◆散歩コース◆
体力度:★★★
難易度:★☆☆
- 登山シーズン 1月~6月、9月~12月
- 最高地点 392m(鷲頭山)
- 歩行開始地点 4m(多比バス停)
- 歩行時間 5時間35分
- 歩行距離 約11km
多比バス停
バス停から50mほど戻って右折。しばらく行くと三叉路。右折して上がって行く。土道になり峠へ到着。
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多比口峠
右へ行けば大平山。左折して多比峠へ。岩尾根が続く。右手に狩野川が見えてくると、まもなく鷲頭山山頂。
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鷲頭山
山頂には鷲頭神社奥の院の祠。小鷲頭山へ向かう。その先が急な下り。下りきれば岩窟。
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志下坂峠
志下峠の先、きらら展望台などで左手に駿河湾の眺望。志下山から先も駿河湾の展望よし。次は徳倉山へ。
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徳倉山
広い山頂の徳倉山。山頂から急坂を下りて横山峠。エスケープルートあり。さらに横山へ。
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横山
横山からはロープの急坂を下って車道へいったん出る。横山登山口になる。車道を左折し再び登山道へ。
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香貫山
富士山が直近に見える香貫山展望台から香貫山山頂へ。香陵台から登山口へと下りて沼津駅方面へ。
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ゴール
沼津駅
アクセス:
[行き]東海道新幹線品川駅から三島駅へ。三島駅からJR東海道本線で沼津駅へ。伊豆箱根バス/東海バスで多比バス停、約1時間30分。
[帰り]沼津駅からJR東海道本線で三島駅へ。三島駅から東海道新幹線で品川駅へ、約1時間。
沼津駅から多比バス停に行くバスは、2社が運行。伊豆箱根バスと東海バスのオレンジシャトル。時間に合った便を選べるので便利。
伊豆半島にもアルプスがある。その名は沼津アルプス。標高392mの最高峰の鷲頭山(わしずさん)をはじめ、計6山、7峠を上がったり下ったりする低山アルプス縦走を楽しめる。
沼津駅から南下するか、多比(たび)までバスで移動して北上するか。富士山好きなら北上がおすすめ。いつも富士山方向を見て歩けるからだ。
多比バス停から多比口峠へ上がる。峠手前までは舗装路歩き。道脇に咲くスイセンがなんとも心を穏やかにする。地元の人が植えているそうだ。峠から右へ行けば大平山。沼津アルプスは実は大平山も含むが、今回はパスして左手の最高峰、鷲頭山へと向かう。岩尾根が現れ、周囲にはウバメガシの木が多い。
多比峠から登り詰めると鷲頭山山頂へ。見えてきた、富士山と駿河湾の大パノラマ。沼津の海岸線がきれいにカーブを描いている。沼津から富士市まで約23㎞の海岸線は富士海岸とも呼ばれる。
山頂から小鷲頭山へはすぐ。富士山の眺めは、ひょっとしたらこちらのほうがいいかもしれない、いや甲乙つけがたい眺め。絵葉書にしたいくらいだ。
さて小鷲頭山からの下りが少々ハード。普通なら九十九折(つづらおり)に道がついているような急坂をまっすぐ下る。ロープはついているが、ここの登りもけっこうきついと思われる。
海原広がるきらら展望台へ
なんとか下り終えると巨大な岩。ちょっと異様な雰囲気のする中将宮という岩窟だ。平清盛の五男、平重衡(たいらのしげひら)が隠れていた場所らしい。重衡はこの地で自害したという伝説がある。志下(しげ)峠、馬込峠を過ぎると、きらら展望台。海原がまさにきらきらとまぶしく反射している。
志下山、志下坂峠をなんなく越えると徳倉山(とくらやま)山頂。広い原っぱのような山頂で、寝転んでいる人も。徳倉山からの下りにはクサリがついている。つまりまたまた急な下り。足がだんだんと震えてきた。
横山峠から展望のない横山へ上がって下ると、市街地の車道にいったん出る。そして沼津アルプス最後の山、香貫山(かぬきやま)へと上がって行く。後ろを振り返ると、ここまで歩いてきたアルプスの山々が見えた。
香貫山山頂には展望がないが、手前の展望台からは、今日最後の富士山が顔を出していた。少々近づいたせいか、富士山がなんとなく大きく見える。下方には沼津市街が広がっていた。
展望台は地元の人たちの憩いの場になっているようで、周辺にはおじさん、おばさんたちが集っていた。聞くと、毎日のようにここへ上がってくるそうだ。この景色なら、毎日見ても飽きないだろう。
アルプス縦走は沼津駅に向かって終了した。
アドバイス
6山7峠の沼津アルプスは標高こそ低いけれど、何度も登ったり下ったりするのでハードな縦走となる。特に勾配がきついのは小鷲頭山からの下り。疲れたらエスケープルートも利用したい。
山歩きメモ
沼津アルプスを完全踏破するには大平山にも行かなければならない。多比口峠から往復30分の行程。このコースはかなりハードだが、志下坂峠、香貫台分岐、横山峠などから下りることもできるので、体力に合わせられるのがいい。
中将宮
源平合戦に敗れた平重衡が逃げ隠れた岩窟
一ノ谷の合戦に敗れて鎌倉に流されていた重衡が処刑から逃れるためにこの岩窟に隠れていたが、最後は小鷲頭山で切腹自害したと伝わる。下は岩窟内に祀られている阿弥陀如来の石像。
取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 日帰り山さんぽ』より