プログラミング教育を体感できるアート作品が集合

Lily「tabicoding」2023年~。
Lily「tabicoding」2023年~。

夏休みに合わせて開催されるICC キッズ・プログラム。2024年はプログラミング的要素を含んだメディア・アート作品をテーマに展開する。

2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修化され、「論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成」を目指すさまざまな試みがなされている。この展覧会では、メディア・アート作品をプログラミング的な要素(規則性・ランダム性・自律性・数学)をとおし、感覚的にだけではなく、論理的思考にもつながる「モノゴト」のとらえ方で作品を鑑賞・体験できるのが特徴だ。

キュレーターを手掛けるのは、1万点のプログラムから生成されるNFTが世界的に注目を集めたアーティスト、高尾俊介氏。

展覧会タイトルの「キミ( ).コード( ).セカイ( )」に入っている括弧とピリオドも、プログラミング言語の構文にならったもの。タイトルに含まれる「キミ」「コード」「セカイ」というワードは、それぞれが展覧会のテーマに深く関わっている。

アーティスト/甲南女子大学文学部メディア表現学科准教授/ジェネラティブアート振興財団代表理事の高尾俊介氏。
アーティスト/甲南女子大学文学部メディア表現学科准教授/ジェネラティブアート振興財団代表理事の高尾俊介氏。

作品を通じて「プログラミング」を考える機会に

避雷『うまれる、かかわる、またうまれる、』2024年。
避雷『うまれる、かかわる、またうまれる、』2024年。

広報担当者の赤坂恵美子さんは、「いわゆる“教室”や“授業”の場でなく、子供たちにもより身近になってきているプログラミングを、作品を通じて考える機会を提供します。小中学生を主な対象としていますが、直感的に楽しめる作品もあるので、未就学児から大人まで、新たな発見をしていただける構成です。会期中には作家やキュレーターによるワークショップなどのイべントも多数開催予定です」と見どころを語ってくれた。

プログラミングを用いたさまざまな表現の作品を、入場無料で鑑賞できるというお得感もうれしい本展。子供だけでなく大人もアートを通してプログラミング的思考に触れることができる、新鮮な学びの機会となりそうだ。

椋木新 『SPIRO MAKER』2022年。
椋木新 『SPIRO MAKER』2022年。
mole^3 『Datascape』2020年。
mole^3 『Datascape』2020年。
宮内暖笑『live~ drawing~』2023年。
宮内暖笑『live~ drawing~』2023年。

子供たちの「もっとよく知りたい」に応えるイベントを会期中に開催

子供たちの素朴な疑問にICCのスタッフが応えてくれる、ギャラリーツアーが8月3日(土)14~15時に開催される。スタッフの丁寧なレクチャーとともに作品世界の中に入り込んでみたい。小学生以上対象、参加無料。定員当日先着20名(13時受け付け開始)。また、会期中には出品作家やキュレーターらによる関連イベントがこのほかにも開催される予定だ。

開催概要

「ICC キッズ・プログラム 2024 キミ().コード().セカイ()」

開催期間:2024年7月23日(火)~8月25日(日)
開催時間:11:00~18:00
休館日:7月29日(月)、8月4日(日)、5日(月)、13日(火)、19日(月) ※休館日以外にも開館時間の変更および臨時休館の可能性あり
会場: NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] ギャラリーA(東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4F)
アクセス:京王電鉄京王新線初台駅から徒歩2分
入場料:無料(当日入場は事前予約者優先)

【問い合わせ先】
フリーダイヤル0120-144199
公式HP https://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2024/icc-kids-program-2024-you-code-world/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]