日本に進出した、ニューヨーク発のベーカリー
お店があるのは中目黒駅西口(目黒川方面でない方)の改札口を出てすぐの場所なので、待ち合わせにも便利。
中目黒駅の改札口を出るとすぐ目の前に『THE CITY BAKERY』の店舗がある。全面ガラス張りになっていて中が見通せ、入りやすい。
中目黒の店舗は店舗にキッチンを併設しているため、ベーカリーだけでなく調理されたカフェメニューも用意されているのが特徴だ。
『THE CITY BAKERY』が中目黒に出店したいきさつを伺うと、「『ぜひこの街にも作ってください』とお客様からリクエストを受けることが多く、ここもお客様からの要望が多かったと聞いています」とのこと。
店内は、入り口から入るとデリやサラダ、サンドイッチなどが並ぶ冷蔵スペース、その奥にさまざまな種類のパンが並ぶ平台、そして横にメニューを注文するカウンターがあり、さらにその奥がカフェスペースとなっている。
居心地の良い空間に、常連客も多い
「『THE CITY BAKERY』は都内に9店舗ありますが出店エリアごとに客層が全く違っていて、ここ中目黒はお子様を連れた親子からオフィスワーカーやノマドとして仕事をしていらっしゃる若い方、お友達と立ち寄られた年配の方まで、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます」
カフェメニューは、7:30〜11:00のモーニングと11:00〜16:00のランチ、それぞれ6種類ずつのプレートが揃うなど充実。こちらの4種のデリプレートはモーニングとランチどちらでも味わえる。
デリは6種ほど置かれ、パンだけだと野菜不足になりがちなのでうれしい配慮だ。
また、ドリンクにもこだわっていて、バリスタの淹れた本格コーヒーを飲むことができる。そこまでクオリティの高いドリンクが味わえるパン屋は、あまり無いのでは。
ホテルのラウンジのように、上質な空間が広がるカフェスペース。BGMにはジャズブルースなどが流れ、まるでニューヨークのような雰囲気が漂う。窓際のカウンターや中央の大テーブルなど、2人用のテーブルなどが少ないためか、比較的1人で滞在している人が多い。
「毎日同じお客様がお気に入りの席に座って過ごされる方や、週に何回か同じパンを買って行ってくださる方など、本当に常連の方々が多くて、そういうお客様の顔を見かけると挨拶から世間話をすることも多いですね」
谷合さんを見ていると、大テーブルのお客さんに自然に声をかけている様子が伺え、そういうスタッフとの距離感もこのお店の居心地良さを作り出しているのだと感じられた。
アメリカンサイズの食べ応えのあるパンがずらり!
販売されているパンは、ニューヨーク修行で習得したレシピで作ったものから、日本で開発したレシピで作られたものまでさまざま。店内には食パンやバゲットなどの定番から、おかずや野菜を挟んだサンド系、マフィンやスコーンなどのスイーツ系まで60種以上が揃う。
クロワッサンやスコーン、ビスケット、クッキーなどは、店内の工房で焼き上げているため、店舗で焼き立てを味わうことができる。
「4種類ある食パンで1番人気なのは、『THE CITY BAKERY』日本オリジナルの湯種製法で作られた、モチモチした食感のブルマンブレッドですね」
マフィンなどの焼き菓子は、アメリカンサイズで食べ応え満点。このベーカーズマフィンも、ソフトボールほどの大きさがある。
クッキーは、NY(ニューヨーク)サイズとJP(ジャパン)サイズの2種類展開。JPサイズでも食べ応えありそうなサイズ感だが、NYサイズはそれよりふた回り以上も大きい!
『THE CITY BAKERY』の看板メニュープレッツェルクロワッサンは、現地レシピに沿って焼き上げた本場ニューヨークと同じもの。パリッと焼き上げたクロワッサン生地の上に、岩塩と白ゴマがまぶされていて、食べてみると岩塩の塩気で生地甘さが引き立てられ、甘じょっぱいクセになる味わいだ。このパンを使って作られたサンドも、3種類ある。
「毎朝このプレッツェルクロワッサンとコーヒーを買っていかれる方もいるほど、人気があります」
こちらのパンは、赤坂とこの中目黒限定販売のもの。
「くるみのコンプレという大きめのハード系のパンを、小さく成形したものを使っているんです」
ひと口味わうと、素朴な全粒粉の生地に練り込まれたくるみの歯応えにしっかりした甘さの粒あん、濃厚なバターのコクといった3種の味が絶妙にマッチしていた。カフェラテとの相性もぴったりだ。
ニューヨークの味が楽しめるパン屋でありながら居心地の良いカフェとしても使え、駅直結なので待ち合わせや電車待ちの間にも使える。多彩な使い方ができる便利なお店として、『THE CITY BAKERY』は中目黒の街の人々に重宝され、なくてはならない存在となっているようだ。
構成=フリート 取材・文・撮影=西尾悠希