多くの観光客が乗降する駅となった押上駅
前回の当コラムでも触れたが、東京の西の方で生まれ育った私は、東京東部の事情に疎い。押上については、半蔵門線の行先表示で見かけるくらいのもので、ながらく訪れたことがなかった。
その状況が一変したのが、2012年の東京スカイツリー開業である。押上駅はスカイツリー直結駅として「押上〈スカイツリー前〉駅」と副駅名が付けられ、多くの観光客が乗降する駅となったのだ。以降、私もスカイツリーに行く際に、押上駅を利用するようになった。今回はその押上駅で、観光客にもわかりやすい待ち合わせ場所を探してみたい。
江戸の祭り【押上駅構内】
押上駅は、京成押上線と都営浅草線、東京メトロ半蔵門線と東武スカイツリーラインという、それぞれに相互直通運転を行う路線が乗り入れる地下駅である。駅構内には半蔵門線・スカイツリーラインの押上方面改札近くに「江戸の祭り」と題されたアートウォールがあるくらいのもので、目立った待ち合わせ場所は少ない。
ここは一度改札を出て、スカイツリーの根元にある商業施設・「東京ソラマチ」B3Fの入り口を目指そう。上の階につながる大きなエスカレーターの乗降口でもあり、「これからスカイツリーに向かうぞ」というワクワク感に満ちた空間でもある。
ソラマチ商店街入り口/ソラマチひろば/おしなり公園【東京ソラマチ周辺】
エスカレーターに乗り、1階に上ると、インフォメーションカウンターのあるエントランススペースに到着する。飲食店や雑貨店が軒を連ねる「ソラマチ商店街」の入り口でもあり、待ち合わせ場所としても適している。
ソラマチ商店街を抜けると、屋外広場「ソラマチひろば」に出る。ここにはスカイツリーのデザインを監修した彫刻家・澄川喜一氏による彫刻「TO THE SKY」が設置されており、彫刻周辺にも多くのベンチがあるため、待ち合わせ場所に便利だ。
このソラマチひろばからも見える北十間川沿いには、墨田区おしなり公園がある。
おしなり公園には約60本の桜が植栽されており、桜の季節にはスカイツリーとの景色を楽しみながら待ち合わせができそうだ。
スカイツリーキャラの案内パネル【東京スカイツリー駅改札外】/スカイアリーナ【東京ソラマチ】
ところで、東京スカイツリー最寄り駅は押上駅のほかに、東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」がある。押上駅とは徒歩数分の距離にあり、運賃上は同一駅として扱われる「とうきょうスカイツリー駅」では、2026年3月現在新駅舎工事が進められている。とうきょうスカイツリー駅を利用する人との待ち合わせ場所としては、新東口改札を出たところに設置された、スカイツリーキャラがあしらわれた案内パネルぐらいだろうか。今後目印となるようなモニュメント等が設置されることを期待したい。
このスカイツリーのキャラたちに囲まれながら待ち合わせができるのが、東京ソラマチ4Fにある「スカイアリーナ」だ。東京スカイツリーの入り口に面しており、ベンチも多く設置された開放的な空間で、わかりやすい待ち合わせ場所でもある。
東京スカイツリー団体フロア【東京ソラマチ】
悪天候の時には、東京ソラマチ1Fの「東京スカイツリー団体フロア」がよいだろう。
団体客向けの場所ではあるが、スカイツリーの構造が学べるパネルが掲示されていたり、
スカイツリー周辺の風景を浮世絵風に描いた壁画が見られたりと、相手を待っている間にいろいろ楽しむことができる空間だ。
ここまで話を進めてきて、ふと気がついたことがある。押上駅の最もわかりやすい目印というのは、実は東京スカイツリーそのものなのではないだろうか。しかし世界一高い634mのタワーであるスカイツリー、その根元の押上では、どこで待ち合わせをしたとしても「スカイツリー下」なのだった。
まるでお釈迦様の掌の上で翻弄される孫悟空だ。そんなスカイツリーの巨大さに圧倒されながら、待ち合わせを楽しみたい。
イラスト・文・撮影=オギリマサホ







