頭から個人的な話で恐縮だが、筆者が「この曲を聞きながら速歩きすると気持ちいい!」と前から感じていたのが、SMAPの『ダイナマイト』とTM NETWORKの『Get Wild』だ。いずれもアゲアゲな楽曲だが、「そもそも曲のテンポが足の運びに合ってるのでは?」と思い、テンポの速さを表すBPM(1分間の拍数)を調べると、どちらも130前後。もしかしたらBPM基準で散歩に合う曲を探すの、楽しいかも!
そこで、散歩の気分がアガりそうな11のヒット曲をBPM順にさっそくピックアップ。うち3曲は曲の拍子に足の運びを合わせながら30分間の歩き心地を調査し、Apple Watchで運動効果も検証した。
【TRY 1】街歩きにちょうどいい? 気分もアガる『パプリカ』
まずBPM100程度の『パプリカ』からトライ。曲のテンポに合わせて歩くと、足取りは想像以上にのんびり。30代男の筆者の体感では「目的地もなくぼんやり歩いてるとき」程度の速さで、商店街をぶらぶらするのに丁度いい気がした。
計測結果を時速換算すると約4.5㎞。一般的な歩行速度と言われる程度の数字だ。実践時は普通の歩幅で歩いたので、特に心拍数も上がらず消費カロリーも少なめだった。ノリのいい曲調で散歩の気分はアガるので、運動効果も求めるなら大股歩きするのがいいかも!
【TRY 2】さすが曲名が『さんぽ』! 楽しく歩けるトトロの歌
次は、『となりのトトロ』主題歌『さんぽ』。BPMはもう少し速めで120前後だ。
BPM120は要するに「1秒間に2歩」の速さ。テンポに合わせて歩くと「ちょっぴり速歩き」くらいの感覚だ。映画のオープニングではメイちゃんが大股でズンズン歩いていたが、この曲は大人もリズムよく楽しく歩けて、「さすがは曲名が『さんぽ』なだけある!」とうなる。自然と腕も振れて、分歩くと身体もポカポカに。30分で145kcalを消費と、運動効果も◎だった。
【TRY 3】イメージ通りハード! 速すぎる『U.S.A.』
最後は、BPM140の『U.S.A.』。こちらは一瞬でも気を抜くと足の運びが遅れるレベル。歩き始めて10分で疲労を感じ、15分で汗がジワジワ。20分を超えると「もうやめたい!」と感じるハードさだった。汗をかくにはいいが、消費カロリーや距離はBPM120の『さんぽ』よりやや多い程度。つらさのわりに効率は悪いので、いっそ小走りすべきかも。
【まとめ】気分と目的に応じて曲の使い分けを!
最もリズムよく楽しく歩けると感じたのはBPM120程度の曲だった。もう少し速く歩きたいなら130程度の『Get Wild』などもいいし、逆に少し遅めのBPMで大股で歩くのも楽しいだろう。上のヒット曲の表も参考に、気分と目的に応じてぜひ使い分けを!
文=古澤誠一郎
『散歩の達人』2021年2月号より