アジアンテイストの館内でリゾートスパ気分を堪能する
最寄り駅は、赤羽岩淵駅と浦和美園駅を結ぶ埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線南鳩ヶ谷駅。といっても近隣の人以外はなじみの少ない路線だが、東京メトロ南北線と東急目黒線が直通運転しているので便はよい。車利用の場合は赤羽から15分ほどだから埼玉県とはいえ東京からの客も多い。
ヤシやソテツなどを植え、バリ島の石像を配置したエントランスはアジアンテイストを感じさせ、館内ではバリ風のインテリアや音楽がリゾート感あふれる空間を演出している。スーパー銭湯には和の趣のところが多いが、その意味では異色な施設といえる。建物は2階建てだが1階は駐車場で、受付から浴室、岩盤浴、食事処、お休み処などすべてが2階にある。
温泉+炭酸泉でリラックス、女性には漢方薬草塩サウナが好評!
内風呂は男女それぞれ4種類の風呂がある。一番大きな浴槽は温泉に炭酸ガスを溶け込ませた全国的にも珍しい浸透炭酸泉。温泉の効果に加え、肌に付着した炭酸ガスが血管を拡張させることで血流がよくなり、心臓病の予防や神経痛、肩こり、腰痛に効果があるという。季節によって異なるが38℃前後のぬる湯に設定しているので、リラックスしながら長湯を楽しめる。
このほか内風呂には、座マッサージ、シェイプアップ、サンクブローバス、スーパージェットバスなどの機能浴を備えたアトラクション風呂や、寝転んでジェットバスによるマッサージを楽しめる寝転びジェットバス、水を浄化させ柔らかくするという備長炭を取り入れた水風呂がある。
内風呂に併設されたサウナは男性は5段、女性は2段のタワーサウナ。温度は90℃前後でやや熱め。女湯には漢方の生薬を使用したスチームサウナの漢方薬草塩サウナもある。全身に塩を塗れば、汗とともに肌の老廃物が洗い流せるので浴後は肌がツルツルだ。
サウナのあとは水風呂へ。露天エリアに出ればイス、デッキチェア、ベンチがあり外気浴もバッチリ!
エキゾチックな露天エリアで黒湯の源泉を楽しむ
随所にバリ風の装飾を施した露天エリアには、源泉を使った風呂をはじめ全5種類の風呂がある。源泉は地下1300mから湧出するナトリウム-塩化物温泉。地層内の分解された有機物が溶け込んで黒くにごった黒湯だ。塩分が毛穴をふさいで汗の蒸発を防ぐため、保温効果が高く、湯冷めしにくいため熱の湯とも呼ばれる。
露天エリアの中央部を占めるのが泉温28.8度の源泉をかけ流しにする風呂。一段低いところにはかけ流し風呂からオーバーフローした温泉が流れ込む源泉風呂があり、加温した温泉を加えたあつ湯になっている。温泉は陶器の浴槽が並ぶつぼ湯にも使われ、露天エリアだけでも3つの温泉浴槽がある。
寝転んだ姿勢で入浴できるうたたね湯は、背中に当たる湯が心地よく、うとうと眠ってしまいそう。電気つぼ湯では、もむ・おす・たたく3種の電気マッサージを体験できる。
岩盤浴は時間無制限。女性専用房や豪華な休憩室も完備!
岩盤浴は男女共浴が2つ、女性専用が1つあり、時間制限がないのでゆったりとした時間を過ごすことができる。670円(ジャンボタオル・専用着付き。土・日・祝は770円。利用は中学生以上)。
男女共浴の岩盤健康房は40℃。低温なので息苦しさがなく、黄玉石・麦飯石・ブラックゲルマ・青玉石・黄美石の5種類の鉱石から発せられる遠赤外線で身体の芯からじんわりと発汗できる。岩盤健康房の奥にある岩塩ゲルマ房は60℃。房内には岩塩鉱石とブラックゲルマを使用した2種類の岩盤床があり、タオルを敷いて床に寝ころべば包み込まれるような温もりを得られ、すぐに汗が出てくる。女性専用の岩盤美人房は40℃。壁と天井に海のミネラルがたくさん詰まったサンゴを配置した岩盤浴でヒーリング効果もあるという。
岩盤浴エリアには利用者専用の休憩室を完備している。ホテルのラウンジのような豪華な雰囲気で居心地がよい。
湯上がりはコミックでひと休み? それともビールとバリ料理?
湯上がりのひと休みは浴室を出てすぐのところにある大座敷へ。約3000冊のコミックや雑誌が並ぶ書棚が圧巻で、マットでくつぎながらのんびりと過ごせる。
レストラン「Asisn cafe(アジアンカフェ)」は、バリ島料理からボリューム満点のサウナ飯、和食・洋食などバリエーション豊かな料理がそろう。テーブル席・座敷席・カウンター席があるので人数や好みに応じて使い分けができる。
「アジアンテイストなスーパー銭湯です。天然温泉も珍しい黒湯ですので、ぜひ体感してください。サウナーの皆様には、サウナはもちろん、少し深めの水風呂も好評ですし、露天のととのいイスやリクライナーで外気浴も楽しめます。レストランではサウナ飯やサウナドリンクを用意してお待ちしています」。支配人の笹尾幸司さんが話すようにサウナーからの評判が良いようだ。
バリ風リゾートをイメージしたスーパー銭湯。黒湯の源泉や温泉+炭酸泉の浸透炭酸泉で温泉を堪能し、アジアンテイストの料理でお腹を満たせば格別なひと時となる。エキゾチックな空間に身を置くだけでもリゾート気分を満喫でき、非日常の休日を過ごすにはピッタリの施設といえる。
取材・文=塙 広明、写真=スパロイヤル川口