「濃塩源泉」を注ぐ2つの風呂で湯温の違いを楽しむ
環状七号線の大谷田橋交差点からほんの少し東に入った都道307号沿いに、大きな櫓のような看板が立つ。手前に駐車場があり、その奥に板壁に囲まれた建物が立つ。木造りのエントランスは風情があり、温泉地の宿に来たような気分になある。
浴室は左右対称で男女同じ造り。壁も天井も木造りで、大ひば湯と名付けられた浴槽は天然ヒバが使われている。少し熱めの43度設定のあつ湯と、心地よい41度設定のぬる湯が並んで配置されている。
この2つの浴槽を満たすのは、地下1300mから湧き出るナトリウム塩化物強塩泉。塩分と鉄分を多く含んだ微白濁の湯で、「濃塩源泉」と謳うほど塩分が濃く、湯に浸かると体がふわりと浮く感じがする。湯冷めしにくいのも特徴で、「熱の湯」とも呼ばれる。
高温サウナと源泉蒸し風呂の2つのサウナ。ととのい処は露天で外気浴
サウナはやや高めの温度となる90度設定の高温サウナと、源泉から発するきめ細かい水蒸気と温泉の香りに包まれる源泉蒸し風呂(ミストサウナ)の2種類を設置。よもぎ蒸しや森林浴サウナなど、日替わりで行うサウナイベントも好評だ。
サウナのあとは、軟水を水温安定装置で14度に冷やした水風呂へ。大きな岩風呂は2.5tもの冷水が入るという。露天エリアには木々に囲まれた湯休み処もあるので、風に当たりながらの外気浴で、火照った体をクールダウンしよう。
庭園露天風呂のような趣がある木立に囲まれた露天風呂
『大谷田温泉 明神の湯』の一番の自慢は広く開放的な露天風呂。ビワやモミジ、ツバキなどの木々に囲まれているので、庭園露天風呂という趣がある。近くを流れる中川からの風も心地よく、喧噪を忘れてのんびりしたひと時を過ごすことができる。都内の日帰り温泉で、これだけの開放感と風情を感じられる露天風呂をもつところは少ない。
露天エリアのメインの浴槽は、あつ湯・ぬる湯・寝湯の3つの浴槽が並ぶ薬師の湯。このほか、ぬる湯の人肌の湯、天然檜で造られたひのき風呂があり、それぞれ湯温が異なるので、湯巡りも楽しみだ。
0歳からOK! キッズメニューも充実。家族連れで楽しめる天然温泉
湯上りは畳敷きの食事処へ。季節替わりの料理やおつまみ、各種定食、麺類、丼、甘味などメニューは多彩。なかでも、特製たれに漬け込んだ唐揚げ定食や生姜焼き定食は人気の定番料理。
毎日18時までは「ハッピーアワー」で、サワー、ハイボール280円、ソフトドリンク100円。キッズメニューも充実しているので、家族みんなで食事を楽しめる。また、毎月29日は「肉の日」として、その日限りの特別な肉料理を提供するなど、食事処でのイベントも見逃せない。
「当館では0歳の乳幼児から入浴可能なので、ご家族みんなで天然温泉をご堪能頂けます。曜日や時間帯別に各種割引、お得なセットプランをご用意してお待ちしております」と話す館長の柴谷俊二さん。
『大谷田温泉 明神の湯』の目の前にある中川公園は、1周422mのジョギングコースもあり、ウォーキングやランニングを楽しむ人も多い。銭湯をランニングステーションとして利用する“銭湯ラン”がランナーたちに人気があるが、『大谷田温泉 明神の湯』を利用することもできる。
銭湯ランでの利用の場合、3時間の外出ができるので、ロッカーで着替えてからウォーキングなどに出かけ、風呂で汗を流してから帰るというのも楽しそうだ。
取材・文=塙 広明 写真=大谷田温泉 明神の湯