中目黒のメインストリートから少し離れた隠れたお店

パン屋さんの激戦区として名高い中目黒。しかし、そうした名店と称されるパン屋さんは住宅街のエリアに多く出店するため、肝心の駅周辺となると意外なほど、パン屋さんの数は多くない。ましてや地元の人すら唸るような絶品のお店となると……そんな中目のパン屋さんの傾向とは全く真逆にある絶品なお店が『ビストロ・サンド風福』である。

中目黒駅から徒歩1分ほどのところにあるおしゃれな雰囲気の外観がトレードマーク。ちなみにアトラスタワーのアネックス等の裏側になる。
中目黒駅から徒歩1分ほどのところにあるおしゃれな雰囲気の外観がトレードマーク。ちなみにアトラスタワーのアネックス等の裏側になる。

中目黒駅から10分前後歩くお店が多い中で、『ビストロ・サンド風福』への所要時間はなんとわずか1分。アトラスタワーのアネックス棟、向かい側には子供たちが元気いっぱい遊べる公園があり、アクセスも景観も決して悪くない。にもかかわらず店主の今井利香さんは「意外と知られていないんです……」とつぶやいた。

店内にはテイクアウト用のサンドイッチがズラリ。ハーフサイズになっているので、好きなサンドイッチを複数選んでみるのも楽しい。
店内にはテイクアウト用のサンドイッチがズラリ。ハーフサイズになっているので、好きなサンドイッチを複数選んでみるのも楽しい。

「駅から1分くらいなんですけど、中目黒の駅を降りるとみんなお店とは反対の方角に歩いて行っちゃうんです(笑)。だから、意外と知られていないんですよ」

確かに中目黒のメインストリートともいうべき目黒川沿いとは反対側にあるというロケーション。それだけに意外と知られていないというのもわからなくもないが……そのメニューはいずれも本格派。以前まで「中目トースト」という店名で営業していたころからの定番メニューを2021年3月の店名変更&リニューアルオープン後も継続して販売しているという。

店長を務める今井利香さん。明るい笑顔と語り口で常連さんからの人気も抜群!
店長を務める今井利香さん。明るい笑顔と語り口で常連さんからの人気も抜群!

「実は店名を変えたとはいえ、メニューの内容は変えていないし、コンセプトも特に変わっていなんです。ただ、テイクアウトの需要が年々増えているので、よりテイクアウトに合わせたお店作りにリニューアルしたんです。中目トースト時代から提供していたメニューも多いので、常連のお客さんにも親しまれています」。

昨今の都合を考え、テイクアウト色を強めにするのは頷ける。しかし、この日は天気も快晴。ならばということで、テラス席でこのお店イチオシのサンドウィッチを見せてもらうことにした。

野菜をたっぷり取れるのが魅力の自家製サンド

こちらのオーダーが通ると、今井さんはすぐに調理へ。パンのトーストされる香ばしい匂いがしたかとも思えば、シャキシャキ感が大事な野菜類や特製ソースをかけて調理していく。その流れるような手つきを見ていると俄然お腹がすいてくる。

店内で食べる場合はオーダーが入ってから調理していく。具材はすべて自家製なのがポイント。
店内で食べる場合はオーダーが入ってから調理していく。具材はすべて自家製なのがポイント。

「どのメニューも人気なんですけど、なるべく野菜をたっぷり食べてもらいたくて、多めに入れるようにしています。外食で野菜を食べるのって結構大変じゃないですか?なのでウチでは野菜をたっぷり入れるように心がけています。それで、身体の中からも外からも元気になってもらいたいですし、お店に来て落ち着いてもらって明日も頑張ろう、そしておいしい物を食べて身体の中からも元気になってもらいたいという思いがあります」。

お店のイチオシであるTHE B.S.T626円。トマトのほかにレタスやオリーブオイルなど、家庭ではなかなか取れない野菜のオンパレード。
お店のイチオシであるTHE B.S.T626円。トマトのほかにレタスやオリーブオイルなど、家庭ではなかなか取れない野菜のオンパレード。
こちらも王道のローストビーフサンド410円分厚いローストビーフが何枚も入っていてお得!
こちらも王道のローストビーフサンド410円分厚いローストビーフが何枚も入っていてお得!

確かにTHE B.S.Tだけでなく、人気が高いというローストビーフサンドも野菜がたっぷりと添えられている。そうしたところに厨房を担当している今井さんもこだわりを感じるという。

「やっぱり野菜が嫌いな子が多いのですが、新鮮な野菜だったら、おいしく食べられますよね。あと、見た目の割には食べやすいので男女のお客さんが幅広く来てくれます。トーストしてあるためか見た目の割には全然食べれちゃう。男性なら2人前は軽いという人もいますよ」。

焼いておいしいパンを自身で見つけ出す

食材にこだわり、味にもこだわってきたという『ビストロ・サンド風福』。その中で怠っていないの日々のパンの出来栄えチェック。トーストしてもおいしいようにサンワローラン製の食パンを用いて、バターもトーストと相性のいいよつ葉のバターを使っている。どれもこれもパンを第一優先して考え抜かれたモノだと言える。

店内は夢のある世界が広がっている印象。壁一面の絵を眺めてみるとそれぞれ異なるデザインなので比べてみると楽しい。
店内は夢のある世界が広がっている印象。壁一面の絵を眺めてみるとそれぞれ異なるデザインなので比べてみると楽しい。

「100%でおいしいものを作りたい」という想いひしひしと感じた今回の取材、近い未来に『ビストロ・サンド風福』に数多くのお客さんがやって来る日が楽しみでならない。

住所:住所:東京都目黒区上目黒1-26-1 アトラスタワー アネックス棟 1F/営業時間:9:30~16:00/定休日:不定/アクセス:東急電鉄東横線・地下鉄日比谷線中目黒駅から徒歩1分

構成=フリート 取材・文・撮影=福嶌 弘