多彩な風呂とサウナ、韓国式岩盤浴「チムジルバンスパ」で1日遊べる
川口駅と戸田公園駅のほぼ中間にあり、荒川を渡れば東京都になることから東京からの客も多い。県道68号沿いに大きな駐車場を構え、2階建ての建物の屋根にのせた櫓に描かれた「ゆ」の字が目印。1階のシューズロッカーに靴を預けるが、その鍵がそのまま精算キーとなり、館内での消費はすべて後払いとなるので現金を使うのは最後の精算の時だけ。
2階の浴室には男女それぞれに9種類の風呂と2種類のサウナがあり、1階の韓国式岩盤浴「チムジルバンスパ」を組み合わせれば1日たっぷり遊べる温浴施設となっている。
白湯は地下水（井戸水）や水道水をそのまま使うことが多いが、この店ではナノテクノロジーの最先端技術を用いた電子波処理装置を通した水を使っている。化粧水のようにしっとりとした柔らかな水で、シャンプーや洗顔をすればサラッと感がある水を実感できるはず。
また、食事処でもすべてこの水を使用し調理している。水によって味が変わるというご飯やそばなどを味わえば、水の違いがわかるかもしれない。
内風呂ではあつ湯とぬる湯（薬湯）で温泉を利用
一番の自慢は地下1400mから湧き出る温泉。泉質はナトリウム-塩化物温泉（弱アルカリ性低張性温泉）で神経痛や筋肉痛に効果があるといわれている。泉温は39.4℃あり、周辺地域の温浴施設では温度が高いほう。
内風呂で温泉を使用しているのが、熱めの風呂で体の芯まで温まる「天然温泉 あつ湯」と、温泉に週替わりの生薬を入れた「温泉薬湯風呂」。こちらはぬる湯なのでテレビを観ながらゆったりと半身浴を楽しみたい。
内風呂で一番大きな浴槽は炭酸風呂。お湯はpH4.5の弱酸性で、肌に優しいことから化粧水風呂ともいわれる。通常のお湯に比べ3倍の保湿性があり、炭酸ガスを吸収することで血流を促進させて血圧を下げ、心臓の負担を軽減することができるといわれる。
このほか、ジェットバスとスーパージェットバスがあり、体の部位ごとにジェット水流を当てて体をほぐすことで疲れを吹き飛ばし、リフレッシュできる。
内風呂の一画を占める高温サウナにはサウナーに人気のあるオートトロウリュウ装置が付く。時間になるとサウナストーンにアロマ水がかかり、水蒸気が発生しサウナ室内の温度と湿度が急激に上がり、たちまち汗が噴き出してくる。オ－トロウリュウのほか、男女ともに1日5回、スタッフが大団扇で熱波を送るロウリュウも楽しめ、こちらは定刻前から列ができるほどの人気を集めている。
サウナで汗をかいたあとは、目の前にある冷水風呂へ。露天エリアにはイスやベンチもあるので外気浴でクールダウンすることもできる。
露天では3つの風呂すべてで天然温泉を楽しめる
露天エリアには、源泉100％の天然温泉風呂、壺形湯船からあふれるほどの湯を独占できる天然温泉壺湯、露天エリアでは一番大きな風呂となる天然温泉岩風呂の3つの風呂がある。すべて温泉で39℃くらいのぬる湯なので長湯好きには魅力的だ。趣も異なるので好みの風呂を探してみよう。
露天エリアには塩サウナが併設されている。体に塩を塗って入ることによって、発汗と美肌効果を促進させることができる低温サウナ。浴後はツルツルの肌を実感できる。
狼龍アトラクションは行列ができるほど超人気
韓国式低温サウナのチムジルバンと、日本の岩盤浴と融合させたチムジルバンスパは、この店を代表する人気施設。韓国の代表的な土である黄土を使用した「土の癒」、竹林をイメージした「空の癒」、チムジルバンスパの中で一番高温の「火の癒」の3つの温熱空間と、火照った体をクールダウンさせる「水の癒」があり、リラックスしながら心地よい汗をかける。
併設する「楽の癒」はカプセルタイプの一人用リラックス空間。28台のリクライニングソファーを備えたリクライニングコーナーもあり、コミックコーナーから約4000冊のマンガを持ち込んでひと休みするのもいい。
チムジルバンスパで多くの客が楽しみにしているのが狼龍灼熱童夢（ロウリュウシャクネツドーム）で開催される狼龍アトラクション。これを楽しみに訪れる客がいるほどの名物アトラクションだ。
狼龍灼熱童夢は熱効率に優れた木造ドームで、通常は遠赤外線を楽しむ中高温の温熱空間として利用されているが、平日は１日7回、土･日･祝は1日10回、狼龍アトラクションが開催される。
熱したサウナストーンにアロマ水をかけて水蒸気を発生させ、スタッフが大タオルであおぎ熱い水蒸気を室内に充満させる。さらに、大団扇（うちわ）で一人ひとりをあおぐことで体感温度を急上昇させ、発汗を促し、短い時間で効率的に汗をかくことができる。
大団扇であおぐときは、客も手拍子で応えるなどスタッフと一体となって盛り上がり、狼龍アトラクションが終わる頃は全身汗でびしょ濡れになる。ロウリュウを実施している温浴施設は増えてきたが、ここはかなり熱い、といわれているので、ぜひ、体感してみよう。
多彩な施設とサービスで客のリフレッシュタイムをサポート！
1階にある寝ころび座敷は畳敷きの休憩スペース。湯上がりにゴロリと横になって、ゆったりくつろげる。
食事処「七福」はテーブル席や庭を眺める座敷席などがあり、ゆったりした造りなのでのんびり食事を楽しめる。そば、うどん、ラーメン、ご飯、ピザ、定食、酒肴とメニューはバラエティに富むので、湯上がりの一杯や小腹が空いたとき、本格的な食事と、さまざまなシーンで利用できる。
身体の芯からリフレッシュするならボディケアやフットケア、ボディクリーン（アカスリ）、タイ古式ヒーリングなどを組み込んでみてはどうだろう。極楽気分のひと時が過ごせるはずだ。
「温泉はもちろん、岩盤浴や食事などで1日ゆったり過ごせる施設です。岩盤浴施設内には約4000冊のマンガを用意しているので、気が付いたら長い時間経過していたと話されるお客様もいらっしゃいます。小さなお子様も入浴できますので、ぜひ、家族連れで来館し、のんびりゆったりお過ごしください」。そう話すのは店長の阿部琢博（あべたくひろ）さん。
天然温泉を注ぐ5つの風呂は温泉好きに好評だが、この店でぜひ体験したいのが狼龍アトラクション。半端じゃない熱さはまさに“灼熱”で、一度体験したらクセになる。そして何よりも楽しいのがスタッフとの一体感だ。この感動は、ほかではなかなか体験できないだろう。
取材・文＝塙 広明、写真＝天然温泉 七福の湯 戸田店
