少年少女の心をざわつかせた圧倒的虚構世界が参上

石原豪人(いしはらごうじん)
石原豪人(いしはらごうじん)

1970年代に人気を博した少年雑誌。その大図解頁に、怪人、怪獣、怪奇現象など、あらゆる「怪」を描いて読者のドギモを抜いたのが、石原豪人である。本展では、たくましい妄想力と緻密な描写力で、現実にはありえない虚構の世界をリアルに表現した豪人作品の数々が一堂に集結する。

それとともに、同時代に活躍したイラストレーターたちの作品も登場。「宇宙」や「ロボット」といった未来志向の作品に取り組んだのと同時に「地球最後の日」「死後の世界」など、破滅的な世界も盛んに描かれた。そんな光と影を色濃くまとっていた時代 “around the 1970s” の艶めかしくも魅力に富んだ世界観が繰り広げられる。

「暗黒星の大引力」 石原豪人/画 『学習コミックス〈科学シリーズ〉⑥地球の最後X年』 小学館 1975年
「暗黒星の大引力」 石原豪人/画 『学習コミックス〈科学シリーズ〉⑥地球の最後X年』 小学館 1975年

少年少女を別世界へ誘うリアルな妄想画の数々

「人面犬生態図解」 石原豪人/画 『GORO』 小学館 発行年月不明 原画
「人面犬生態図解」 石原豪人/画 『GORO』 小学館 発行年月不明 原画

学習誌や少年愛雑誌など、幅広いジャンルで虚構世界をリアルに描き、怖いもの見たさの少年少女の心を鷲掴みにした石原豪人。本展の見どころは、さまざまなジャンルの雑誌に提供された、リアルなタッチの原画の数々だ。晩年にあたる平成の作品『GORO』(小学館)の「人面犬生態図解」では、もともと備えていた、力、毒、色気といった要素に加え、笑いの要素もプラスし、さらに魅惑的な世界を展開した。

また、小松崎茂『なぜなに学習図鑑9 なぜなにからだのふしぎ』(小学館)や、『少年マガジン』(講談社)に掲載された梶田達二「地底のアトランティス大神殿」など、同じ時代に活躍した作家の作品にも注目したい。かつての少年少女たちの童心をくすぐる妄想画の数々に、圧倒されるはず。

「イルカがせめてきたぞっ」 小松崎茂/画 『なぜなに学習図鑑9 なぜなにからだのふしぎ』 小学館 1971年 小松崎茂インターネットミュージアム提供/画像
「イルカがせめてきたぞっ」 小松崎茂/画 『なぜなに学習図鑑9 なぜなにからだのふしぎ』 小学館 1971年 小松崎茂インターネットミュージアム提供/画像

開催概要

「虚構をリアルに描いた 石原豪人展 around the 1970s 妄想画、大集合」

開催期間:2026年10月3日(土)~12月20日(日)
開催時間:10:00~17:00(入館は~16:30)
休館日:月(ただし10月12日・11月23日は開館)・10月13日(火)・11月24日(火)
会場:弥生美術館(東京都文京区弥生2-4-3)
アクセス:地下鉄千代田線根津駅・地下鉄南北線東大前駅から徒歩7分
入場料:一般1200円、高校・大学生1000円、小・中学生500円
※竹久夢二美術館と合わせて観覧可。
※障がい者手帳を持参で本人のみ700円。

【問い合わせ先】
弥生美術館☏03-3812-0012
公式HP:https://www.yayoi-yumeji-museum.jp

 

取材・文=前田真紀 画像提供=弥生美術館