渋谷を代表するグルメバーガーの名店

「渋谷のグルメバーガーといえば?」と尋ねられれば、名前を挙げる人は少なくないだろう。2011年から営業を続ける『ウーピーゴールドバーガー』は、行列ができるほどの人気店だ。

渋谷駅から歩いておよそ3分。路地に入ると、地下に続く奥まった場所に店を構えている。

店に入ると、まるでバーのようなカウンタースタイルの空間が広がっていた。店内がこぢんまりとしているので、一人で来店する人も多いそう。仲間と会話しながらのんびりとハンバーガーを味わいたい人は、店の外にあるテラス席を利用するのもいいだろう。

店主の上嶋(かみしま)さんは、もともと飲食店での経験はほとんどなかったという。そんな上嶋さんがハンバーガー店をオープンしたきっかけは「スケートボードとか、アメリカのカルチャーが以前からすごく好きで。そのビデオの映像に出てくるバーベキューが、ワイルドでかっこいいなぁと思っていたんです。自分もいつか、こんな感じの店ができたらなって」と笑顔で話す。

ハンバーガー店での修行経験もないなか、中目黒で現在の『ウーピーゴールドバーガー』の前身となる店の営業をスタート。間借りで1年ほど営業したのち、渋谷に移り本格的に店を構えた。

こうして上嶋さんが理想とする味を追い求めた、どこの店にもないオリジナリティあふれるハンバーガーが誕生した。

カウンター越しの棚にはアメリカンなイラストや、映画のDVDがずらりと並んでいる。
カウンター越しの棚にはアメリカンなイラストや、映画のDVDがずらりと並んでいる。
店の壁には手書きのイラストやステッカーも無造作に。
店の壁には手書きのイラストやステッカーも無造作に。

そして「あまり綺麗になりすぎないように作ったら、いつの間にかこうなっていました」と話す店内は、壁にはイラストが描かれていたり、いたるところにステッカーが無造作に貼られていたりと、かなりカジュアルな雰囲気。

上嶋さんの知り合いや仲間など、この店に訪れた人たちが自由に手を加えていった空間は、妙に落ち着く。自分のバーガーのパティが焼かれている音を聞きながら、店内をゆるりと眺めている時間も楽しい。

炭火焼の肉厚ベーコンと自家製パティの黄金コンビネーション

ハンバーガーは、ハリウッドスターをもじったくすっとくるユニークな名前。イラストも味がある。
ハンバーガーは、ハリウッドスターをもじったくすっとくるユニークな名前。イラストも味がある。

この店のハンバーガーは、店名を冠したプレーンのウーピーゴールドバーガー1100円をはじめ、個性が際立つ9種類。さらに豊富なトッピングでアレンジ自在のほか、季節によって限定メニューも登場する。

ケビンベーコン(十勝産スモークベーコン)1560円を注文。平日ランチタイムのドリンクセット(+220円)でマンゴージュースも追加。
ケビンベーコン(十勝産スモークベーコン)1560円を注文。平日ランチタイムのドリンクセット(+220円)でマンゴージュースも追加。

正直どれも気になったが、この日は北海道十勝出身の上嶋さんが「地元の食材を生かしたハンバーガーが作りたい」と生み出したケビンベーコンを注文してみた。

ハンバーガーの付け合わせには、手作りのマッシュポテトか特製の塩で味つけされたフライドポテトが選べる。マッシュポテトは、前身の中目黒の店で生まれたオリジナルの味だそう。珍しいため、今回はそちらを選んでみた。

そして登場したハンバーガー。見よ、このボリューム! バンズには、こんがり焼かれた十勝産スモークベーコンとチーズがとろりとかかった自家製パティに始まり、レタスやトマト、オニオン、ピクルスなどの具材が黄金比ではさんである。

大ぶりのベーコンが2枚も入っていて、それだけで幸せな気持ちになる。
大ぶりのベーコンが2枚も入っていて、それだけで幸せな気持ちになる。

自家製パティもベーコンも、店内で注文を受けてから炭火でじっくりと焼かれている。まずはこのハンバーグの主役であるカリッと焼かれた肉厚なベーコンを食べてみると、スモークの香りがふわっと鼻を抜けると同時に、さらりとした脂の甘さと肉の旨味が押し寄せてきた。噛めば噛むほど感じられる、塩気もたまらない。

食べ進めながら「ベーコンがこんなにご馳走に感じられるなんて……」と衝撃を受けた。

次に、具材と一緒に自家製のパティを味わってみた。牛肉と数種類のスパイスを混ぜて作られたこだわりの自家製パティは、「シンプルに味わってほしい」という思いからあえて塩とペッパーだけで味付け。

ただ、一口食べただけで「肉を味わっている」という実感がガツンとくる。炭火焼きならではの香ばしさと、ジューシーだけれど脂っこくなく肉の旨味が凝縮されたパティが、ハンバーガーという食べ物の美味しさを再認識させてくれる。ベーコンと一緒に食べても、重たく感じないのが不思議だ。

バンズもふかふかとしていて歯切れがよく、みずみずしいフレッシュな野菜と一緒に具材を引き立ててくれている。

付け合わせのマッシュポテトはというと、あっさりとした味わいでこれもまた立派な名脇役。ハンバーガーの合間に食べると、口の中の塩気をリセットしてくれる。

ちなみにハンバーガーはすべて小さめのバンズも選べるので、食べきる自信がない人もご安心を。

炭火焼の自家製パティは、出合ってしまったら虜になること必至。渋谷でランチを食べたくなったときは、ぜひ立ち寄ってみてほしい。無心でハンバーガーを頬張る時間は、至福のひとときとなるはずだ。

住所:東京都渋谷区渋谷1-9-4 トーカンキャステール渋谷 1F/営業時間:11:30~15:30LO、18:00~21:00LO/定休日:不定/アクセス:JR・私鉄・地下鉄渋谷駅から徒歩3分

取材・文・撮影=稲垣恵美