宇都宮焼きそばは、市内に約50店の専門店があり、新たなご当地グルメとして人気を集めている。近年では「宇都宮焼きそば暖簾会」や「宇都宮やきそば会」が組織され、普及を図っている。

もっちりとした太麺、具はキャベツ、豚肉、ハム、そして目玉焼きのトッピング。店舗によってさまざまなアレンジがあるが、麺と具材は別々に炒め、ソースは宇都宮焼きそばのブームとともに発展してきた大塚ソースを使う店舗が多い。仕上がった焼きそばに、客が好みでソースをかける「後がけソース」も独特のスタイルだ。

多くの店でテイクアウトができるが、焼きそばをビニール袋に入れるというのもユニーク。テイクアウトしたものは、袋のまま食べるというのも宇都宮スタイルだ。

宇都宮焼きそばのルーツといわれる『石田屋やきそば店』は、市民の心の味といっても過言ではない。石田屋で修業した店主が開業し、現在は2代目が味を受け継ぐ『あをやぎ』ではイカを使った焼きそばが人気。「2019年日光そば祭り」の焼きそば部門で優勝した『焼きそばキング』にはチーズ入りもある。宇都宮ならではの基本を押さえつつ、好みの味を探すのも楽しみの一つといえよう。

あをやぎ

創業50年以上。味の決め手はイカ!

(麺)やや中太の麺で歯ごたえがある。ほんのり甘い大塚ソースがよく絡む。

初代が『石田屋やきそば店』で修業し、その調理法を基本としながらもこの店ならでは味を作っている。「『石田屋やきそば店』さんには、今でもいろいろ教えていただいているんですよ」と話すのは、2代目の青柳晴美さん。現在は、妹さんとその息子さんと共に切り盛りしている。一番人気は、いか、肉、玉子入り810円。麺や玉子は、かため、半熟など好みも聞いてくれる。

「キャベツなんかは、時期によって状態が違うので、炒め具体も変えてます」妹の小口真澄さん。
約15席あるが、コロナ禍の中、現在は店内での飲食は行わず、テイクアウトのみで営業。

『あをやぎ』店舗詳細

住所:栃木県宇都宮市今泉4-13-17/営業時間:10:30~15:00/定休日:火・金/アクセス:JR宇都宮線・日光線宇都宮駅西から徒歩10分

石田屋やきそば店

宇都宮焼きそばといえばココ!

(麺)太めのやや平打ち麺で、もっちりとした食感が特徴的。 (具)宇都宮焼きそばのキャベ ツ、ハム、豚肉、目玉焼きといった具は、この店が基本となっている。

その昔は食堂だったが、1952年から焼きそば専門店に。宇都宮焼きそばの原点ともいえる店舗で、石田憲司さん・涼子さんご夫妻が今の味を作りあげた。野菜、ハム、玉子、豚肉が入った特製ミックス700円は、卓上のガリとともに味わいたい。「テイクアウト品は、袋ごと冷凍して、翌日温めてもおいしいわよ」と涼子さん。気さくで、笑顔の絶えないもてなしも、またこの味が恋しくなる所以(ゆえん)だ。

店内の壁にはこれまで取材に訪れた数多くの著名人の色紙が貼られる。
石田さんご夫妻を中心に、息子さんと若いスタッフで営む。

『石田屋やきそば店』店舗詳細

住所:栃木県宇都宮市中央5-8-9/営業時間:10:00~16:30(麺がなくなり次第終了)/定休日:水(月1回火・水または水・木の連休あり)/アクセス:東武宇都宮線東武宇都宮駅から徒歩5分

焼きそばキング

濃厚なガッツリ系焼きそば

(麺)特注の極太麺は、もっちもち。甘めの濃厚ソースをしっかりと絡みとる。 (具)薄切りの豚バラと揚げ玉がたっぷり。麺と一緒に炒めず、トッピングスタイルが特徴

人気店『ばそき家』で経験を積み、県内で開催されたグルメ大会でも優勝した実力派。焼きそばは、小250gから特大600gまで4段階で麺の量を選ぶことができる。トッピングも野菜とひき肉のシンプルなものから、自家製チャーシューや目玉焼き、チーズなどバリエーションもさまざま。おすすめは、豚バラ、玉子、揚げ玉入りのミックスやきそば中600円。ボリュームのある一皿は食べ応え十分。

チーズ玉子、チーズ自家製チャーシューがのるダブルチーズ焼きそば中650円。
利用客は、サラリーマンも目立つ。
店主の伊藤信さんの肩書に「焼主」とあるように、ひたすらに焼きそばを追究し、作り続ける。

『焼きそばキング』店舗詳細

住所:栃木県宇都宮市花房3-3-36 ガトリーコーポ1F/営業時間:11:00~19:30(麺なくなり次第終了)/定休日:月(祝の場合は営業)/アクセス:東武宇都宮線南宇都宮駅から徒歩10分

取材・文=千葉香苗(アド・グリーン) 撮影=岩堀和彦
『散歩の達人』2020年9月号より