星景写真の基本の撮り方
星景(せいけい)写真とは、星と風景を撮影した写真になります。しっかりと星を写したい場合は、月が出ていない新月に撮影をします。
基本的には24mm以下の明るい超広角レンズと三脚を用いて撮影します。
星を大きく見せたい場合は、ソフトフィルターを使います。ソフトフィルターにも種類があるのですが、より星を大きく見せたい場合は滲みの効果の強いソフトフィルターを使いますが、デメリットとしては、風景が滲んでぼんやりしてしまうことです。
私は、ほどほどに星を滲ませ、風景がクリアに写る『Kenko プロソフトン クリア(W)』を使用しています。
● 準備するもの
・一眼カメラ(高感度耐性のあるものがよい)
・超広角レンズ(24mm以下、できればF2.0以下)
・ソフトフィルター(あれば)
・レリーズかリモート撮影可能なアプリ
● 基本の設定
・F値:開放〜開放から1〜2段ほど絞った数値
・シャッタースピード:10〜15秒
・ISO:1600
もちろん明るさによって設定も変わってくるので、最初はこちらの設定から始めて、ISOとシャッタースピードを微調整しましょう。
● ピントの合わせ方
・MF(マニュアルフォーカス)に設定する
・ピントを合わせやすい大きめの星を見つける
・ピントを一番遠く(無限遠)にする
・ピントを徐々に戻して、星が一番小さくシャープに見えるところで止める
ミラーレスカメラでは、背面液晶で拡大することができますし、一眼レフでもライブビューがある場合拡大すると、ピントが合わせやすいです。
ソフトフィルターが汚れていてゴーストのようなものが出てしまいました(悲)。強い光源があるとレンズの汚れが目立ってしまうので、汚れていないかチェックしましょう。
条件が悪くても諦めない
星空の写真は月齢(月の満ち欠け)や天気、ロケーションに左右されますが、いい条件が揃っていなくても、撮影を楽しむことができます。
この写真は月ががっつり(半月くらい)出ていて、星景写真には不向きですが、月の光のおかげで地面の雪がキラキラしていて綺麗でした。
ちなみにこちらは三脚を使わず、地面にカメラを置いて撮影しました。
こちらも街の灯りが明るく雲も出ていて、条件がいい撮影ではありませんでしたが、雲が綺麗に撮れたので、これはこれで好きな写真です。
2012年に発売された24-70mmF2.8の標準ズームレンズで撮影しているので、正直星景写真には不向きかと思うのですが、控えめの星と白い建物がおしゃれな雰囲気です。ソフトフィルターは使用していません。
ちなみに、夜は月が出ていても、早朝のまだ暗い時間帯で月が沈む場合もあるので、そこを狙って撮影するという手段もあります。諦めず、月の沈む時間を調べてみましょう。
手軽に撮れる星空の写真
これまでの写真は、三脚や超広角レンズなどの準備が必要でしたが、それらがなくても面白い写真が撮れるんですよ。
また、星があまり出ていなくても、楽しめる撮影方法がこちら。
たった一つの星ですが、人を入れることで急にエモさが出ます。人にピントを合わせると、遠くにある星がボケて大きく見えます。
逆に星にピントを合わせると、星は小さく写ります。
みなさんはどちらが好みですか?
こちらはなんと、自撮りです(笑)
もちろん三脚が必要なのですが、シャッターが開いている間にダッシュし写り込むことで、人(私)が半透明になって面白い写真になりました。
レリーズやアプリを使えば遠隔でシャッタを切れるので、はっきりと写すこともできますよ。
このように、満天の星空ではなくても星が一つあるだけで、いつもとは違った雰囲気の写真になります。
月の写真を楽しもう
月は、星よりも撮りやすいと思います。こちらの写真は、高級コンデジで撮影しています。雪をフラッシュで写してみました。
星と同じように、月にピント合わせるのか、手前にピントを合わせるのかでも印象が変わるので、色々試してみましょう。
月と風景や人物を撮影するときは、真っ暗になる前がおすすめです。
真っ暗になってしまうと、月と風景や人物の明暗差が大きくなり、露出が難しくなってしまいます。明るい月に明るさを合わせると風景が真っ暗に、風景に合わせると月が明るすぎて形が写らないといったような感じです。
そのため、夕暮れ時や、朝方のうっすらと暗い時間帯を狙いましょう。
風景や人物に、月を足しただけでも統一感のある情緒的な写真に仕上がりました。
月を入れた写真はとっても簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。
空が暗くなってきたら、一番明るく輝く星や月を探してみてください。
何気なくシャッターを切ってみると、思わぬ素敵な写真が撮れるかもしれません。
取材・文・撮影=いわとも(カメラガールズ編集部)