『カウンタースナック いろどり~彩~』あきなママ
「写真撮られるの苦手なんですよ。いろんなとこから汗が出てきた…」
北千住での1軒目は今回の最年少、明るいあきなママ(37歳)が営むスナックだ。20歳から銀座のクラブで働いたのち、北千住のキャバクラに勤務。その後、自分のスナックを出す。
「銀座のクラブは華やかな世界でしたが、今が一番楽しく働けています。完全にノンストレスだし」
お酒が大好きで、時にはベロンベロンに酔う。家の鍵を鍵穴に挿した状態で、マンションの廊下で正座して寝ていたこともあるという。
居合わせていたお客さんにママの魅力を聞いてみると、「おっぱいです」「お尻かな」。常連だからこそ許されるトークにママも苦笑していた。
ノリのいいママのもとに夜な夜な常連客が通ってくる。出身は北海道。銀座のクラブなどを経て、2017年にこの店をオープンさせた。もともとは小料理屋をやろうと思っていたが、小さい冷蔵庫しか置けないため断念してスナックにしたそうだ。
人気の理由はママの気取らない人柄と手作りのフード。ちなみに、小学生の頃から熱狂的なGLAYファンで、ライブがある日は臨時休業になるのもご愛嬌(あいきょう)。
『カウンタースナック いろどり~彩~』店舗詳細
『小料理 淳子』淳子ママ
「北千住は住みやすいから30年以上居座ってるわよ」
店を出ると土砂降り。飲み屋横丁の路地にある『小料理 淳子』に駆け込んだ。青森市出身の淳子ママ(61歳)にオススメのお酒を聞くと、「私はそういうのあんまり言わないの。飲みたいものを飲みなさいよ」
下ネタをつぶやいたカウンターの常連男性には「そういう話はするなって言ってんだろ。お前の格が下がるんだから」とピシャリ。確かに口調は強いが、その奥に愛情を感じた。
次回は「焼酎をひたすら飲む酒豪」だというママに一杯ごちそうしたい。機嫌のいい時を狙って。
飲み屋横丁の路地に構える『小料理 淳子』をオープンしたのは33年前。ママはもともと北千住の居酒屋で料理人をしていただけあって、和食を中心としたフードメニューはバラエティに富む。金目鯛煮付、田楽三点盛、山うど酢味噌などをリーズナブルな価格で提供しており、お酒が進むことこの上ない。
「閉店時間はあってないようなもの。大体、私が酔っ払ってるから」。ママ、ついて行きます。
『小料理 淳子』店舗詳細
取材・文=石原たきび 撮影=加藤昌人
『散歩の達人』2021年6月号より