人類の広場ー交歓の記憶と継承
1970 年、アジアで初めて開催された日本万国博覧会(大阪万博)から今年でちょうど50 年。77 カの国と地域が参加し、国内外から6,400 万人を超える来場者が訪れ、世界中の人々が交歓する広場となった会場は、その後、太陽の塔などのレガシーを残しつつ、緑に包まれた記念公園として整備され多くの人に愛されている。
開催から50 年を経た今、本展覧会では当時の記憶を紐解くように岡本太郎らの当時の貴重な作品や資料を始め、大阪万博に影響を受けたアーティストたちによる新たな作品を展示し、レガシーの再現と継承を試みる。また、今回万博記念機構が徹底的にアーカイブしてきた資料を5000 点以上展示。
特に音の資料に関してはこれまで例がないほどの貴重な展示がみられる。
【会場1】T-ART HALL
●岡本太郎:岡本太郎がプロデュースしたテーマ館の地下に若手研究者らが47 カの国と地域から収集した仮面とともに展示されていた岡本太郎のマスクを展示します。
●フランソワ・バシェ:勝原フォーン(修復)
万博終了後、長い間倉庫に眠っていたままのフォーンでしたが、2017 年東京藝術大学バシェ音響彫刻修復プロジェクトとマルティ・ルイツにより「勝原フォーン」が修復されました。バシェが当時、助手や通訳などサポートをしてくれた人たちへ感謝の気持ちを込めて日本人の名前がつけられています。
【会場2】ボンドストリート、ボードウォーク、T-PASSAGE(アーカイブ映像展示)
●蓮沼執太:大阪万博で初来日したバシェによって制作された「音響彫刻」と呼ばれる作品をモチーフに、作曲、パフォーマンス、演奏、録音の手法を使って音楽を作り上げます。その音楽は天王洲のリバーサイドにインストールされ、街に響き渡ります。当時の万博の記憶、現在の天王洲の記憶をバシェによる「音響彫刻」を使って交差させる試みです。
【会場3】天王洲オーシャンスクエア
●西野達:今回取り組むのはアート持つ常識を揺さぶる力を通し、大阪万博当時のセンセーショナルな体験に思いをめぐらせること。西野の手法の「逆転」ということは、観客の常識やこれまで経験も凌駕し、また、仮設作品のために展示期間が終わると、跡形もなくなりストーリーだけが残るのも万博的。今回はバスをカットした巨大な作品が登場予定です。
【会場4】TERRATORIA
●宇川直宏「NO BREATH/EXPO70 EDITION」 会場には、佐藤栄作総理大臣、小松左京、岡本太郎の万博会見の音声が流れている。1970年…..当時日本は「人類の進歩と調和」をテーマに掲げ、77ヵ国が参加するこのイベント日本万国博覧会をオーガナイズした。アメリカに次ぐ経済大国となった日本の象徴的な意義をもつこの博覧会について語る総理の言葉は、波形上で間と呼吸が一切カットされていて完全にノーブレスとなり、戦後、飛躍的経済成長を成し遂げた日本/世界に対してのプレゼンテーションを観客に畳み掛ける!!!!!!! その奥に設けられたフラードームには、音声とモミ玉がシンクロするマッサージチェアが設置されている!!なんとヘッドフォンから流れるのは、一柳慧、小杉武久、松平頼暁、松下眞一が万博のお祭り広場の為に制作した電子音楽や、70年当時リアルタイムにフィールドレコーディングされた万博会場の音、音、音…..!その一部始終がモミ玉&バイブレーションにシンクロし、観客の全身を1970年の大阪万博の現場で鳴っていたサウンドによってマッサージする!!!!!! 宇川直宏「NO BREATH/EXPO70 EDITION」これは全身で体感するEXPO70なのだ!!!!!!!
日 時2 月24 日[月] まで。平日13:00-19:00/土日祝11:00-20:00
会 場:T-ART HALL TERRATORIA、T-PASSAGE、T-LOTUS M、ボンドストリート、天王洲オーシャンスクエア、寺田倉庫など天王洲エリア一帯、渋谷パルコ
入場料:無料
主 催:大阪府