読者の皆様、宿泊・観光施設関係の皆様、旅行代理店、そのほかすべての旅に関係する皆様、外出も営業もままならず苦しい状況が続いているかと思います。心からお見舞い申し上げます。

日本だけでなく世界で広がっている新型コロナウイルス感染症。これまで出合ったことのない事態が次々と起きています。さまざまな不安やとまどい、ときには恐怖すら感じます。

旅とは、当たり前に享受していた普段の生活があってできるもの、だからこそ旅ができることのありがたさ、大切さを改めて感じています。

残念ながら私たちが現在のような事態を、旅や観光という方法で解決することはできません。この感染症が終息するまでは、できるだけ家にいる、ただそれだけです。だから今、旅に出てくださいとは言いません。自由に外出できるようになったとき、思いきり見たいものを見て、体験したいことを体験し、食べたいものを食べに行ってほしいと思っています。

私たちはそのときのための本を作り続けます。

編集長 五十嵐匡一

……もちろん散歩もこの状況を解決することはできません。でも未来のために作り続けます。今、情報誌の思いは、おおむねどこも同じではないでしょうか。

手前に味噌で……すいません。(撮影協力=星野洋一郎)
手前に味噌で……すいません。(撮影協力=星野洋一郎)

ちなみに散歩の達人の表明文はこうです(4/11配信)

新型コロナウィルスの拡大防止のため、飲食店をはじめとする商業施設の営業時間短縮や自粛が相次ぐ事態となっています。4月8日以降は居酒屋など夜の飲食店や映画館、ライブハウス、寄席などの営業自粛が本格的に要請されました。先の見えない状況の中、家にこもって不安とストレスの日々を過ごしている方も多いと思います。なにより個人経営者の方々の経済的不安はいかばかりかとお察しいたします。そんなご時世ではありますが、月刊『散歩の達人』およびWeb「さんたつ」は、これからも、いい街やいい店の情報を発信し続けていきたいと思います。理由は主に二つ。一つめは読者の方々に。せめて写真や記事で、楽しい街や店やスポット、おいしい料理の数々を楽しんでいただけたら、そして後の日の情報源になればという思いです。またこんなときでも楽しんでいただけるよう、ご近所散歩やテイクアウトなど、特集テーマも見直していきます。もう一つは、各店や施設、従業員の方々へのエールとして。私たちは普段、皆さんがとってもいい仕事をしているのを知っています。だから皆さんのつくる店や料理やサービスが価値あるものと判断し取材、掲載しています。つまり、あなたのお店のファンなのです。今は大変なときですが、そんなファンがたくさんいることを表明しておきたいと思います。そのことがささやかながら、お力になればと思います。いま、散歩にできること。そんなに大きなことではないかもしれませんが、ちょっとした気晴らしなら得意です。それが何かの役に立つなら、こんなにうれしいことはありません。 『散歩の達人』編集人、Web「さんたつ」編集長武田憲人月刊『散歩の達人』編集長土屋広道