【浜離宮で華やかなお正月】新春の空を鷹がダイナミックに舞う

<1月2・3日>中央区・浜離宮恩賜庭園

江戸時代の代表的な大名庭園として知られる浜離宮恩賜庭園。歴史は古く、承応3年(1654)、将軍家の鷹狩場に、4代将軍徳川家綱の弟・松平綱重が海を埋め立ててこの地に別邸を建築。その後綱重の子の綱豊(家宣)が6代将軍になったのをきっかけに将軍家の別邸となった。以来、歴代将軍によって造園と改修工事が繰り返され、11代将軍の家斉の時代にほぼ現在の姿の庭園が完成した。

そんな由緒ある地で行われる新年行事が「浜離宮で華やかなお正月」だ。なかでもメインイベントである放鷹術(ほうようじゅつ)の実演は3年ぶりの開催だ。当日は鷹狩や鴨猟の紹介の後、鷹匠が鷹を腕に載せて歩く「据え歩き」や、鷹匠の腕から別の鷹匠の腕へと飛び移る「振替え」などの技が披露される。クライマックスでは近隣のビルの屋上から庭園に向けて鷹が舞い降りる様子が見られる。「羽を大きく広げた鷹が急降下するようなイメージで降りてくる姿はダイナミックで迫力満点です。」と浜離宮恩賜庭園の江頭さん。放鷹術の実演は両日とも11:00~と14:00~の2回なので、お見逃しなく。

ほかにもお楽しみ広場では羽根つきや独楽まわしなどの昔懐かしい正月遊びを体験できるほか、中島の御茶屋では抹茶と上生菓子のセットを味わえる。かつての将軍のように、鷹狩の技を観覧した後は御茶屋で休憩するというのもオツなものだ。

◎地下鉄大江戸線・ゆりかもめ汐留駅、大江戸線築地市場駅徒歩7分。浜離宮恩賜庭園☎03・3541・0200

鷹を模った練り切りと抹茶のセット1000円。
鷹を模った練り切りと抹茶のセット1000円。

【初大師だるま市】縁起物のだるまがズラリと並ぶ

<1月3日>川越市・喜多院

1月3日は厄除元三大師の縁日で、新年にあたるため「初大師」と呼ばれる。境内から参道にかけてだるまを売る市や露店が軒を連ねる。七転び八起きの開運だるまを買い求める多くの参拝客でにぎわう。

◎西武新宿線本川越駅徒歩15分。喜多院☎049・222・0859

【令和5年東京消防出初式】伝統のはしご乗りを披露

<1月6日>江東区・東京ビッグサイト東展示棟第7・8ホール

VR防災体験や起震車の地震体験のほか、ステージでは江戸消防記念会によるはしご乗り演技や東京消防庁音楽隊による新春コンサートが行われる。屋内展示の入場には事前登録が必要(屋外式典の観覧応募はすでに終了)。

◎ゆりかもめ東京ビッグサイト駅徒歩3分。東京消防庁☎03・3212・2111(内線2550)

【大根まつり】聖天様のお下がり大根をいただく

<1月7日>台東区・待乳山聖天

ご本尊である聖天様にお供えしていた大根のお下がりをいただくことで徳を頂戴し、心身の健康が得られるといわれる。例年は風呂吹き大根の振る舞いがあるが、本年は自宅で味わうためのお下がり大根と味噌を配布する(限定1000食)。

◎私鉄・地下鉄浅草駅徒歩10分。待乳山聖天☎03・3874・2030

【七草火焚き祭り】七草粥の振る舞いも!

<1月7日>港区・愛宕神社

正月飾りや古いお札、お守り、だるまなどをお焚き上げし、その火に当たって厄を払い、無病息災を願う恒例行事。神前で刻んだ七草入りの粥が参拝者に振る舞われる。11:00~。社殿内の参拝は関係者のみ。

◎地下鉄日比谷線神谷町駅徒歩5分。愛宕神社☎03・3431・0327

【鳥越神社とんど焼き】無病息災を願う恒例行事

<1月8日>台東区・鳥越神社

門松やしめ飾り、お札を焼いて正月の歳神様を送る伝統行事。その火で持参した餅を焼いて食べると一年間無病息災で過ごせるといわれる。13:00~(お焚き上げの申し込みは5~8日朝)。

◎JR総武線・地下鉄浅草線浅草橋駅、浅草線蔵前駅徒歩6分。鳥越神社☎03・3851・5033(9:00~17:00)

【青梅だるま市】街道で行われるだるま市

<1月12日>青梅市・青梅駅周辺の旧青梅街道

400年以上前の六斎市が始まりとされる、現代に残る数少ない街道市。旧青梅街道が通行止めになり、約40のだるまを売る店や約180の露店がズラリと並ぶ。住吉神社では古いだるまのお焚き上げも行われる。13:30~20:00。

◎JR青梅線青梅駅下車すぐ。青梅観光案内所☎0428・20・0011

【うそ替え神事】木彫りのうそに願いを込めて

<1月24・25日>江東区・亀戸天神社

旧年中のうその木彫りを神社に納めて、新しいうそに取り(鳥)替えることで、これまでの悪いことが“嘘”になり吉運を招くとされる。愛らしい表情のうその木彫りは神職の手作り。

◎JR総武線・東武亀戸線亀戸駅、JR総武線・地下鉄半蔵門線錦糸町駅徒歩15分。亀戸天神社☎03・3681・0010

【深谷ねぎまつり】旬の深谷ねぎを味わう

<1月29日>深谷市・瀧宮神社

柔らかくて甘みの強い名産の深谷ねぎが旬を迎える。泥ネギを丸ごと直火で焼いて食べる「深谷カルソッツ」が毎年人気(売り切れ次第終了)。ほかにも深谷ねぎを使った創作料理の出店や深谷ねぎ奉納も行われる。10:00~15:00。

◎JR高崎線深谷駅下車すぐ。深谷ねぎまつり実行委員会 info@negimatsuri.com

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者より提供。

『散歩の達人』2023年1月号より