米津玄師 - Flamingo

汐留の「地下駐車場の中華料理屋」が登場

まずは現在の日本のポップ・ミュージック界を代表するアーティスト・米津玄師のMVから。舞台は薄暗い地下駐車場。踊るように歩いていくと、その先にはなぜか飲食店が。店先では赤ちょうちんがぼんやり光っている……。この異様なロケーションの店は、首都高速汐留駐車場にある「帝里加」(デリカ)。リーズナブルな定食と、ロケーションの凄さもあって以前から人気の店だったが、MV公開後はさらに認知が広まり、今は米津玄師ファンが聖地巡礼で多く訪れる。

くるり - 赤い電車

三崎口駅から始まる車窓動画がMVに

鉄道愛に溢れまくったミュージシャンとして有名な、くるりの岸田繁。この曲では京急電鉄とのタイアップが実現し、自身が監督を務めて先頭車両からの景色をMVにした。幕開けは京急久里浜線の終着駅・三崎口駅。途中の京急久里浜駅では岸田本人が登場し、カメラのレンズを拭く場面もある。なお歌詞では「赤い電車は歌い出す ファソラシドレミファソー」と、京急の「ドレミファインバータ」(現在では超希少!)もネタにしている。

RADWIMPS - 愛にできることはまだあるかい

「ミヤリサン」の看板がヒント

新海誠監督の長編アニメーション映画『天気の子』のために製作されたアルバムの収録曲。MVは高架下でピアノを弾く場面から始まり、その横には新幹線の車両が停まっている。終盤の屋上のシーンでも、新幹線の高架橋と車両基地がハッキリ見えて、その奥には「ミヤリサン」というカタカナの看板が。この看板は、東京都北区上中里のミヤリサン製薬株式会社の屋上にあるもの。その位置関係から、撮影場所が上中里駅近くの東京新幹線車両センター付近だと分かる。なお近くの田端駅周辺の景色も映画『天気の子』に登場するので、一緒に聖地巡礼をどうぞ。

折坂悠太 - 道

新宿、渋谷から観音崎灯台へ

わらべ歌や唱歌のような懐かしさが印象的な、シンガー・ソングライターの2016年の楽曲。海辺で写真を撮る折坂の姿から幕を開けるMVは、「夜目も慣れない道に 24アワーのネオン」という歌詞とともに新宿、渋谷へと移る。そしてJR、京急と電車を乗り継ぎ、折坂が降りたのは田舎ののどかな駅。たどり着いた先には灯台があり、どうやら降りた駅は浦賀駅で、灯台は観音崎灯台のようだ……と分かってくる。その後は観音崎公園内に残る、幕末に掘られた素掘りのトンネルなども登場。懐かしくも新しい歌とともに、歴史と情緒にあふれた景色の堪能を。

DJ RYOW - all green feat. 唾奇

米国文化が息づくあの通りがロケ地

DJ RYOWの2018年のアルバム『NEW X CLASSIC』の楽曲のMV。街中を歩くラッパーの唾奇(つばき)を真横から撮りつづける形でMVは進む。背後に映るのは家とお店が入り交じる何ともない街……かと思いきや、ところどころでアメリカンな平屋が映ったりして、「あれ、ここってどこだろう?」と疑問が。そして終盤には『BOOGIE CAFE』という電飾の店名が光るカッコいい店がドドーンと登場。この道がアメリカンカルチャーが今も息づく横浜の本牧通りだったことが分かる。昔から音楽文化と関わりの深い本牧は、MVのロケ地としてもやっぱり映える。

PUNPEE - Happy Meal

懐かしのレンタルCD店が登場!

2010年代の日本語ラップを代表するラッパー・PUNPEEが2018年に公開したMV。最初に映るアメリカンなダイナーは『デモデダイナー 福生』。その後はPUNPEEの出身の板橋区も映り、ディープな飲み屋街・大山すずらん通りもチラリと登場する。そしてこのMVの興奮ポイントは、レア盤・廃盤を揃えるレンタルCDショップとして長年愛され、2018年に閉店した『レンタルCDジャニス』の店内が映ること。下の動画は360°カメラで撮影した映像で、画面上をスクロールすることで自由に視点も操作可能。この店目当てで御茶ノ水に通ってきた方はぜひチェックを!

PUNPEE - Happy Meal Behind (360°)

安室奈美恵 - Baby Don't Cry

ファンの聖地“ベビドンの木”が登場

ファンからも人気が高い2007年のシングルのMV。上記の動画はショート・バージョンで、国立代々木競技場 第一体育館脇の石畳の歩道、代々木公園、汐留のイタリア街などが映る。代々木公園で映るイチョウは“ベビドンの木”と呼ばれ、今はファンの聖地の一つだ。なお新宿2丁目発のオールナイト・イベント「AMR-安室奈美恵ナイト-」を主催するバブリーナさんは、撮影場所を巡って歌った下記のような動画を公開。かなりの再現度なのでご本家と比較しつつお楽しみを!

安室ちゃん【Baby Don't Cry】MVの聖地巡礼しながらオネエが歌ってみた

文=古澤誠一郎