● 今回持って行った機材
カメラ
・FUJIFILM X100F
・iPhone11
● アクセス方法
JR・東京メトロ丸ノ内線 東京駅
JR・東京メトロ有楽町線 有楽町駅
● 費用
交通費、飲食代、入館料

まず向かったのは『三菱一号館美術館』。ここは神田にあるニコライ堂を設計した、イギリス人の建築家『ジョサイア・コンドル』が手がけた煉瓦造りの建物を、当時の素材や製造方法で忠実に復元したものです。余談にはなりますが、この後二号館三号館と増え、このあたりは一丁倫敦(いっちょうロンドン)と呼ばれるロンドン風のオフィス街になっていったそうです。

建物に囲まれた中庭には季節の花が美しく咲き誇り、近隣のオフィスワーカーの憩いの場になっているようです。美術館の中には、明治27年に三菱一号館が建てられた際に銀行営業室として利用された空間を復元した、『cafe1894』もあります。天井は高く、当時の窓口の様子も残されており、レトロな時間を味わうことができます。散策の際にはこちらでのティーブレイクもオススメです。

この建物は「美術館」なので、撮影可能なエリアは少ないのですが、それでも時代を残す美しい階段に差し込む光は撮っていて飽きません。

素敵な模様の入った階段、ここでポートレートを撮りたくなりますね。

周辺の施設を眺めながら、国際フォーラムのある有楽町エリアへ移動します。ここも昔の建物の趣を随所に残していて素敵です。窓についている文様が素敵で思わず撮りました。

X100Fの『フィルムシミュレーション』を使って撮った写真。あえて平面的に撮ることでデザイン的に面白い写真にならないかな……と、よく使う構図です。

東京の超有名フォトスポット『東京国際フォーラム』で光と影を撮る

「東京」を象徴するスポットのひとつ、『東京国際フォーラム』。この特徴のある美しいガラスアトリウムのある建物を設計したのはアメリカ在住の建築家『ラファエル・ヴィニオリ』です。特徴的なガラスだけでなく、整然と並んだ木製のルーバーも美しく、窓から落ちる影を撮るのも楽しいです。また、建物内はスロープでも移動でき、国際フォーラムをいろいろな角度からスナップするにはとても便利ですね。

4つのホールと巨大なガラス棟の間にはランドスケープが広がっていて、平日はここにキッチンカーが集まったり休みの日は骨董市が催されたりと、通路だけでなく憩いの場所としても親しまれています。国際フォーラムは朝は7時から通行可能なため、私も有楽町勤務時代はよくこの建物の中を通って出勤していました。

ルーバーに落ちる影と、歩く人を印象的に撮ってみる

まずはランドスケープ側、窓越しに国際フォーラムの中をひたすら好みの写真が撮れるまでシャッターを切ってみました。ルーバーをどこまで入れるのか、案内板を入れるのか入れないのか、こちらではコントロールできない「人の配置」はどうするのか……。お腹いっぱいになるまで、シャッターを切り続け、最終的に人のいない瞬間も撮ることができました。一人での撮影は自分の気のすむまで撮影し続けられるのがメリットですね。

ルーバーの写真に満足したら、エレベーターにのって最上階のフロアへ。私はこの天井の造形が大好きで、この形が「クジラのお腹」のように見えてしまいます。展示会場として使われていないときは、最上階のこのフロアまで静かな空気で満ちていて、ここが都会の真ん中にあるとはとても思えません。
ひとしきりこの空間を堪能したら、スロープを使ってルーバーのあった地下一階のロビーフロアまでスナップをしながら降りていきます。

国際フォーラムは見下ろしても、見上げてもとても美しい建物です。また、ぐるりとガラス張りになっており、光の差し込む時間帯や季節によって写真も変わってくるので、何度来ても飽きることがありません。
ちなみに、こちらは撮影禁止ではありませんが、公式HPに注意事項がありましたのでアナウンスを引用しておきますね。

ガラス棟や地上広場、地下コンコースなどの公共スペースでは、東京国際フォーラムご来館の記念として、短時間のスナップ写真の範囲内で撮影をしていただけます。
撮影にあたっては、以下の点にご留意をお願いいたします。

  • 当施設へは多数のお客様がご来館されますため、三脚やレフ板などの機材を使った撮影など、場所を占有する撮影はお控えください。
  • 撮影は短時間のスナップ写真の範囲内でお願いいたします。
    記念撮影にあたっては催事エリアへの立ち入りや映り込み、第三者の映り込みがないようご配慮ください。
  • モデルを同伴した撮影会は、場所・目的を問わずお断りいたします。
  • 広告撮影等のロケ地利用(有料)につきましてはこちらをご覧ください。
  • 催事が行われているスペースでの撮影については各主催者にお問合せください。

上記の範囲を超えた撮影であると当方が判断する場合は、警備員がお声がけさせていただくことがございます。ご了承ください。

いま流行りの「昭和」の趣の残る有楽町ガード下へ

有楽町から新橋方面にはたくさんのレトロスポットがあります。このエリアは、いま増えている再現ではなく実際に昔からあるものなので、味わいに関しては段違いです。あちこちで電車高架下のオシャレな再利用が流行っていますが、実は有楽町や新橋に関しては昔からそれをやっているんですよね。

ただのJRの高架なんですが、落下防止のフェンスのデザインもモダンでおしゃれに見えてきませんか……?

「日比谷」「新橋」「東京」の看板のついた、『有楽コンコース』。コンコースと言っても、見えているこの高架下部分のみの短いエリアです。後から付け足されたレトロ看板もありますが、ここでは「ザ・昭和」な雰囲気でのお酒と食事が楽しめます。

この勢いで新橋まで…!とレトロ探訪をしたいところでしたが、実は三菱一号館美術館の前にも東銀座でデザイン展を見てきていたので、歩き疲れてヘトヘト、本日はこれで撮り歩きを終了することにしました。

日比谷公園のあるエリアや銀座など、この周辺は何度来ても撮り飽きない大好きな場所です。またいろいろ撮れたらご紹介したいと思います。

三菱一号館美術館
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2
TEL: 050-5541-8600
休館日:月(祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館)
年末、元旦、展示替え期間 ※臨時の開館・休館の場合あり
入館料:各展覧会により異なります
会館時間:10:00~18:00

cafe1894
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2 三菱一号館美術館1F
TEL:03-3212-7156
定休日:不定
営業時間:11時〜23時(22時LO)

東京国際フォーラム
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5番1号
TEL: 03-5221-9000
開館時間:7:00~23:30

取材・文・撮影=イチ(カメラガールズ編集部)