似た駅名の乱立も復活もあり

21年閉鎖されたゲート。

85年の歴史で駅名変更が4回。その改称続きの歴史を現地で探った。まず駅すぐ近くにあった遊園地のゲートは、遊園地のリニューアルに伴い閉鎖されていた。2021年の西武遊園地駅→多摩湖駅の改称は「ゲートの閉鎖で遊園地の最寄り駅ではなくなったこと」が理由だが、玉突き的に隣駅の遊園地西駅が西武園ゆうえんち駅に改称。それとはまた別に西武園駅も近隣にあるのがややこしい。

なお開業時の駅名の村山貯水池は多摩湖の正式名称。多摩湖は昭和22年(1927)の竣工直後から人気観光地となった。そして当時は2つの鉄道会社が観光客の誘致合戦を繰り広げており、多摩湖へ向けて各々が路線を延伸し、似た駅名も乱立。多摩湖周辺の駅名と路線のややこしさはその名残なのだ。

なお駅周辺の地図では旧駅名が残るものも目立ち、テプラで修正したものも多数。街も改称に慣れてるのかも。

村山貯水池駅が開業した場所。
狭山公園内の地図にはテプラで駅名を修正したものもあった。

駅名の変遷

昭和11年(1936)【村山貯水池駅】
多摩湖鉄道が開業。当初は現在より約400m南で現在の狭山公園管理所の近くにあった。
昭和16年(1941)【狭山公園前駅】
駅名変更は国防上の理由(貯水池という軍事上重要な施設を隠蔽するため)とされている。
1951年【多摩湖駅】
戦後は村山貯水池の通称が駅名に。1961年に400mの延伸を行い、現在地に駅が移転した。
1979年【西武遊園地駅】
この駅名も実は2代目。初代はおとぎ線(現・西武山口線)の駅で、改称の後85年に廃止。
2021年【多摩湖駅】
遊園地のゲート閉鎖で旧駅名が復活。同時に遊園地西駅が西武園ゆうえんち駅に改称した。

取材・文・撮影=古澤誠一郎
『散歩の達人』2021年9月号より