看板メニューはビリヤニ。味変しながら召し上がれ!
店内に入るとアジアの街にあるレストランのような雰囲気を感じる。広いスペースに、テーブルがゆったりレイアウトされているせいだろうか。壁にはマハラジャの宮殿などのイラストがあり鮮やかだ。
『Rusi Indo Biryani』は、横浜市緑区十日市場に2020年4月に1号店がオープン。2号店である蒲田店は2022年8月、そして2025年4月にはカレー店の多い神保町に3号店をオープンさせた。
オーナーはエンジニアの夫と料理上手な妻の夫妻で、インド最南部のタミル・ナードゥ州出身。妻がイベントで提供していた料理が評判となり、レストランを開くことになった。特にビリヤニは、店名にも入っているほどの看板メニューで、蒲田店でも2022年のオープン当時からずっと人気だ。
自慢のチキンビリヤニは、「ビリヤニに合ったバスマティライスを使っています」とシェフのラフィークさん。カルダモンやシナモンスティック、クローブ、唐辛子、ローリエなどスパイス類をふんだんに使い、食べ応えのあるサイズのチキンがゴロゴロ入っている。
ランチのセットでは、カレーソース、ヨーグルトに野菜などが入っているライタ、生野菜サラダがついている。チキンビリヤニはスパイシーで、人によっては辛く感じるかもしれない。添えられたカレーやライタを混ぜて味変しながら食べる。特にライタのまろやかな酸味とビリヤニの相性のよさは、スプーンが進む。
いろいろな味が食べられる定食、ミールス
ビリヤニと並んで。ランチメニューの筆頭に挙げられているのはミールスだ。ミールスは、南インドの定食のようなもので、主にランチとして食べられている。
『Rusi Indo Biryani』のミールスは、四角いステンレスのトレーに、いくつもの料理がのっている。野菜カレーのサンバル、ラッサムというスープ、カレー2種類、ボリヤルと呼ばれる野菜の炒め物にピクルス。揚げパンのようなプーリーか薄く焼いたチャパティのどちらかを選び、豆で作ったせんべいのようなアッパラムとソナマスリ ライスという南インドのお米も付いている。
カレーは、一部が日替わり。取材時はペッパーチキンとシーフードマサラを選んだ。シーフードマサラは、イカやエビ、アサリがトマトと一緒に煮込まれていて、ほどよい酸味も心地よい。
まったく初めての人でもわかりやすいように、ミールスの食べ方を書いた説明書がテーブルに用意されていた。チラチラ見ながら食べていたら、ホール担当のスタッフさんが「サンバルとラッサムはライスに合います。2つのカレーはプーリーに合いますよ」と教えてくれた。
今回食べたミールスの料理は、辛いものが苦手な人も食べやすい味わいのものばかりだ。強いていえばピクルスが少し辛いが、同時に塩気も強い。このピクルスも少しずつ味変の要素として食べるのがおすすめだ。
どんどん興味が湧いてくる! 種類豊富なインドの料理
座った席からはキッチンの様子が少し見えて、筒形の機械が高速回転していた。興味津々で「あの回転しているのは、なにを作っているのですか?」と尋ねてみたら、「ドーサの生地を作っています。ちょうど今から焼くから、見に来て」とキッチンに入れてもらえた。
ドーサは、南インド発祥のクレープのような食べ物だ。米と豆を電動の石臼ですりつぶして発酵させた生地を、熱々の鉄板に丸く薄く広げ、ギー(澄ましバター)を少し垂らす。焼き色がついたら筒状にくるくるっと巻いて、やはりカレーやソースと一緒に食べる。薄く広げてパリパリとした食感に焼きあげるにはコツが必要で、『Rusi Indo Biryani』ではドーサ名人のスタッフさんが担当している。
焼き上がったドーサの大きさに驚いていたら、「インドには、直径1mぐらいあるファミリードーサがあります」とスタッフさんが教えてくれた。ファミリードーサは、その名の通り、家族やグループでシェアして食べるそうだ。
インドは世界で7番目に広く、面積は日本の8.7倍もある。当然食べ物も多様なのだろう。特に南インドでは、菜食を中心とする食文化が根付いている。また、油が控えめな料理が多いのも特徴のひとつだ。日本人のスタッフの方によれば「南インドの料理は体に負担がかかりにくいですよ」とのこと。
蒲田駅から近いビルの中にある『Rusi Indo Biryani』。さまざまな味や食感から南インドのヘルシーな料理と本場の雰囲気を楽しんでみよう。
取材・文・撮影=野崎さおり






