サラダ・とんかつ さんきち

街の定食屋の心意気はソースにも

盛り合わせとんかつ定食1170円。ごはんもサラダもボリューム満点。最初からソースがかけてあるのは、店主が修業した蒲田の『さんきち』と同様。

お客さんに、好きなものを、おいしく、おなかいっぱい食べてもらいたいという気持ちが店と料理に詰まっている。多彩なメニューと仕事の丁寧さ、量の多さがそのサービス精神を雄弁に語る。店主の大澤修一さんは寡黙だけれど、社交的な奥様が接客と、二人の分業も完璧だ。肉は国産にこだわり、いかにも洋食風な甘口トマトソースも、トマトの裏ごしから始まりすべて手作業なのだから恐れ入る。

このメニューの多さ!
“サラダ・とんかつ”の文字も蒲田と同じなのだ。
人柄・店柄が見えるやさしい味

『サラダ・とんかつ さんきち』店舗詳細

住所:東京都品川区小山3-12-10/営業時間:11:30~14:00・17:00~21:00/定休日:木・金/アクセス:東急目黒線武蔵小山駅から徒歩4分

山古志

歴史の重みとカロリーの重み

ロースカツ定食1400円。揚げ方や包丁の入れ方は目黒の『とんき』と似ているが、両店の関係は特にないそう。

マヨネーズはわかる。醤油マヨもなんとか。ただそれに生卵である。ちょっとこんなの見たことない。『山古志』では、醤油マヨをつけたとんかつを生卵にくぐらせて食べるのだ。屋号が変わり移転もし、重ねた歴史は50年。この濃厚さがやみつきになってしまった長年のファンや、遠方からのお客さんも。ところで実は、普通のソースもハチミツとゴマが特徴で個性が光る。こちらもぜひ。

気さくな店主の須佐博さんが調理から接客まで一人でこなす。
一昨年、裏路地から今の場所に移転。
コレステロールの三重奏

『山古志』店舗詳細

住所:東京都品川区小山5-23-16/営業時間:11:30~14:00・17:30~22:00/定休日:水/アクセス:東急目黒線西小山駅から徒歩2分

波止場

真のとんかつ、そのためのソース

上ロースカツ定食1850円が一番人気。ソースもいいけど最初は塩でどうぞ。

厳選に厳選を重ねた豚肉を根気よく下処理し、確かな技術で揚げられたとんかつ。なんて幸せな食べ物なのだろう。赤身はジューシー、脂はミルキー。濃厚だけど後に残らず、なんとも言えない軽やかさ、柔らかさ。それにキャベツに白米、定食に必要なすべてがうまい。この軽やかさ、定食の完成度に水を差さないソースもまた重要。辛味と酸味にスパイシー、さらりとさわやかに周りを引き立てる。キャベツにかけてもうまいんだこれが。

『波止場』の開店は4年前。今ではすっかり人気店だ。
店主の角(カク)さんは、店をもつなら好きなとんかつを、と思っていたのだとか。
控えめでもしっかり主張!

『波止場』店舗詳細

住所:東京都目黒区原町1-3-15/営業時間:11:00~14:00・18:00~21:00(土・日・祝は11:00~20:00)/定休日:不定/アクセス:東急目黒線西小山駅から徒歩2分

取材・文=かつとんたろう 撮影=小野広幸
『散歩の達人』2020年3月号より