スポーツ好きにはたまらない街!
初めて武蔵中原駅にやってきた。
階段を下りると線路下に『Beans武蔵中原』といういかにも便利そうなショッピングセンターがある。
スーパーのほか、スターバックスやサイゼリヤ、マクドナルドなどの飲食店や書店が入り、早くも住みやすさを感じる駅だ。
さてどこへ向かおうかとキョロキョロしていると、駅前で男性に話を聞くことができた。
住んではいないそうだが、近くの学校で陸上部の顧問をしているという。さすが先生だ、説明上手で非常に助かる。
あとで登場する子育て世代の視点の意見も含めると、どうも以下のような街らしい。
・川崎フロンターレのファンが多く住んでいる。
・坂道がほぼないので移動しやすい。
・駅なかの『Beans武蔵中原』は買い物に便利なだけでなく、女性専用のベビールームがあり、おむつ台や授乳室、調乳用温水器もあるので赤ちゃんがいるお母さんにとって便利。
・駅の近くにはクリニックやドラッグストアなどが豊富にあり、土・日も開いているところがあるので助かる。
・隣の武蔵小杉駅に日本医科大学武蔵小杉病院などの大きな病院があっていざというとき安心。
・もうひとつの隣駅の武蔵新城は、商店街や飲み屋が多く下町らしいにぎわいを見せるのに対して、武蔵中原は住宅が中心で落ち着いた雰囲気で、スポーツ施設やグラウンドなど、体を動かす風景が目につく。
・川崎市は全国都市緑化フェアなどを開催して、都市空間にも緑を取り入れる取り組みを先進的に進めてる。
・中原区は川崎市で一番人口が多いから住みやすいということかも?
・等々力緑地では市のイベントが定期的に行われている。等々力緑地内にある等々力球場では川崎市出身で「明日も」という楽曲が川崎フロンターレの応援歌にもなったSHISHAMOのライブが開かれたこともある。
・子供がいるファミリーは等々力緑地に行けば散策や遊具・自然に触れるなど、思い思いの過ごし方ができる。
・等々力緑地にある釣り堀がいいらしい。
・飲み屋は『多福』がおすすめ。豆苗と唐揚げをぜひ食べてほしい。豆苗は3人で8人前頼んでしまったこともある。
8人前も頼んでしまったという豆苗がすごく気になるがそれは散歩の最後のお楽しみにとっておこう。
先生のスポーティな格好も相まってとにかくスポーツが盛んな街という印象がついたので、まずは等々力緑地へ向かってみることにした。
知らなかったが富士通は2024年に本社機能をこちらのFujitsu Technology Parkに移していて、さらに今後は川崎市と提携しFujitsu Arena(体育館棟)を新設する予定だそうだ。
誰もがスポーツを楽しめるエリアにするのとともに、災害発生時の近隣住民向けの一時避難場所としても使える施設を計画しているとのこと。
さらに便利な街になるのか!
散策や遊具・スポーツなどとりあえず等々力緑地に行けば何かしら遊べる!
さて、駅から歩いて20分ほど。見るからに広そうな等々力緑地にたどり着いた。
等々力緑地は、サッカーJリーグ川崎フロンターレのホームスタジアムにもなっている陸上競技場のほかに、体育館、野球場、テニスコートといったスポーツ施設もあるとても規模の大きい公園だった。
この日も各会場で試合が行われており、周りではマラソンイベントが開かれ、グルグルと走る人たちの姿があった。大変にぎやかである。
緑地内には子供たちが夢中になるような遊具が豊富な公園もあり、ファミリーたちが楽しんでいた。
休憩所でお弁当を広げている方たちに話を聞くことができた。
遊具がある公園も魅力的だが自然いっぱいの「ふるさとの森」もあるし、ここに来れば川崎市が月に一回くらい子供も楽しめるイベントを開催しているという。
スポーツがメインの場所かと思ってやってきたけど、子供にとっても夢のような遊び場なんだなあ。また、周りは坂がなく平坦なので歩きや自転車でも移動しやすいのは助かるという。
次どこに行こうか迷っていると「釣り堀で釣りできますよ」と教わった。そういえば、最初に話を聞いた先生との会話にも出てきた場所だ!
野性味あふれる素晴らしい釣り堀!※ただし2027年まで整備工事で休み予定
『等々力釣池』に行ってみると、昭和の雰囲気を色濃く残した外観。ワクワクする。
まず券売機でチケットを買い、園内に入って売店で釣り道具を借りる。
この釣り堀が大好きで、この街が地元だというスタッフの女性が、道具の使い方や釣れる魚、釣れるスポットなどの話を丁寧にしてくれた。よく釣れるのはブルーギル、クチボソ、ハゼの3種類。他には玄人向けにヘラブナが釣れるとのこと。ウナギやテナガエビ、亀、モクズガニなどもいるそうだ。昔はタナゴもいたそうだ。
写真や実物の魚を見せてくれた。
釣れた魚は、外来種のブルーギル以外は持って帰ってOKとのこと。
これは紹介しがいのある楽しいところ見つけたぞと思ったら……なんてこった! 2025年12月から整備工事に入り、2027年まで休止なのだそうだ(撮影日は11月下旬)。
皆に来てほしいのにぃ……とタイミングの悪さに嘆いているとスタッフの女性は「でも、私の好きなこの景色をぜひ記事に残してほしいです!」と言ってくれた。整備工事に入る前に釣りができることに感謝しつつ体験することにした。
園内は、想像していたよりもずっとずっと広くて驚いた。
せいぜい25mプールくらいの広さかと思ったら大間違いだった。3万3000平方メートルもある。
自然の中で糸を垂らしていると、散歩の途中なのにこのままずっといたくなってしまった。
周りはファミリーやお友達同士で来ている人たちなど、みんなのんびりと釣りを楽しんでいる。
おそらく常連のおじさんに「餌は小さい方が小魚が食いつきやすくていい」と教わったり、こっちの方が釣れますよ、と教えてくれる方もいた。
少年は「この辺に垂らせば釣れる。浮きが動いたらすかさず竿をあげる」と端的にポイントを教えてくれた。ほんとだ、少年は実際に釣れている。
私はまったく釣れなかったが、代わりに隣で少年がバンバン釣っているのを見て満足。
あと1時間粘れば釣れる気がしたが日が暮れてしまうので、残りの餌を少年に託して園内をひと回りすることにした。
これが本当に広いのだ。
桟橋から向こうは小魚ではなくヘラブナ狙いの玄人たちが集まっていた。それまでののびのびとした空気感とは違い、音を立てたら怒られるのでは、と思うくらい緊張感あるエリアだった。
ふだん釣りをしないのでわからないのだが、みんな快適に釣りができるように防寒などの工夫をしていて、それを眺めるだけで面白い。
ふと、このガチ勢の人たちはこの釣り堀が閉鎖している間どこに行くのだろうか、とか、2年後いつものメンツが集まって再会を祝うのだろうかなどと想像した。
釣り堀の奥はまるで沖縄かアマゾンかのような自然があり、魚を狙った鳥たちが大量にいた。
さきほどの、ファミリーたちがのんびりとランチパーティーをしていたところとは大違いの野性味あふれる釣り堀であった。
人気の鮮魚店で刺し身を買って土手で食べる
釣りを楽しんだあと(釣れてないけど)は、地元の方に評判の鮮魚店に向かった。
おすすめの場所を聞いて鮮魚店が出てくるのは稀なので興味深い。
ひっきりなしにお客さんが訪れていた。そのせいか店員さんも多めで人気っぷりがうかがえる。
いかにも新鮮でおいしそうなお刺し身がたくさん並んでいて、我慢できず盛り合わせを購入。
少し歩いたところにあるドラッグストア「クリエイトSD」でお箸とお醤油を購入し、おすすめのひとつとして挙がっていた多摩川の土手で食べることにした。
多摩川の土手には、散歩をする人や自転車で走る人、自前の椅子を持ち込んで寝ている人など、さまざまな過ごし方をする人がいた。
残念ながらベンチは見当たらなかったので、芝生の上に座って新鮮なお刺し身をいただいた。
お刺し身はどれも、タコすらも口の中でとろけて本当においしかった。
ぜひ土手で花見をする際は鮮魚店で刺し身を買うといいだろう。
うまくて安い中華屋『焼売酒坊 多福』で、地元の方絶賛の豆苗炒め!
駅に戻り反対側の南口方面も少し歩いてみる。
こちらもスーパーの『マルエツ』があったりファミレスなどのチェーン店があったりと、駅なかにあった『Beans』だけでなく、日常使いしやすそうな店がそろっている印象だ。なぜか病院やクリニック、ドラッグストアなど、医療系のお店がよく目に留まった。
そしてふと、改めて行き交う人たちを見てみると老若男女関係なくどの世代もいることに気づく。偏りなく、どの世代にも受け入れられている街のようだ。
締めは冒頭で話を聞いた陸上部の顧問の男性からおすすめされていた『焼売酒坊 多福』へ。
こんな感じで、武蔵中原駅周辺の散策は終了。
スポーツ好きや子育て世代にイチ押しの街なのが判明したが、この日一番インパクトが強かったのは自然豊かな公園での釣り体験だった。また2027年に新たな姿を見に訪れたいと思う。その時、ヘラブナ釣りのガチ勢がまた集結するのだろうか、その中にあの少年が混ざっていたりして、などいろいろと妄想しながらニンニクたっぷりの豆苗をいただいた。
さて、次はどの隣の駅へ向かおうか。
取材・文=小堺丸子 撮影=橋田玲子、小堺丸子









