【第69回寒中水浴大会(寒中禊)】氷水に浸かって無病息災を祈願

<1月14日>中央区・鉄砲洲稲荷神社

日本の数ある祭りのなかには、凍てつくような極寒の季節にあえて冷たい水に浸かって無病息災を祈願するという水浴の祭りがある。中央区の新年の風物詩としても知られるのが、鉄砲洲稲荷神社の「寒中水浴大会(寒中禊)」だ。

その歴史は古く、昭和31年(1956)に始まり、2024年でなんと69回目。「地域の方々の安寧と無病息災をお祈りする目的で始まりました」と同神社。当日は、135㎏もの巨大な氷柱が2本投入された円形の水槽が境内中央に用意される。その周りにふんどし姿の男性と白装束に身を包んだ女性の参加者が集まり、宮司によるお祓いの後、入念な準備運動が行われる。船を漕ぐような動作などを行う「鳥船」と呼ばれる体操に注目だ。そして、その雄姿をひと目見ようと集まった見物人が取り囲むなか、参加者はキンキンに冷えた水槽に肩まで浸かって無病息災を祈願する。想像しただけでブルッと身震いをしてしまいそうな神事だが、参加者の気迫と一体感にこちらまで背筋が伸びる。ぜひ現地で見届けよう。11:00~。

◎JR京葉線・地下鉄日比谷線八丁堀駅徒歩7分。鉄砲洲稲荷神社☎03‐3551‐2647

【第31回王子狐の行列】浮世絵の一場面を再現

<12月31日・1月1日>北区・装束稲荷神社

歌川広重の浮世絵「王子装束ゑの木 大晦日の狐火」を再現しようと始まった幻想的な行事。狐面をつけて装束を整え、狐に扮した人々が、装束稲荷から王子稲荷まで行列を行う。年明けを合図に、深夜0:00に出発。

◎JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅徒歩4分。王子狐の行列実行委員会事務局 [email protected]

【初大師だるま市(初縁日)】縁起物の開運だるまが並ぶ

<1月3日>川越市・喜多院

川越大師として親しまれ、徳川将軍家ゆかりの喜多院の初縁日。境内や参道には多くのだるま店が並び、“七転び八起き”の開運のだるまを買い求める参拝客でにぎわう。早朝から日没まで。

◎西武新宿線本川越駅徒歩15分。喜多院☎049‐222‐0859

【七草火焚き祭り】七草粥が振る舞われる

<1月7日>港区・愛宕神社

正月飾りや古いお守り、お札、だるまなどをお焚き上げし、その火に当たって厄を払い、無病息災を願う行事。また、神前で刻んだ七草入りの粥が参拝者に振る舞われる。11:00~。

◎地下鉄日比谷線神谷町駅徒歩5分。愛宕神社☎03‐3431‐0327

【大根まつり】聖天様のお下がりをいただく

<1月7日>台東区・待乳山聖天

正月に供えられた大根のお下がりとして、風呂吹き大根が振る舞われる。大根はご本尊である聖天様の供養に欠かせないもので、そのお下がりをいただくことで徳を頂戴し、心身の健康が得られるといわれる。11:00からの法要終了後に配布。

◎私鉄・地下鉄浅草駅徒歩10分。待乳山聖天☎03‐3874‐2030

【鳥越神社とんど焼き】歳神様を送る伝統行事

<1月8日>台東区・鳥越神社

門松やしめ飾り、お札などを焼いて、正月にお迎えした歳神様を送る伝統的な行事。その火であぶった餅を食べると一年間健康に過ごせるといわれる。13:00~(お焚き上げの申し込みは5~8日朝)。

◎JR総武線・地下鉄浅草線浅草橋駅、浅草線蔵前駅徒歩6分。鳥越神社☎03‐3851‐5033。(9:00~17:00)

【初こんぴら】ご利益ある開運お守りを授与

<1月10日>港区・金刀比羅宮

1月10日が初縁日。元日から1月末までに限り、数量限定で福銭付きの開運お守りが授与される(1500円)。当日は神楽殿で里神楽の奉納があるほか、参道では七福神の行列も練り歩く。

◎地下鉄銀座線虎ノ門駅徒歩1分、日比谷線虎ノ門ヒルズ駅徒歩5分。金刀比羅宮☎03‐3501‐9355

【大磯の左義長】燃え上がる炎は迫力満点!

<1月14日>神奈川県大磯町・大磯北浜海岸

地域の守り神であるセエノカミサン(道祖神)に無病息災を祈る火祭り。藁や正月飾りなどを積み上げてつくったサイト9基に点火し、その火で焼いた団子を食べて無病息災を祈る。国指定重要無形民俗文化財。18:30点火予定。

◎JR東海道線大磯駅徒歩10分。大磯町観光協会☎0463‐61‐3300

【鷽替えの神事】去年の災厄を“ウソ”に

<1月25日>台東区・五條天神社

初天神の日に凶を祓い、吉を迎える行事。旧年中の鷽鳥を神前に納めて罪を滅ぼし、新しい鷽鳥と受け替える。木彫りの鷽鳥を模した神符は神社の手作り。9:00~なくなり次第終了。

◎JR・私鉄・地下鉄上野駅徒歩5分。五條天神社☎03‐3821‐4306

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者より提供。

『散歩の達人』2024年1月号より