絶頂チェーン店Web支店

2007年から『散歩の達人』本誌で連載開始。ライターの村瀬秀信が六度の輪廻で足掛け15年くらいにわたって外食チェーン店と日常を綴るエッセイ連載のWeb支店。

最新記事

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新そばの季節。『小木曽製粉所』へ行けば、男は作務衣を着はじめる
日本シリーズが終わると、新そばの季節だ。なんてことを急に言い出したのも理由がある。どうも、そばに目覚めてしまったようなのだ。夏前だったか。お土産にもらったとある地方の田舎そば。強烈なコシと風味のアレを食べてから、急にそばへの感度が増してしまったようで、何かしらのチャクラが開いたかのように、鼻腔が香りを捕らえ、ノドがそばの肌触りにうっとりとしはじめたのだ。

この連載の記事一覧

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すしざんまい有楽町で逢いま賞【絶頂チェーン店Web支店・新装開店】
 開高健ノンフィクション賞の最終候補に残った。これまで賞とは無縁の人生。次、いつこんな経験ができるか分からないのだから、これは全力で味わい尽くさねばならない。
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文字通りうなぎのぼりの注目店『鰻の成瀬』【絶頂チェーン店】
前歯が欠けたのは20年ほど前のことだ。これでも書いたが、『散歩の達人』の川越特集。2日でうなぎを9杯食べたら、最後にふかふかのうなぎで前歯が欠けた。ありえない。うなぎが固いとかじゃなくて、これはおそらく警告の類。「これ以上同胞(うなぎ)を食べると、我々も黙ってはいない」という日本海溝の方からのメッセージだ。
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ありがとう、さようなら。「千成ラーメン 西巣鴨店」【絶頂チェーン店】
行きつけの店。なんてものは、人生の一部みたいなものだ。どこでどうしてその店の常連になったのか、自分でもわからない。きっかけなんてどうでもよくて、なんとなく居心地がよかったり、波長があったりで、気がつくとその店に居ついてしまっている。
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『下田聚楽ホテル』の海鮮バイキングは戦慄のオサカナ天国!【絶頂チェーン店】
2024年が明けてから北陸の地震やら週刊誌報道やら暗い話が続いて、もう世界が終わるんじゃないかというぐらい鬱々とした気持ちの日が続いていた。もうダメだ。やめる。外に出たくないと、ノイローゼ気味になってしまい、これはまずいと友人のお坊さんに見てもらうと「それはあなた天中殺だから運気が悪いんだよ」と言われて目からウロコが落ちた。さらに都合よく、翌日が節分だったので天中殺は見事に明け、晴れた青空のような笑顔になりました。
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30周年の『新横浜ラーメン博物館』。変わらない、昭和33年の夕暮れの街【絶頂チェーン店】
地下鉄三田線西巣鴨の駅にネイビーブルーの近未来的な電車が乗り入れてきた。黒船かと思えば行き先は「海老名」。それが相鉄だと知ってひっくり返った。まさかそれから半年後に海老名の実家に帰る緊急事態になろうとは、人生一寸先に何が待っているかわからない。これまで縁のなかった相鉄に最近は毎日のように乗っている。海老名へ帰る途中、新横浜線という路線が生まれていた。シン横浜。そういえば「ラー博」は元気なのだろうか。
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どうなるロッテリア? 各時代で存在感を放ってきた、心の中の永遠の英雄【絶頂チェーン店】
L・O・TT・E オーロッテ。嵐を呼ぶんだ、われらロッテ親衛隊。というわけで、マックよりロッテ。モスよりもロッテ。マドロックよりのロッテ。川崎でロッテリア。京浜東北線が不測の事態で止まってしまったので川崎で京急に乗り換えようとアゼリアを歩いていたら、『ロッテリア』に出合った。懐かしい。心の中のマサカリ兆治が蘇る。川崎球場にロッテがいた80年代、駅前の『ロッテリア』にもタダ券目当てでよく通ったものだ。
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大塚『おにぎり ぼんご』。信じるおにぎりは世界を救う【絶頂チェーン店】
この原稿は立ったまま書いている。物書きになって二十余年、こんな無作法は生まれて初めてのことだ。だるい。フェンス越しの植え込みに、いつの間にか躑躅(ツツジ)が咲いている。自分の住んでいる街なのに知らない街のようだ。
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『河太郎』でイカの活き造り定食を味わう至福。食べたら忘れられない、呼子は私(イカ)の聖地そのもの【絶頂チェーン店】
(コロナ禍2回目の)緊急事態宣言が出た当時、毎日家でじっとしていた。東京に縛り付けられて3カ月弱。苦しかった。取材に出たい。地方に行っておいしい地のものが食べたい。そんなことを思いながら、ぼーっとテレビを見ている。今日も行政改革大臣の会見を見るたびに、思い出すのはイカだった。ワクチンがどうたらと言うたびに。珍奇なマスクが映し出されるたびに、脳裏をよぎる、限りなく透明に近いイカー。
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『かるびのとりこ』で夏の思い出作り。北関東のスンドゥブは血の色よりも赤かった【絶頂チェーン店】
あたいのなつやすみ。妻と子供が2週間の海外旅行に出かけて行った。カリブ海。ビーチだとか。筆者は置いていかれたわけではない。なぜなら最初から誘ってくれなかったから、ハブとか家庭内イジメとか、家庭不和にはあたらない。きっと「父さまはお忙しいのだから」と、慮(おもんぱか)ってくれたのだろう。
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秋の月見商戦。果たして玉子が好きなのか。イベントが好きなのか。【絶頂チェーン店】
月が出た出た、月が出た。マクド炭鉱の上に出た。9月のあるお昼時。『マクドナルド』の前にやたら人がいるなと眺めていたら、店頭に月見バーガーの垂れ幕が下がっていた。ああ、今年もまた月見の季節なのか。普段は空を見上げる余裕もなく、十五夜にススキも団子も揃えないくせに、チェーン店の季節限定メニューには敏感でいたい貧乏性分。ふらりと長い行列の最後尾についてしまうと、結局、文句言いながらも出来上がりまで30分も待たされてしまうのだ。
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『ステーキ宮』の肉なんて飾りです。宮はたれなんです。【絶頂チェーン店】
栃木県足利市出身のツクイさんが好きなタレントは照英だ。埼玉県鴻巣市出身。熱くて、男らしくて、趣味がよい。出会いはとあるグルメ番組だ。「これまでの食レポで一番美味(おい)しかったグルメは?」という問いに、まっすぐな瞳で「宮のたれ」と答える彼の姿を見た瞬間「この人のことは一生信じられる」と、遺伝子レベルで解(わか)りあえてしまったそうだ。宮のたれ。
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新そばの季節。『小木曽製粉所』へ行けば、男は作務衣を着はじめる
日本シリーズが終わると、新そばの季節だ。なんてことを急に言い出したのも理由がある。どうも、そばに目覚めてしまったようなのだ。夏前だったか。お土産にもらったとある地方の田舎そば。強烈なコシと風味のアレを食べてから、急にそばへの感度が増してしまったようで、何かしらのチャクラが開いたかのように、鼻腔が香りを捕らえ、ノドがそばの肌触りにうっとりとしはじめたのだ。
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