。

入浴の合間にひと休みするなら畳敷きのお休み処、女性専用のお休み処もあるので、気兼ねなく利用しよう。ほかにも、マッサージやバリ式エステ、アカスリなども用意されているので、日頃のご褒美に受けてみるのいいだろう。

『野天湯元 湯快爽快 くりひら』は、黒湯が楽しめる野趣あふれる露天風呂やデトックス効果が期待できる岩盤浴、自慢のこだわり素材で作る料理など、楽しみが尽きない。のんびりと1日過ごせば明日への活力が湧いてくる。

住所:神奈川県川崎市麻生区片平8-2-1/営業時間:9:00~24:00(最終入館23:30)/定休日:無/アクセス:小田急電鉄多摩線栗平駅から徒歩10分(小田急電鉄小田原線新百合ヶ丘駅から無料送迎バスあり)

取材・文=速志 淳、写真=野天湯元 湯快爽快 くりひら