ショッピングセンター内だから買い物ついでに利用できる
野田市の中央部に位置する七光台(ななこうだい)。国道16号と東武アーバンパークラインに挟まれた地にショッピングセンター「イオンタウン野田七光台」がある。1500台も収容できる広い駐車場を囲むようにショッピングエリア、フード&レストラン、メディカルモールの各店舗が連なるが、『七光台温泉』は北側の一画にある。
ショッピングセンター内の店舗ということもあり、日帰り温泉施設の規模としては中くらい。1階が受付、岩盤浴、食事処、休憩処、2階が浴室となる。買い物ついでに利用できる利便性に加え、料金が格安なため人気は高い。
広々とした露天エリアは4つの風呂で温泉三昧
一番の自慢は地下1243mから毎分581リットル湧出する源泉温度44.3℃の天然温泉。泉質はナトリウム-塩化物強塩温泉で、鉄分と塩分を多く含むわりに肌へのべたつき感はなく、さらっとした湯ざわりで、湯上がりはポカポカ感が長続きする。この温泉を存分に楽しんもらうため、適温にするために加温はしているが加水はしていない。
露天エリアにある源泉風呂は源泉かけ流し。42℃の適温なのでじっくり入れば良泉を実感できる。このほか大きな岩風呂、一人サイズの壷風呂、背中を流れる湯が心地よいうたた寝があり、いずれも循環式だが温泉を使用。露天エリアだけでも趣の異なる4つの風呂で温泉を楽しめるというわけだ。
内湯は温泉やジェットなど4つの浴槽があり、変わり湯も楽しみ
内湯にある4つの風呂のうち白湯(しらゆ)風呂は温泉を使用。白湯というと井戸水や水道水の沸かし湯を想像させるが、無色透明の温泉なので白湯と呼ぶ。ここでは週替わりで変わり湯を行っている。りんご風呂、緑茶風呂、ビール風呂、焼酎風呂などユニークな風呂も多い。
最も大きな浴槽は井戸水の沸かし湯で10以上のジェット機能を備えたジェットバス。腰掛風呂はひと休みするのにちょうどいい座り風呂で、背中を流れるぬるめの湯が気持ちよい。このほか、深さ90㎝、10人ほど入れる大きめの水風呂があり、水温15~17℃という低温なのでサウナ好きには喜ばれている。
乾式タワーサウナと薬草スチームサウナでサ活!
サウナは2室あり、4段のタワーサウナでは上段90℃~下段60℃の温度の変化が楽しめる。下段に置いてある炭によって遠赤外線効果で体が温まりやすくなり、炭から発生するマイナスイオンによってリフレッシュ効果を生み出す。
サウナは密室になるため閉塞感があるが、出入口はガラス戸で、浴室が見えるガラス窓もあるので密室による息苦しさは感じない。サウナが苦手という人は閉塞感も要因の一つになっているようだが、そんな人にはうれしい配慮といえる。
もう一つは7種の漢方が配合された薬草を備えた薬草スチームサウナ。室内温度は約48℃という低温サウナなので利用しやすい。薬草成分を含んだ蒸気を吸い込むことで手軽に健康増進や美肌効果が得られるという。薬草による除菌作用、抗炎作用、保湿作用などの効果も認められており、発汗を促し循環器・血圧・消化系などに作用して新陳代謝を高める効果もあるという。
サウナ後は、露天エリアにあるイスやウッドデッキ、寝転んで利用できるうたた寝湯などで外気浴すれば、心地よくととのうことができる。
溶岩石を使った岩盤浴は効果も大きく、健康志向の方にぴったり!
岩盤浴を利用する際は2階の脱衣所で岩盤浴衣に着替え、大判タオルを持って1階の岩盤浴室へ。クールダウン室には冷水機も設置しているが、飲み物を忘れずに持っていくことをおすすめする。岩盤浴は男女共浴なので夫婦やカップルが一緒に楽しめるのもいい。岩盤チケット400円(岩盤着+大判バスタオル付)。
岩盤浴室は阿蘇と湯布院の溶岩石を使用。この溶岩石は肌の弾力や潤いを保つシリカ(ケイ素)の含有率が非常く、一般的に岩盤浴で用いられる鉱石に比べると遠赤外線効果も抜群で、体を芯から温め、新陳代謝を高め、体内の毒素や老廃物を排出するデトックス効果がある。
岩盤浴は1日何回でも利用できるが、岩盤浴入浴15分と休憩5分を1セットとして2~3セットがおすすめ。食事や入浴、休憩などで着替えた場合は、追加の岩盤浴衣250円、大判タオル200円を利用することもできる。
湯上がりはリラクゼーション施設での癒やし&和洋中の料理が味わえる食事処
リラクゼーション施設は、露天風呂エリアで施術を行うアカスリ、リンパセラピー、ボディケアのほか、血行や代謝をよくするカッピング(吸い玉)や、ゆっくり時間をかけて全身の筋肉をほぐすタイ式セラピーなど多彩なメニューがそろっている。
1階の食事処はテーブル48席、座敷136席。セルフサービススタイルで、食券を購入し、呼び出しベルが鳴ったら取りに行き、食後は返却口まで食器を戻す。料理は季節に合わせた料理や御膳などのセットメニューから海鮮丼やカレー、ラーメン、そば・うどんなどバリエーション豊かなメニューがそろう。湯上がりの一杯も、がっつり食事をする場合も、喫茶を楽しむときも、さまざまなニーズに応えてくれる。
食事処の奥には畳敷きの寝ころび処があるので、仮眠をとるならここへ。館内はフリーWi-Fiが利用でき、コミックコーナーも設置しているので、思い思いの湯上がりタイムを過ごすことができる。
『七光台温泉』は2004年4月オープン。2016年12月に岩盤浴を設置するなどリニューアルを行っている。この種の施設としては中くらいの規模で、炭酸泉やロウリュウなどの新しい施設はないが、ゆっくりと温泉を楽しみたい人にはおすすめの施設だ。ショッピングセンターとともに訪れれば、1日たっぷり遊ぶことができる。
取材・文=塙 広明、写真=七光台温泉