意外と多い!? 東京都内を流れる川はいくつある?
「川」と一口に言っても、人によってイメージは違うでしょう。山の中で清水の流れる川、都会のオフィス街を流れる川、どこまでも走っていけそうな広い土手がある川などさまざまです。東京都内では107もの河川があるといわれており、合わせると全長約858㎞に及びます。
多摩川をはじめ荒川や神田川、目黒川、隅田川など、誰もが知るなじみのある川がたくさんありますが、それぞれの川に特徴があり、川沿いで楽しめる風景も魅力的です。
今回、私が散歩したのは東京の下町にある隅田川沿いです。東京スカイツリーや浅草寺など東京のシンボルが隣接するため、外国からの観光客の姿もたくさん見られました。ここでは、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。春には満開の桜が咲き誇り、夏には夜空に上がる花火が川面に反射します。秋の深まりとともに葉が色付き、厳しい寒さの日には川沿いが雪で覆いつくされることもあるでしょう。
私が散歩した秋のはじめの日は、すっきりとした青空が広がり、気持の良いそよ風が吹いていました。コーヒーを片手に歩いていると、ふんわりとキンモクセイの甘い香りを感じられ、秋の訪れを実感できました。真夏は日差しが強すぎて散歩を楽しむ気力がないという方も、カラッと乾いた秋の空気の下を歩いてみるのはいかがでしょうか?
お散歩してゲットしたい「KAWAカード」
そして川散歩を楽しむなら、ぜひ手に入れてほしいのが「KAWAカード」です。
これは、隅田川や目黒川、多摩川など都内の29の河川の基本情報を紹介したカードで、対象の川を訪れた人に配られます。川に来たことを証明するために、川の名前が書かれた看板などの写真を撮影し、各配布場所の窓口で見せれば一人一枚ずつカードをゲットできるのです。
このKAWAカードには、等級(一級河川など)や水系、延長(川の長さ)、流域面積といった基本情報のほか、川の成り立ちや川に住む生き物、災害に備えて進めている対策など、川にまつわる情報がいくつも記載されています。
隅田川のKAWAカードには、川に架かる12の橋(吾妻橋、勝鬨橋など)で、夜間のライトアップが行われていることが紹介されていました。季節ごとに光の色を変えた演出が行われているのは初めて知りました。今度は日が暮れてから川沿いの散歩を楽しみたいと新たな散歩の計画を立てることもできました。
いざという時に備えて!防災情報も知っておこう
川は美しい景観を創り出してくれますが、大雨や台風などの荒天時には恐ろしい姿に変わることもあります。毎年のように全国各地で川の氾濫が発生しており、さんたつユーザーの多い首都圏でも2019年の台風19号接近時には多摩川などの堤防が決壊し大きな被害が出ました。災害に備えるため、川に関する防災情報の確認の仕方を知っておくと、いざという時にきっと役立ちます。
国土交通省の「川の防災情報」では、全国各地の川の水位を知れるほか、河川カメラの設置されている場所ではリアルタイムで川の様子を確認でき、普段の様子と現在の様子を比較しながら見られます。
このほか気象庁の「危険度分布(キキクル)」では、各河川の洪水の危険度を色分けで把握することができます。この情報のポイントは、紫色(危険)の段階までに川のそばなど危険な場所からは必ず離れておくということです。
大雨などの時は、散歩はもちろん川の様子を見に行くことも控え、こうした情報を確認するようにしてください。
もしもの場合の備えもした上で、さわやかな秋空の下、気持ち良く川沿いのお散歩を満喫しましょう。
文=片山美紀 画像=片山美紀、東京都建設局、国土交通省、気象庁
参考:
東京都建設局HP
河川の管理と活用
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/river/kanri/index.html
KAWAカード
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/river/keihatsu/kawacard.html
国土交通省HP
https://www.river.go.jp/index
気象庁HP
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/riskmap_flood.html