「祈りの沼」茂林寺沼

3つの沼の中でもっとも古くからの形式をとどめている茂林寺沼。カキツバタやノウルシなどの希少種が自生し、関東地方でも数少ない貴重な低地湿原となっている。タヌキや野鳥のすみかもあり、人と自然が共に生きている姿を見ることができる。

茂林寺

茅葺きが見事な山門。参道にはタヌキの像が。

応永33年(1426)に開山した曹洞宗の寺。童話「ぶんぶく茶釜」の舞台としても有名で、参道にはユーモラスなタヌキの像が立ち並ぶ。立派な茅葺き屋根をもつ山門は、その葺き替えに茂林寺沼に自生する茅を利用してきた。沼の葦を適度に刈ることが沼の生態系維持にもつながり、自然と人との共生を保ってきた。同じく茅葺きの屋根を持つ本堂には、本像の釈迦牟尼仏像が祀られ、別室には童話のモデルとなった「分福茶釜」が安置されている。

時期ごとに装飾が変わるタヌキたち。撮影したときは桃の節句の装飾だった。

茂林寺沼の遊歩道

現在でも希少な動植物の生息地として、自然と人の暮らしをつないでいる茂林寺沼。2019年に整備されたばかりの遊歩道を歩き、沼を一周することもできる。

 

「実りの沼」多々良沼

その地名の由来となった「たたら製鉄」が盛んに行われており、館林の産業の中心を担った。また産業とともに発展してきた多々良沼の用水は、田畑を潤して穀物を育み、人々に実りを与えてきた。多々良沼は、古くから産業のかなめとして、そして収穫の場として、人々の暮らしを支える存在だったのだ。

川魚料理

川魚は館林市の名物のひとつ。「実りの沼」の名称にふさわしく多々良沼では漁業も盛んに行われてきた。市内各所の料理店で味わえるウナギは、身が肉厚で柔らかく、肝に至るまで滋味深い。なまずはあっさりとした白身魚で、天ぷらにすると衣の濃厚な味わいと非常によくマッチしている。

白鳥の観測地

多々良沼は白鳥の飛来地としても有名であり、多い時には200羽を超える白鳥がやってくる。多々良沼の周辺にはいくつかの観察スポットがあるので、自分にとってのベストスポットを探そう。今年の3月からは双眼鏡の貸し出しが始まるため、白鳥を隅々までじっくり観察したい人は是非訪れてほしい。

 

「守りの沼」城沼

古くは徳川四天王の榊原康政が治め、徳川5代将軍綱吉が幼年期に居としていた館林城。南北に広がる城沼は館林城の天然の要害として城の守りを果たしてきた。隣接する『つつじが岡公園』では、館林の歴代城主によって保護されてきたつつじが、春になると満開に咲き誇る。

つつじが岡公園

『つつじが岡公園』のメインスポット、花山(はなやま)
つつじ映像学習館

園内には榊原康政の手植えと伝わる樹齢800年を誇る巨樹や、館林市出身の宇宙飛行士・向井千秋氏が宇宙に持っていったタネから開花した「宇宙つつじ」など貴重な品種が揃う。つつじ映像学習館では4Dシアターを体験。映像に合わせた風やミストのリアルな演出に驚きつつ、大迫力のつつじの映像を楽しめる。

城沼の遊覧船

夏にはハスが群生する城沼。花をかき分けるようにして進む遊覧船は、見ているだけでもさわやかな気分に。花が開く午前中の利用がおすすめだ。

館林のお土産を買おう!

JA邑楽館林 農産物直売所 ぽんぽこ

地場産の新鮮な野菜や花、地域のお母さんが手作りしたお菓子が所狭しと並ぶ直売所。川魚が名産の街だけあって、生きたドジョウが売られている日も。

多々良フレッシュファーム

多々良フレッシュファームでは、冬から初夏にかけてイチゴ狩りが開催される。イチゴは高設栽培されているため収穫しやすく、ハウス内はベビーカーで入ることもできるので家族みんなで楽しめる。3種類の品種が食べ放題で、運が良ければ新種の「よつぼし」が食べられることも。直売所も併設しており、食べ頃のイチゴはもちろん、手作りの雑貨も並ぶ。

「祈り」「実り」「守り」の沼が磨き上げた館林の沼辺文化館
https://sato-numa.jp/

館林市観光協会
https://www.utyututuji.jp/

写真=館林市観光協会