大西茂の全貌が露わになる世界初の展覧会
北海道大学で数学を研究するかたわら、位相数学(トポロジー)を応用した独自の創造を追求した大西茂。戦後日本が躍動を始めた1950年代に大西は、写真と絵画を組み合わせた独創的な作品を生み出した。フランスのシュルレアリスト、ミシェル・タピエが唱導する「アンフォルメル」の旋風が日本美術界に吹き荒れていた当時、多くの芸術家たちが熱く激しい芸術表現を実践。そんな中、人知れず取り組んでいた大西の絵画は、タピエに見いだされて世に出ることとなった。
本展では縦横無尽、怒涛のような線のうねりが生み出す圧倒的な迫力で迫る作品群が登場。長辺2~3mの特大サイズの絵画も複数展示され、大西が生み出す作品世界に体ごと沈んでいくような感覚を体験することができる。
1000点以上の写真と絵画から厳選された傑作が集結
1950年代に写真の新しい可能性をめざした国際的な動向「主観主義写真」がドイツから日本へ伝わると、時代を牽引する表現として高く評価された大西の写真。
2010年代に日本とフランスで写真展が開催されたのをきっかけに、アンフォルメルの国際的展開に注目する欧米のキュレーター・美術史研究者の眼にとまり、その重要性が指摘された。写真作品は『ニューヨーク近代美術館(MoMA)』に収蔵され、アムステルダムで最も人気のある写真美術館『FOAM』では写真展が開催されるほどになった。
多重露光やソラリゼーション(白黒反転)、沸騰した現像液の不均一な塗布といった、さまざまなテクニックを自己流で組み合わせた作品が多数展示される本展。大西のもう一つの「表現」であった数学研究の遺稿をはじめとする豊富な資料も展示され、その全貌が明らかにされる見ごたえある内容になっている。
開催概要
「大西茂 写真と絵画」
開催期間:2026年1月31日(土)~3月29日(日)
開催時間:10:00~18:00(金は~20:00。入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし2月23日、3月23日は開館)・2月24日(火)
会場:東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)
アクセス:JR東京駅丸の内北口直結
入場料:一般1300円、高校生・大学生1100円、中学生以下無料
※身体障害者手帳などの手帳をお持ちの方は200円引き、その付添いの方(1名まで)は無料。
【問い合わせ先】
東京ステーションギャラリー☏ 03-3212-2485
公式HP https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202601_onishi.html
取材・文=前田真紀 画像提供=東京ステーションギャラリー








