【雷の大般若】女装した男衆が町内を全力疾走!

<2月25日>江戸川区・真蔵院

JR東西線の葛西駅から東南東方面に歩いて約15分。旧江戸川沿いの東葛西地区で、2月の最終日曜日に行われるのが「雷の大般若」だ。女装した男たちが町内を駆け回るという一風変わった祭りだが、このようなエピソードが伝わる。江戸時代末期にコレラが流行した際、真蔵院の和尚が大般若経を背負って家々を回ったところ、被害がなかったそうだ。それが始まりとされ、大般若経の威徳をあらわす悪魔払いの伝統行事として今に受け継がれている。コロナ禍を経て、2024年、4年ぶりに開催されるとあって、地域の人々に気合いがみなぎっている。

当日は、おしろいやほお紅などで化粧を施し、色鮮やかな長襦袢を身にまとった男衆が主役だ。女装するのは、結核にかかった妹の代わりに兄が赤い長襦袢を羽織って祭りに参加し、妹の快復を願ったという説が有力とされている。会長ら三役を先頭にした一行の中には、100巻の大般若経を納めた6つの経箱(その重さ、なんと1箱50㎏!)を担ぐ役もいて、一日かけて10㎞もの距離を駆けめぐる。女装をした男衆3~40人が一斉に走る姿は実に迫力がある。一行はお祓いを受ける家々を回っては、「おめでとーござい」と掛け声を発してご祝儀をもらい、その代わりにお供え物と厄除けの黄色の布きれを渡して、無病息災を願って手締めを行う。

「奇祭」と注目されがちだが、前日の夜には「転読会(てんどくえ)」という厳かな儀式も。「つづらに収める大般若経600巻を1巻ずつ広げることで読んだものとする法要で、なかなか趣深いですよ」と大般若保存会の森茂さん。江戸川区の無形民俗文化財にも指定されている東葛西の伝統行事をぜひ現地で見てみよう。出立式は8:45から、16:00ごろ終了予定。

◎地下鉄東西線葛西駅、新宿線一之江駅からバス「雷不動前」下車2分。真蔵院☎03・3680・4853

前夜に行われる「転読会」は、大般若経に魂を入れる大事な儀式。
前夜に行われる「転読会」は、大般若経に魂を入れる大事な儀式。

【2024かつうらビッグひな祭り】石段に並ぶ1800体のひな人形に息を呑む

<2月23日~3月3日>勝浦市・遠見岬神社周辺

遠見岬神社の石段60段にズラリと並ぶ約1800体のひな人形は圧巻。夕暮れ時にはライトアップも。勝浦市芸術文化交流センターKusteや覚翁寺、墨名交差点にもひな人形が飾られ、町全体がひな祭りムードに包まれる。9:00~19:00。

◎JR外房線勝浦駅徒歩10分。ビッグひな祭り実行委員会事務局☎0470・73・6641

【第45回高尾梅郷梅まつり】裏高尾に点在する8つの梅林を散策

<3月9・10日>八王子市・西浅川町~裏高尾町

旧甲州街道や小仏川沿いに8つの梅林が点在する高尾梅郷で、約1万本の梅が咲き誇る。4つの梅林をめぐるスタンプハイクや模擬店、よさこい踊りなどの催しが行われる。木下沢梅林は3月2~17日に開放。

◎JR中央線高尾駅から小仏行きバスに乗車、各バス停で下車。高尾梅郷梅まつり実行委員会☎080・6758・1187

【航空ジャンク市】レアな航空関連用品が見つかるかも!?

<3月9・10日>千葉県芝山町・航空科学博物館

機内カートや航空機部品、エアライングッズなどの航空関連用品が並ぶ。掘り出し物に出合えるかもしれない、飛行機好きにはたまらないイベント。入館料700円。10:00~17:00(10日は~16:00)。

◎JR成田線・京成本線成田空港駅からバス「航空科学博物館」下車すぐ。航空科学博物館☎0479・78・0557

【山田の春祭り】春の秩父路を山車3台が練り歩く

<3月10日>秩父市・恒持神社周辺

秩父盆地に春の訪れを告げる華やかな祭り。花笠で彩られた笠鉾1台と屋台2台が曳行され、武甲山をバックにのどかな山里を練り歩く。8:00~21:00(予定)。今年は花火の打ち上げはなし。

◎西武秩父線西武秩父駅、秩父鉄道秩父駅から臨時バス停「学校前」下車20分。秩父市観光課☎0494・25・5209

【希望のしらべ津田沼南口春まつり】楽しいステージや地元グルメを満喫!

<3月16・17日>習志野市・津田沼公園(モリシア正面入り口前)

音楽演奏やダンスなどのにぎやかなステージ、ご当地名物の習志野ソーセージが味わえる屋台・キッチンカーの出店など、盛りだくさん。間近で見るパイプ椅子のアクロバットパフォーマンスは迫力満点! 11:00~20:00。

◎JR総武本線津田沼駅徒歩2分。習志野市商店会連合会☎047・455・1955

【春夜の六義園 夜間特別観賞】シンボルのシダレザクラをライトアップ

<3月16~24日>文京区・六義園

夜間に特別開園し、園内各スポットをライトアップ。高さ約15m、幅約20mのシダレザクラが夜空に浮かび上がる姿は幽玄そのもの。観賞券オンライン前売券900円、当日窓口購入1100円。18:30~21:00(最終入園20:00)。

◎JR山手線・地下鉄南北線駒込駅徒歩2分。六義園☎03・3941・2222

【ふなばしアンデルセン公園 さくらまつり】桜や春の草花が園内を華やかに彩る

<3月16日~4月7日>船橋市・ふなばしアンデルセン公園

ワンパク王国ゾーンを中心にソメイヨシノが見頃を迎え、チューリップや菜の花など約15万株の草花が園内を彩る。期間中の土・日・祝日には、イベントドームでさまざまなステージイベントも開催。

◎新京成線三咲駅からバス「アンデルセン公園」下車1分。ふなばしアンデルセン公園☎047・457・6627

【第23回千葉城さくら祭り】城をバックに美しい桜を愛でる

<3月23~31日>千葉市・亥鼻公園

千葉氏ゆかりの地、千葉城(郷土博物館)がそびえ立つ亥鼻公園で、約90本のソメイヨシノが咲き誇る。期間中は、音楽や舞踊、大道芸などのステージや、ご当地グルメの販売のほか、千葉城のライトアップも。11:00~20:00。

◎JR外房線本千葉駅から徒歩10分。千葉城さくら祭り実行委員会事務局☎043・242・0007

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者より提供。

『散歩の達人』2024年3月号より