◆散歩コース◆
体力度:★★★
難易度:★☆☆
- 登山シーズン 3月~6月、9月~12月
- 最高地点 1491m(塔ノ岳)
- 歩行開始地点 290m(大倉バス停)
- 歩行時間 5時間40分
- 歩行距離 約14.5km
大倉バス停
車道歩きから林道になり、その先で登山道に。分岐を左に入り旧大倉高原山の家へ。小屋前の展望よし。
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見晴茶屋
廃業した山の家から、すぐ見晴茶屋。相模湾の展望所。一本松から延々と上がる。富士山も見えてくる。
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堀山の家
木段を延々とまた上がる。天神尾根分岐の先、岩場の急坂と木段。分岐から約30分で、ようやく花立山荘。
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花立山荘
展望を楽しんだら、またひと登り。金冷シの分岐から先にまた最後の木段があり、登り終えると、やっと山頂。
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塔ノ岳
海に向かって下りて行く醍醐味を堪能しながら、登ってきた道をひたすら下る。所要時間は登りの半分ほど。
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ゴール
大倉バス停
アクセス:
[行き]新宿駅から小田急電鉄小田原線で渋沢駅へ。渋沢駅北口から神奈川中央交通バスで大倉バス停、約1時間45分。
[帰り]大倉バス停から神奈川中央交通バスで渋沢駅北口へ。渋沢駅から小田急電鉄小田原線で新宿駅、約1時間45分。
渋沢駅から大倉行きのバス便は、利用しやすい平日の午前で1時間に2便、土休日になると7、8時台は1時間に4便と多い。帰りも1時間に2、3便はあるので足の便はいい。
大倉から塔ノ岳ピストンは約14.5km。ヤビツ峠から塔ノ岳、大倉への表尾根縦走もほぼ距離は同じ。所要時間もほぼ同じ。しかし違う点がある。それは標高差だ。
表尾根はヤビツ峠がすでに760mほどなので、塔ノ岳へは700m強の上り。あとは下るだけだが、大倉からの場合、1200mの標高差を上り下りしなければならない。これで判明するのは、つまり表尾根縦走よりはきついということだ。
この1200mという標高差は北アルプスの急登といわれる合戦尾根レベルであり、実際、そのトレーニングにも利用されている。本日はその長~い上りと、長~い下りに挑戦するのである。
大倉尾根についている塔ノ岳への登山道は、別名、バカ尾根といわれるが、何が“バカ”なのかは不明である。ただ尾根を馬鹿にしている意味ではないと思う。
大倉バス停から車道歩きが続く。しばらく行くと登山道になり、大倉高原山の家へ行く分岐点。遠回りになるが、寄って行くことに。
「大観望」という小屋前の展望。今日最初の相模湾と街並み。なかなかいい展望だ。
小屋は2017年の秋に閉鎖されているが、小屋の裏手にあるキャンプ場は無料で利用できる。管理は秦野市の観光課のようだ。
小屋から、さらに上の見晴茶屋へ。ここからの眺めもよし。一本松を過ぎると長い階段を上がる。階段がなかなか終わらない。しかしまだ序の口だ。
駒止茶屋を過ぎるといったん道は平坦になり、富士山が左手に顔を出す。堀山の家の前のベンチで休憩してから出発。
小屋から少し上がると、相模湾に浮かぶ大島や、その右手に利島も見えてきた。眺望がだんだんよくなるにつれて、勾配もだんだんときつくなってくる。木段をひたすら上がり、天神尾根分岐を右に分けて行くと、また果てしない木段の道。空へと上がって行くような感じ。ようやく花立山荘へ到着した。
小屋の前は広場になっていて、最高の展望が得られる。山荘の西側からは、富士山がよく見える。もしこれ以上は登れない、と思うならここから下山しても、十分に元は取れている。
塔ノ岳山頂に広がる360℃の絶景パノラマ
山荘から金冷シの分岐までも、これでもか、という木段。塔ノ岳が手が届くように見えてきたが、分岐からさらに30分以上の登り。広い山頂にようやく着いた。ぐるっと山頂をひと回り。山も富士山も海も全部見えるではないか。
きついコースだが、塔ノ岳の魅力は、この山頂の展望と途中の展望にある。
山歩きメモ
塔ノ岳に登るコースはほかにも。大倉から鍋割山へ上がって塔ノ岳、ヤビツ峠から表尾根縦走をして塔ノ岳。いずれもロングコースだが、時間的には一番かかるのが鍋割山コース、次が表尾根縦走、大倉尾根ピストンが三番目。
アドバイス
大倉バス停から標高差1200mほど上がるので、かなりの登りとなる。北アルプスの三大急登といわれる合戦尾根よりハードという人も。下りも考えて、途中で戻る選択肢もあり。
塔ノ岳周辺の山小屋
大倉から塔ノ岳に行く途中には山小屋がいくつもあるが、土休日のみの営業や廃業した小屋も多い。
取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 日帰り山さんぽ』より