第1部 トークパート

写真家・中里和人×路上園芸鑑賞家・村田あやこ

イベント当日は気温こそやや低めだったもののよく晴れ、天候を心配していた編集部は一安心。

お昼過ぎになり、集合場所である押上の『リッチモンドホテルプレミア東京スコーレ』5階の「シェアラウンジ押上」に、続々とイベント参加のさんたつサポーターたちが姿を見せた。コロナ等もあり初めての開催となったさんサポ限定イベントだったが、ようやく顔を合わせられる機会が訪れ、編集部一同の喜びもひとしおだった。

『散歩の達人』統括編集長・武田(右奥)。
『散歩の達人』統括編集長・武田(右奥)。

第1部はトークパート。

はじめに、『散歩の達人』統括編集長の武田が『散歩の達人』と押上・向島・曳舟エリアとのこれまでの関わりや、同エリアの特徴についてトークした。

直近では、『散歩の達人』2022年2月号で同エリアを特集し、街の魅力を紹介した。

続いて、写真家の中里和人さんがご登壇。
中里さんが初めて向島を訪れたのは2000年。その年に開催されたアートイベントがきっかけだった。以来、20年以上見続けてきた街の変遷や、街歩きの際のポイントを語った。

トークの間、中里さん自身が歩きながら撮影した、迷路のような路地の姿を捉えた動画が流されていたが、意図的にぼかして撮られていたため、現代の光景でありながらどこかトリップ感のある情景だった。

中里和人さん(左)。
中里和人さん(左)。

最後に路上園芸鑑賞家の村田あやこさんがスクリーンの前に。
街の植物や園芸の魅力を各種媒体で発信してきた村田さんならではの目線で、同エリアについて語った。

これまでに自身で撮影した写真を紹介しながら、今回街歩きするエリアは「街角園芸の宝庫」と魅力に触れた。

さらに参加者には、園芸鑑賞をより楽しめる「路上園芸の味わい方」と「路上園芸BINGO」が裏表になったはがきサイズの紙が配られ、着目すべき点を教えてもらえた。

村田あやこさん(右)。
村田あやこさん(右)。
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それぞれの角度から街を捉えられたところで、いよいよ街歩きに出発!

第2部 散歩パート

押上・向島・曳舟エリア散歩交流会

第2部は散歩交流会。さんたつサポーター、ゲストのお二人、編集部で街歩きに繰り出した。

こんなに間近で電車の通過を眺められる場所も。
こんなに間近で電車の通過を眺められる場所も。
東京スカイツリーに見守られながら。
東京スカイツリーに見守られながら。

街歩き開始後、「街角園芸の宝庫」という村田さんの言葉が自然と思い出された。はみ出しっぷりのいい植物や、街の人の手仕事の痕跡が見つかる植物を見つけては、そこから想像される物語を楽しみ、愛おしんだ。

路地、長屋、商店街、公園……などと巡っていく中で、この街の変遷にも思いを馳せていた。昔ながらの街並みが残る一方で、カフェやギャラリーなど新しい風も感じられる。

キラキラ橘商店街。『ハト屋』のコッペパンを参加者とともに頬張った。
キラキラ橘商店街。『ハト屋』のコッペパンを参加者とともに頬張った。
下町人情キラキラ橘商店街こと向島橘銀座商店街は、街の人の生活を90年以上支え続ける、昔ながらの商店街。だが、最近、楽しい変化があるという。今の見どころを報告します!

高さ約10mのマンモス滑り台があることから「マンモス公園」という名前で親しまれている京島南公園にも立ち寄った。

『伊勢屋』のだんごを編集部からさんサポへ配り、一緒に味わっていると、「おだんごもらえるんですか?」と遊んでいた子供たちに尋ねられる一幕も。子供たちの分も用意してあげられたらよかった……(笑)。

「マンモス公園」こと、京島南公園にて。
「マンモス公園」こと、京島南公園にて。
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街歩きをしている中で、さんたつサポーターそれぞれの目線でその街の魅力が見出されていき、街の印象が上書きされていく感覚はとても刺激的だった。
また、解散場所付近の小村井駅から、東武亀戸線に乗って帰るサポーター同士の姿も印象的だった。

第1回のイベントということで、編集部に至らない点が多々あったことは反省材料だが、参加してくれたみなさんが少しでもいいイベントだったと振り返ってくれていたら幸いだ。
SNSや「こりゃいいぜ!」でイベントに関する投稿を見かけ、胸を撫で下ろしていた。

都合がつかず、今回は参加できなかったというお声もいただいているので、今後も「さんサポ・ミーティング」イベントを企画していきたい。

また、どこかの街で楽しいお散歩ができますように。

文=阿部修作、写真=星野洋一郎(さんたつ編集部)