レッツウォーキングデビュー! レイクタウンという街を歩く
「屋敷さん、イオンレイクタウンでウォーキングしませんか」と編集M利が言う。それは館内を?外周じゃなくて?
聞けば館内が広すぎるあまり、公式のウォーキングコースがあるという。数百店舗が軒を連ねているところを、ただ無心に歩くことができるのか。誘惑が多すぎやしないか。いつの間にか買い物に気を取られたり、うっかりおいしいものを食べたりしてしまうんじゃないか。不安は尽きない。
イオンモールの担当者さんによると、モールウォーキングの取り組みは、2017年度から始まった。地域に開かれた生活拠点となるという考えのもと、天候や時間に左右されずウォーキングを楽しめるコースとして設定された。
冷暖房完備、障害物が少なく広い通路、座りやすい休憩ベンチ、清潔で分かりやすいトイレ配置など、これ以上ない安全安心なコースといえる。今回歩いた「mori」のコースは、1〜3階をそれぞれ端から端までぐるりと一周して3km。散歩の達人としても不足はない。「歩きやすい服装で来てください」と勧められ、風が強い厳寒の日の午後、現地に集合。
まずはコートを脱いで、それなりのウォーキングスタイルになり、荷物をロッカーに入れる。ところで“散歩”と“ウォーキング”はどう違うのかしら? 「ウォーキングは背筋を伸ばして腕を振ります」とのことで、ただのぶらぶら歩きにならないよう、肝に銘じる。
1階のスタート地点に向かうと、車が売られている。車?とうろたえる間もなく、犬連れのお客さんが行き交う。犬?(ペット同伴可能エリア)。やはりここは屋根がある巨大な街。買い物や飲食だけではなく、不特定多数の人が思い思いの時間を過ごせるように、最大公約数の快適さが追求されている。
通路の中央部分は吹き抜けになっていて、風景が適度に流れていくので、歩いていて飽きることがない。だんだんと、歩くことに集中してくる。ウォーキングハイ。モールには行き止まりがない。どこまでも行ける。どこまでも。
恍惚(こうこつ)としてきたところで、目の端にとらえたジェラートの写真。風景に飽きてはいないが、飲みものが水だけなのは味気ない。編集M利の目を盗み、すかさず購入。冷えた甘みが体に染み入る。さらに気が緩んできて、2階から3階への移動に、素知らぬふりをしてエスカレーターに乗る。公式ルートは階段だから冷たい視線を送ってくる編集M利。これは(電動の)階段だから、と目を合わせず言いわけをするライター屋敷。
空気が悪くなってきた頃、ふと横を見ると、テラスに出られるドアから夕日が差し込んでいる。思わず駆け出す二人。ベンチで愛を語らっていた若者たちに遠慮しながら冬の落日を愛で、気を取り直してゴールを目指す。
所要時間約3時間、8044歩。達成感と適度な疲労が心地良く、ここでビールを飲まずにいられようか。健康に乾杯。
イオンレイクタウンmori
JR武蔵野線越谷レイクタウン駅北口から徒歩10分。
営業時間は店舗により異なる。
埼玉県越谷市レイクタウン3-1-1
取材・文=屋敷直子 撮影=山出高士
『散歩の達人』2026年3月号より






