地元民御用達書店

商店街に面した広い空間を生かし、雑誌、文芸、コミック、ビジネス書など、幅広くジャンルを揃える頼もしい存在。通常は23時まで営業しているのもありがたい。「宿場町だからか、年配客も多いですよ」と話すのは、副店長の佐々木さん。レジそばに、古地図や足立区の歴史、宿場町などに関する棚があり、地元NPOが編纂(へんさん)した歴史ガイドブックも。商店街の散歩中に、ふらりと立ち寄りたくなる。

千住本町商店街で1983年より営む。

大学のキャンパスが数多く、かつては丸善や紀伊國屋書店のほか、個人書店がいくつも点在していたが、現在は駅に書店チェーンが集中。ルミネには大型書店『ブックファースト』、東武スカイツリーラインの駅ナカに『TSUTAYA BOOK STORE』と2軒の『クロスブックス』が揃う。ステーショナリーや雑貨も揃え、ちょっと立ち寄るのには便利だ。

地元民御用達書店だ。

宿場町歩きの虎の巻もある!

千住文化普及会発行『千住宿歴史ウォークガイドブック』を手にする佐々木副店長。「千住の人たちが作った名所旧跡ガイドは散歩に必携!」

対して、街の書店は衰退を極める一方だが、そんななかで奮闘を続けるのが1983年創業の『ぶっくらんど』。広々とした店内は、本が探しやすいようにきちんと整理され、夜遅くまで営業を続ける。副店長の佐々木哲(さとる)さんは「若い人は今、電子書籍を利用しているみたいで」と、表情を曇らせるが、仕事の合間や帰りに立ち寄って書棚をじっくり見て回る人が後を絶たない。宿場町の歴史や今なお残る風情に、愛着と誇りを持つ地元民も多く、千住を深掘りしたガイドブックは「直接持ち込まれたものですが、やはり注目度は高いですね」。

創業以来、ブックカバーはシルクハットをかぶった紳士たち。「オリジナルなのか、元ネタがあるのか、もはやわからない(笑)」。

また、色街など、遊興地の歴史も刻む地ゆえ、『ぶっくらんど』をはじめとした北千住の書店では、大らかにサブカルチャーも引き継いでいる模様。しかも、書店ごとに得意分野をすみ分けているようだ。

バラエティに富んだ書棚だが、成人系を含めたコミック強し。

『ぶっくらんど』店舗詳細

住所:東京都足立区千住2-43/営業時間:10:00~23:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩4分。

取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2021年6月号より