地域に受け継がれる海女文化を発信

南房総市白浜町は、三重県志摩地域と石川県能登地域に次いで古くから海女の文化が根付く地域。白浜町だけでも約140名の海女と海士(男性)がいるといわれている。そんな地域の魅力を発信すべく始まったのが「南房総市白浜海女まつり」。1964年から始まり、夏の訪れを告げる風物詩として白浜町で大切にされている祭りだ。

18日(土)・19日(日)の2日間は、19時から広場中央に設けられた櫓(やぐら)を中心に白浜大盆踊りがスタート。1956年に作られた、白浜の海にちなんだふるさとの歌「白浜音頭」から南房総ご当地キャラの「みなたん音頭」まで、さまざまな曲に合わせて盆踊りで盛り上がる。そして、メインイベントの「海女の大夜泳」は20時50分から。大夜泳前には「弁財天の舞」と「龍神の舞」が行われ、厳島神社のご神体である弁財天が海の化身の龍をなだめて海の安寧を祈るストーリーの舞が披露される。その後、白装束に身を包んだ約80人の海女たちが登場し、松明を片手に夜の海を泳ぐ。海女たちのバックには花火も打ち上げられ、幻想的な光景に包まれる。

半円形に開く水中花火も打ち上げられ、松明の明かりとの光のコラボは迫力満点!
半円形に開く水中花火も打ち上げられ、松明の明かりとの光のコラボは迫力満点!

命がけで臨む「海女の大夜泳」

白浜地域に古くから伝わる伝統の海女漁。だが高齢化と後継者不足に伴い、従事している人の数が減ってきているのが現状だ。「海女の大夜泳」では現役の海女も何人か協力しているものの、ほとんどが一般公募によるもの。「海女は日本女性の最古の職業といわれていて、海女文化に憧れて応募してくださる方もいるんですよ」と話すのは南房総市観光協会の吉田さん。

当日は14時30分~16時ごろに参加する海女たちの練習会が港で行われる。これは本番のための体力や泳力をチェックするテストも兼ねているそうだ。「大夜泳では筏の周りを大体2周するのですが、手には松明と海女樽を持ち、足の力だけで波と風に向かっていかなければならないので命がけです。そんな海女たちの練習会を見に来られる方もいますよ」(吉田さん)。

泳ぎが得意でない人たちは陸上班として参加する姿も。
泳ぎが得意でない人たちは陸上班として参加する姿も。

本番では海女たちの奮闘ぶりを見た観客から「がんばれー!」という声援が上がり、会場は温かい雰囲気に包まれる。大夜泳は海の安全や豊漁を願うとともに海難で亡くなった人々を追悼するという目的もあるため、昔ながらの白装束に身を包み神様に奉納する送り火のような意味合いもあるという。現地で海女たちの泳ぎを見学して祈りを捧げよう。

また、18日(土)~20日(月・祝)の3日間は、復興支援イベント「まるグル」も同時開催。キッチンカーの出店やステージイベントなども行われるので、こちらも併せて楽しもう!

開催概要

「南房総白浜海女まつり」

開催期間:2026年7月18日(土)~20日(月・祝) ※20日はまるグルのみ開催
開催時間: 15:00~21:30
会場:野島埼灯台前公園広場および港(千葉県南房総市白浜町白浜630)
アクセス:JR内房線館山駅からバス35分の「野島埼灯台口」下車10分

【問い合わせ先】
南房総市観光協会☎0470-28-5307
公式HP:https://amamatsuri.com/

 

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供