昭和モダンの『喫茶 ジュン』でリゾットみたいなやさしいオムライス
JR有楽町駅京橋口の目の前、「東京交通会館」3階に『喫茶 ジュン』がある。1965年のビルのオープンから営業を続けている老舗喫茶だ。
ランチタイムは11~15時。平日のランチメニューには、スープ、サラダ、コーヒーor紅茶がつく。この日注文したのは、びっくりオムライス。ご飯に卵、生クリーム、エビとマッシュルームをよく混ぜて塩コショウで味付け、バターを熱したフライパンでオムレツのように焼いていく。
表面がキツネ色に焼かれたオムライスは想像以上に大きめ。スプーンでひとさじすくってみると、外側はよく火が通ってムッチリとしていて、中は卵かけご飯のようにトロ~リ。まるでリゾットだ。食べてみると、まずはバターの香りがフワッ。味付けはごくシンプルで思った以上にやさしい味わい。ニンニクが効いた旨味たっぷりのトマトソースがアクセントになっている。
『喫茶 ジュン』店舗詳細
選べる本格イタリアンランチと充実のサラダバー『トラットリア チャオ』
有楽町駅から線路沿いの道を新橋方面へ歩くと、高架下に現れる『トラットリア チャオ』。気軽に本格イタリアンをいただける大衆酒場だ。
ランチメニューはパスタとピッツァはもちろん、ハンバーグやカレーなどの定番メニューもそろう。毎日来ても、大人数で来ても、みんな満足できそうなラインアップだ。ランチにはサラダバーとドリンクバーがつく。サラダバーで使う食材は契約している業者から新鮮な有機野菜を仕入れているそう。トマトやキュウリ、ブロッコリーなど彩り鮮やかな野菜が並んでいる。手作りドレッシングは週替わりで3種類。バゲットやデザートもあって、パスタが出される前にこれだけで満足できそう。
この日選んだメインメニューは、鶏ひき肉と茄子のトマトソーススパゲティ。トマトの酸味は控えめで、チーズのコクとほのかな塩味がソースの味を引き立てる。オリーブオイルをたっぷりと含んでまろやかになったナスと鶏ひき肉の食感も秀逸で、パスタの茹で具合も言うことなしだ。
『トラットリア チャオ』店舗詳細
昭和な定食屋『お食事 いわさき』の濃い味カツ丼にハマる
有楽町の高架沿い、日比谷駅に隣接する路地にある『お食事 いわさき』は、レトロな雰囲気が漂う昭和の大衆食堂だ。大正9年(1920)に有楽町のガード下で創業し、1947年に現在の場所へ移って以降、ここで営業し続けている。
メニューは定食が中心で、お得な日替り定食をはじめ、とんかつ定食や、さば塩定食など、10種類以上。中でも同店の名物的なメニューと言えるのが、かつ丼セットだ。
カツの揚げ油にはラードを使用。これがこってりとしたコクのある味わいを生む。門外不出の甘辛く煮詰めたタレも味の決め手だ。また、カツとご飯のあいだに海苔が敷いてあるのもポイント。カツ煮を1切れ頬張ると、衣はサクッと軽い食感で、玉子はとろとろ。内側のお肉は、噛めば旨味と甘みがあふれ出す。そして甘辛く濃厚なタレの風味で口の中が満たされていき、ご飯をかき込まずにはいられなくなる。
『お食事 いわさき』店舗詳細
古民家居酒屋『爐端本店』で角煮とゆで玉子がごろりのがっつりランチ
有楽町駅から徒歩3分。JR線高架沿いの通りにある、大正初期創業の『爐端本店』は都会の真ん中では珍しい古民家居酒屋だ。
ランチのおすすめは、若い男性客を中心に大人気という肉玉めし。豚バラ肉の角煮が4つ、ゆで玉子を囲むようにごろりとご飯の上にのっている。なるほど、ワイルドな肉とゆで玉子を組み合わせたビジュアルを見ると、人気だという理由がよくわかる。
口の中に入れた途端、さっと広がるスパイスの香り。柔らかすぎない、ほどよい煮込み具合。しっかりとした味付けなのでご飯がすすむ。角煮、ゆで玉子、煮汁とご飯を混ぜながら食べすすめると、あっという間に完食だ。夜のメニューでは単品で豚の角煮を出しているそう。たしかに酒の肴にもぴったりだ。昼も夜も通いたくなる魅力的なお店を見つけてしまった。
『爐端本店』店舗詳細
淡路島直送の生パスタと宝石ケーキで至福ランチ『THE BLUE』
日比谷駅から徒歩1分の『THE BLUE』は、日比谷シャンテのゴジラスクエアにあるカフェレストラン。店内は爽やかなブルーを基調に、イタリアから取り寄せた洗練されたインテリアが並ぶ。
店内のショーケースには、キラキラと輝く色とりどりのケーキがずらり。有名ホテル出身の若いパティシエチームが作る「宝石ケーキ」は、ふわふわの雲のような軽さで、口の中で溶けていく。
ランチメニューは、淡路島直送の生パスタを使った特製ジェノベーゼパスタが一番人気。こだわりの太麺は、もっちもちと音がしそうなくらいの弾力でソースもよく絡む。ほかにもサラダランチ、スープランチがあり、どれも栄養たっぷりでヘルシーなのがうれしい。ショッピングや観劇のあと、会社帰りにと、ぜひ足を運んでほしい。魅力的なケーキ&フードが現れた瞬間、幸せな気持ちでいっぱいになるはず!
『THE BLUE』店舗詳細
後からジワジワと辛味&シビレが利いてくる麻婆豆腐『TexturA』
有楽町駅からほど近くにあるレストラン『TexturA(テクストゥーラ)』では、中華とスパニッシュ、フレンチなどさまざまな料理人たちがひとつの厨房で料理を作り出している。
店内はカジュアルダイニングエリアとレストランエリアに分かれており、カジュアルダイニングエリアではリーズナブルなランチプレートをいただける。メニューはバリエーション豊富で、黒豚のカツサンド、麻婆豆腐、海老のアヒージョのほか限定10食のよだれ鶏冷麺などが人気だ。その中から麻婆豆腐を注文。
いかにも辛そうに見えるが食べてみるとマイルドな口当たり。だが、食べ進めていくうちに辛さやシビレが効いてきて汗が吹き出してくる。シャキシャキとしたネギや葉ニンニク、酸味と旨味を醸し出す豆鼓が豆腐によく絡んでご飯がすすむ。麻婆豆腐にはよだれ鶏、サラダ、ごはんと日替わりのスープがついてくる。ボリューム満点なだけでなく、ひとつひとつに工夫が凝らしてあって楽しいランチだった。
『TexturA』店舗詳細
しっとり衣の天丼が旨い江戸前天ぷら屋『有楽町 天米』
有楽町と新橋の間にあたる高架下のレンガアーチをくぐると、ディープな飲み屋街が広がっている。有楽町駅から徒歩5分ほどのところにある『有楽町 天米(てんよね)』は、1952年から続く江戸前天ぷらの名店。創業当時のままの店内は昭和のレトロ感満載で、ガラス越しに職人が天ぷらを揚げる姿が見られ、油がピチピチとはねる音が心地よく鳴り響いている。
ランチの名物は、イカと小エビのかき揚げ・エビ・キス・野菜がのった天丼1200円。丼の蓋を開けると、上質なごま油の香りが鼻をくすぐり食欲をそそる。丼つゆがしみた天ぷら衣はしっとりしていて、ふわふわの食感。サクサクした天丼もいいけれど、このしんなり感は別格でたまらなく旨い。秘伝の丼つゆは絶妙な甘辛さで、ご飯がパクパクすすむ。
ランチではほかに貝柱入りのかき揚げ丼1850円や曜日限定の天ぷら刺身定食1200円も人気だ。店主家族が醸す温かな雰囲気に包まれながら、心置きなく食事を楽しむことができるだろう。
『有楽町 天米』店舗詳細
本場の旨辛タイ料理に惚れる! 『シャム有楽町』のランチセット
地下鉄日比谷駅を出てすぐのビルの10階にある、タイ料理店『シャム有楽町』。社長はタイの隣国・ラオス出身で、シェフは全員タイ出身だ。ランチセットには、ガパオをはじめとしたタイの名物料理に加え、6種類の創作メニューがある。どれも本場の味を大切にしているため、タイ料理好きならハマること間違いなし。
辛いもの好きにおすすめなのは、素揚げした豚肉を唐辛子や塩などで炒めた、三段豚(さんだんぶた)のパッピッグア。豚肉の食感は硬めで、かみしめるほどに甘辛さと旨味があふれ出す。口に入れた瞬間の甘さを追いかけるように広がる辛さは、あとまで持続するタイプ。これが心地よく食欲を刺激し続ける。ジャスミンライスのやさしい風味やパクチーの香りも、いいアクセント。
サイドメニューの鳥肉めんは、ツルツルとした米粉麺の舌触りが印象的だ。トッピングの蒸し鶏は、しっとり柔らかく、鶏ガラスープにナンプラーやニンニクオイルなどを加えたスープとの相性抜群。
『シャム有楽町』店舗詳細
良質な魚をランチ価格で! 赤字覚悟の日替わり定食『焼貝あこや 日比谷店』
JR有楽町駅と新橋駅をつなぐ高架下の商業施設「日比谷OKUROJI」内にある貝料理専門店『焼貝あこや 日比谷店』。日本料理の研鑽を積んだ職人が作る魚料理のランチが人気だ。
海鮮丼や刺し身定食、西京焼き定食など魚好きにはたまらないメニューの数々。なかでもお値打ちなのが、刺し身、焼き物、揚げ物、和物、煮物、香の物がずらりと並ぶ、その名も赤字定食! 赤字覚悟の豪華な日替わり定食だ。魚で季節を感じられてうれしいし、来るたびに何が出てくるか楽しみ!
おいしいものを少しずつ盛り付けた赤字定食は、まるで大人の和風お子様ランチ。良質な旬の魚をランチ価格でいただけるのはありがたい。女性のファンも多いが、羽釜で炊いたあきたこまちのご飯は何回でもおかわり自由なので、男性にも好まれているという。定食は単品を頼むことができるから、昼飲みにもいい。
『焼貝あこや 日比谷店』店舗詳細
生サーモンのおいしさに感激!『salmon atelier Hus』
日比谷・銀座・有楽町・新橋にまたがる商業施設『日比谷OKUROJI』にあるサーモン料理専門店『salmon atelier Hus(サーモンアトリエフース)』。この店のウリは、ノルウェーの北極圏で育ったサーモンだ。水揚げされてから最短3日で届く鮮度抜群の生サーモンを使った料理をいただくことができる。
特別な環境下で育ったアトランティックサーモンは、サシがきれいに入っていて濃厚な甘みが特長。その身はしっとりしていて、口の中でとろける。言わずもがな、グランドメニューはサーモンづくし。ランチメニューは、トリュフの香りが食欲をそそる炙りサーモンのクリームパスタ、鮭の身を煮込んだ汁でご飯を炊く宮城県の郷土料理“はらこ飯”、ライムとハーブが香る厚切りサーモンのステーキの3種類。すべてサーモンサラダとスープが付いて1650円。サーモンにぴったりの白ワインを飲みながらランチをいただくのもいいだろう。
『salmon atelier Hus』店舗詳細
取材・文・撮影=丸山美紀(アート・サプライ)、パンチ広沢、大熊美智代、羽牟克郎、上原純、コバヤシヒロミ