街の整骨院には当然のようにガイコツがいる

ところが街を歩いていると、当然のようにガイコツが存在している場所がある。それは決まって整骨院(接骨院、整体院などもあるが、ここでは整骨院に統一する)の入り口だ。

整骨院では、骨折や脱臼などの骨のトラブルを解決してくれるわけで、骨格標本があること自体には何の不思議もない。ところがそれを室内ではなく表に飾ることにより、何も知らずに通りかかった人をギョッとさせてしまうのである。

整骨院側としては、ガイコツに注目を集めて宣伝をしようという思惑があるのかも知れない。しかしそんな理由で怖いガイコツを表に置くとは、あまりに悪趣味ではないだろうか。

おそらく季節ごとにかぶり物が変わるであろうガイコツ(神田)。

そうした批判があったかどうかは知らないが、街の整骨院では、何とかして入り口のガイコツをかわいらしく見せようと、工夫をしているところが多い。たとえば9月に通りかかった神田の整骨院では、ガイコツは翌月のハロウィンに備えて、オレンジのカボチャ帽をかぶせられていた。また来客者に「ガイコツの名前募集」を呼びかける整骨院もあり、おかげで多くの人は、何の違和感もなく街のガイコツを許容しているように見える。

なぜかガイコツたちは姿勢が悪い

赤羽のガイコツ。実際こんな人がいたら「姿勢が悪い!」と一喝されそう。

ガイコツが街に溶け込んでいくことについては認めざるを得ないが、私が一つだけ納得できないことがある。それは「店頭のガイコツは、おおむね姿勢が悪い」ということだ。

大抵のガイコツは、骨格標本であるがゆえに、直立した状態で飾られている。自分の力で立っているわけではなく、支柱に吊るされているため、どのガイコツも若干猫背ぎみだ。

仙川のガイコツ。一見姿勢が良さそうに見えるが、左足首があらぬ方向に曲がっている。

荻窪にいたガイコツは、アウトドアチェアにゆったり腰かけて客を出迎えていた。手には「オギボーン・いつも笑顔でお出迎え」と書かれたパネルを持っており、マスコットキャラクターとして愛されている様子がよくわかる。しかしこのオギボーンにしても、背中を丸めて足を組むという、整骨院でよく注意される「やってはいけない姿勢」をとり続けているのである。

荻窪のガイコツ。この座り方をしていると尾てい骨が痛くなる。

整骨院のイメージキャラクターとして、そんなことで良いのだろうか。見た目が怖いのは仕方ないにしても、もう少し姿勢を良くしてくれないだろうか、とガイコツに物申したい。

今でもやはり、初めて行った街でいきなりガイコツに出くわしたらビックリする。しかしそこのガイコツが、ピシッと綺麗な姿勢で出迎えてくれていたとしたならば、少しはガイコツと仲良くなれそうな気がしている。

絵・写真・文=オギリマサホ